高次脳機能障害は治らない?いいえ1年経った今、回復を実感しています!

高次脳機能障害体験談~退院後~

インフルエンザ脳症で高次脳機能障害者となり1年が過ぎました。

この1年間ずっと疑問に感じていたことがあります。それは「障害は治らない」「治らないから障害」と言う説がある事にです。

その一方で「脳は回復する」といった、脳のお医者さんが脳障害の当事者になってから執筆した書籍もあります。

どういうことなのでしょうか?わけが分かりません。そう私と同じように感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そこで今日は私自身がインフルエンザ脳症で高次脳機能障碍者となり1年が過ぎた時点での「脳は回復するの?しないの?」の実感について書きたいと思ます。

比較してみよう。1年前の私と今の私

物事は比較すると良くわかります。1年前の私と今の私の状況を列挙してみます。私の障害は以下の3つがあると診断されています。その前提での変化です。

  • 記憶障害
  • 注意障害
  • 遂行機能障害

また易疲労性もあります。

イオンへのお使い

私は退院直後から脳に新鮮な空気を送るために、毎日近所のイオンへお散歩をしていました。お使いも頼まれました。

1年前

「牛乳を買ってきて」と言われて卵を買ってくるようなありさまでした。

買い物メモを取るのですが、メモを取ったことすら忘れて電話で確認することもありました。

イオンへの道は忘れていないため、道に迷うことはありませんでした。

現在

買い物ミスはありません。何でも買えます。

高性能なスマホが安売りしている海外のサイトを発見して購入したり、最も通信費用がお得になるフリーSIMを見つけ出したりもします。通話時間と通信時間からベストなコースを選択したりもできました。

イオンへのお使い2

高次脳の症状に感情失禁というものがあります。怒りっぽくなったり、悲しくなりやすかったり、笑いやすくなったりと、普通なら空気を読んで行わないことを平気でするようになってしまうものです。

私にも感情失禁がありました。

最初の半年

夕方から夜にかけて散歩をしていたのですが、自分の現状がみじめで悲しくて仕方がありませんでした。「もし自信を無くして、くじけそうになったら、良い事だけ思い出せ。」と誰もいない公園で頭の中でアンパンマンの歌を思い出して泣いていました。

現在

悲しくなるようなことはありません。今は「次は何をしようか」と希望に燃えている状態です。ありがたいです。

イオンへのお使い3

高次脳の症状に易疲労というものがあります。神経疲労です。外部の刺激で脳が疲れてグッタリして今うというやつです。私の障害の最後の壁です。

最初の半年

イオンの明るい照明や人込みの中に入り込むと…頭がズウンと重苦しくなりました。ハァハァと息も切れてまともに歩けません。道中ベンチにへたり込みながら、息も絶え絶えで散歩をしていました。

現在

ウォーキングで5Kmほど歩いたり、自転車で20Kmほど走っても平気だったりしています。ここまで来ると易疲労よりもお尻が痛くなったりとか、そっちの方が問題になっています。目標は自転車で100Kmは走りたいです。

千葉リハへの移動

この1年間、自宅から1時間30分ほど離れた千葉リハビリセンターへ通っています。

最初の半年

妻に付き添ってもらっていました。

千葉リハのある駅は鎌取駅ですが、いつも駅名が思い出せませんでした。

思い浮かぶ駅名は必ず次の3駅。なぜか全て「五」が付いている駅名ばかり。なぜなのかは分かりません。

  • 五香(昔スポーツジムに通う際に使っていた駅)
  • 五泉(昔出張で言ったことのある新潟の駅。一度しか行ったことがありません)
  • 五井(千葉県のどこかの地名です。どこなのかすらわかりません。)

