治らないはずの高次脳機能障害だけど…リハビリはもう必要ないと感じた理由

高次脳機能障害体験談~退院後~

インフルエンザ脳症で脳に障害を負い、大学病院を退院してから1年が経とうとしています。

リハビリのために定期的に通っている作業療法も「そろそろ終わりにしても、良いかなぁ?」と考えています。

なぜなら現状の生活の中で、記憶力と注意力に関してはあまり困っていないからです。一番の課題は【疲れ】のみ。易疲労さえ解消できれば、大満足と思える状態にまで回復しています。

ここまで来るのに1年かかりました。

退院するときに大学病院の先生から、
「高次脳機能障害は実生活がリハビリ」
と伝えられていましたが、最近になってその意味が解ってきた気がします。

実生活がリハビリと感じた理由

「高次脳機能障害のリハビリって何だろう?」

この1年のうちに何回か考えたことがあります。そして時間とともに考え方が変化しています。

当事者は最初は右も左もわからないド素人です。何度も壁にぶつかり、痛い目を見て、試行錯誤して、先人たちがたどり着いた場所に進めるのだと思います。

壁を乗り越えるのは高次脳のリハビリを理解するために必要な儀式なのかもしれません。その壁を乗り越える手助けをするのが高次脳機能障害のリハビリなのだと思います。

おかげで何度も立ちふさがる壁を乗り越えられました。と同時に私のリハビリへの認識は変化しました。

障害を負ったばかりのころのリハビリの認識

障害を負い認知も滅茶苦茶だった頃です。

この頃は「リハビリとは障碍によって失った脳機能(主に記憶力)の回復をするためのに行うもの。」このように考えていました。

この時の私は「記憶力がダメになった」という認識がとても強かったです。障碍者になった自分が滅茶苦茶怖かったです。

自分はもうダメになった。元の世界には戻れない。でも戻りたい。どうしよう…オロオロするばかりです。どうすれば記憶力が回復するのか?元の世界に戻るにはどうすればいいのか?を中心に考えていました。

記憶に良い食べ物があるとわかれば積極的に食べました。散歩が良いと聞けば毎日散歩をしました。リハビリがあると言えば「早くリハビリを受けたい!」と焦っていました。

とにかく「障害を治したい!」「リハビリを受ければ障害は治る!」そんな気持ちが強かったです。

「治らないから障害」という言葉が大嫌いでした。為せば成る。自分ならどんなリハビリでも乗り越えて障害を絶対克服できると信じていました。…信じ込もうとしていました。本当に障害のない体に戻りたかったです。

1年経過してリハビリを終わらせようと考えた現在の認識

あれから1年。リハビリへの認識がかなり変わっています。

現在も千葉リハで定期的に作業療法を受けています。でも、そろそろ終わりにしたいと考えています。

ということは障害が治った?

いいえ、治ってはいません。相変わらず、何かが抜けているときがあります。

確かに半年前と比べたら状況は圧倒的に良くはなっています。運転の許可が下りるほど回復しています。でも、病前と比べたら…?「んー抜けているよなぁ」と感じています。時々妻に指摘もされます。

そうは言っても、極端にひどいわけでもなく、まぁ障害を持つ前と比べたら、ちょっとおっちょこちょいな感じになったかな?といったレベルです。

一番困っているのは「とても疲れやすい」という点です。おっちょこちょいよりも辛いです。気候によって頭が重くだるくなる症状もあります。

低気圧に弱くなった?ってやつでしょうか?今まで気候に左右されたことがなかったので驚いています。台風が来た日なんて1日中グッタリでした。結構しんどいものですね。

受傷後1年。自分の障害の現状把握が出来たつもり

私は今自分がどういう状況にあるかを認識しています。そしてどのような対応を取ればよいのか理解しています。

救急車で運ばれたときからの念願である「自動車の運転再開」も達成できました。

私の障碍に対して一番厳しい目を持つのは妻です。その妻ですら私の回復を認めて、働きに出はじめました。

今後すべきことも理解しています。疲れへの対応です。疲れない体づくりが私の使命です。

メンタルも安定しています。以前のように大パニックを起こして「自分には価値が無くなった!」と大騒ぎすることもありません。

トラブルが起きても以前のように自力で回避することもできます。

1年かけて自分の障害を理解できたおかげで、現状の把握と対策が自力で建てられるようになったと考えています。何をすべきが見えたら、具体的な行動に落とし込むだけです。実践するかしないかは妻がどうこうではありません。自分がやるかやらないかです。

高次脳機能障害のリハビリのゴールは自覚

何ができて何ができないのか。それを理解し、代替手段を用いて以前と遜色のない行動ができる。

ここまで到達出来たら、もう障碍者ではないかもしれません。手帳は持っているので障碍者とされるのかもしれませんが。

不便や問題を感じなけば気分的には障害はない。リハビリは問題を解決するための手助け。ならリハビリの必要がないのでは?と思います。

ミスを犯して妻に指摘されれば「あぁそうなんだー」って丸々受け入れられますし、仕事も回り始めました。

今困っているのは「疲れやすい」ぐらいです。これは毎日の体力作りでカバーです。

となると、もう千葉リハでの作業療法は卒業していいんじゃないかなぁ?と思っています。っていうかそろそろ卒業しないと次へ進めないと考えています。

そんなわけで、今回千葉リハで作業療法を受けた時、作業療法士さんに伝えました「もうリハビリは終わりにしたいです。」と。

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