現在

一人で普通に通っています。

千葉リハへの移動2

作業療法の開始時間は決まっています。だから前日にしっかりと時刻表を確認してメモを取るのですが、こんな感じになっていました。

最初の半年

実際に乗ろうとしてメモを確認すると、滅茶苦茶矛盾した乗り換え方法が書いてあります。

例えば10分は余裕を持ちたい乗り換え時間を、到底不可能な少ない時間にしたり。1時間に3本しかない千葉リハの送迎バスの発車時刻を勘違いしていたり。

現在

一人で普通に通っています。なぜあれほど矛盾した乗り換え設定をしたのか、自分でも分かりません。

千葉リハへの移動3

高次脳になるとトラブルに非常に弱くなります。とても困るのが都会の電車につきもののダイヤの乱れでした。

最初の半年

人身事故や停電でダイヤが崩れると、「なんで自分の時ばかり電車が滅茶苦茶になるんだ!」と怒りモード。千葉リハに到達するのは不可能な状態になり引き返していました。

現在

「またかぁ。仕方がないかぁ。」で特に何も感じません。のんびりした性格が戻ってきています。トラブルが起きても最善の乗り換え経路を探し出せます。

お仕事

私はコンピュータでシステム開発をする仕事をしています。大学病院では「高次脳の人がする仕事ではない」とくぎを刺されていました。

1年を振り返ると確かにそうかもしれません。でも乗り切れました。周りのみんなに支えられたおかげです。

最初の半年

数分前に行っていた作業内容を忘れてしまい、また最初からやり直して、食事をとらずに深夜まで仕事を続けるような事が続きました。でも疲れるとさらに記憶が悪くなって、忘れやすくなるんですよね。でも止められないのです。本当に地獄でした。

自分に自信が全く持てず、自分の存在価値が無くなってしまったと、毎日絶望感に襲われていました。

現在

元通りにコンピュータシステム開発のお仕事を続けています。周りには沢山心配をかけていました。でも見守ってもらい将来に続く新しい仕事を始めました。さらにこのブログも始めました。

周りのみんなに助けられて、ほぼ元通りの状態に戻れています。感謝です!

メンタル的なもの

最初の半年

絶望感しかありませんでした。夢も希望もありません。「自分はもう終わった。価値が無くなった。」こんな考えで頭の中がいっぱいでした。

楽しいお祭り会場は自分にふさわしくない。自分は楽しんではいけない。何もしてはいけない。…完全に暗黒世界の住人です。

仕事も不安でしかたがありませんでした。約束事があると準備に1週間かけていました。普段なら前日にちょろっと行う程度のものでもです。

自分が全く信用できません。それでも「周りに迷惑をかけてはいけない」の一心でした。しかしそれが負担になって仕事をやめられなくなり、易疲労で記憶がさらに悪くなりついには発狂状態…。そんな負のスパイラルに陥っていました。

現在

今でも自分への疑いは常にあります。健康な時は「自分はなんでもできる!」と、常に自信満々だったんですけど、今はかなり臆病な状態です。「ダメな自分」をさんざん見てきたため、まだ自分を信用できていません。疑っています。

でも、半年前に比べたら相当自信は回復しています。もうちょっと時間がかかりそうですが、必ず回復できると考えています。

車の運転

運転が可能になったのは約3週間ほど前です。まだ決まったところに数回運転しているといった感じですが、かなり強く変化を感じています。

運転し始めの頃

ほんの数百メートル。時間にして5分程度を運転しただけで。神経疲労でグッタリしてしまいました。

「これじゃぁまともに運転なんてできないよ!」とかなり厳し状態でした。

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現在

片道30分程度の道なら全く疲れを感じなくなっています。疲れに関してはもう心配がいらないのでは?なんて考えています。

でも【自分を疑い続ける】という後遺症があります。ちゃんと安全に運転ができているのか?の不安が付きまとっています。

技術的には問題が無いのは太鼓判を押されているのですが…気持ちが負けています。二次障害ってやつなのかもしれません。

リハビリ(作業療法)

高次脳機能障害のリハビリを定期的に受けています。

ひとりひとりの状態に合わせた課題が用意されています。

最初のころ

通常よりも作業ペースが早いそうです。そのため制限時間を短くするというハンデ戦でした。

現在

既成の課題では私の脳に負荷がかからずリハビリにならないそうです。

そのため最高難易度の課題にさらにハンデを付けています。すっごいキツイです。こんなにきつい作業は日常生活ではありえないレベル。これを考えた人は鬼です。

高次脳機能障害になってから回復しまくった1年

私は今、新しい仕事に3つチャレンジしようとしています。

もともと新しいことに次々チャレンジするのが大好きなのが幸いしているようです。脳に良い刺激を与えていると思います。作業療法士さんも「新しい事にチャレンジ!」って言っていましたし。

新しいことをすると脳に新しい回路が生まれるようです。脳が活性化します。元気になります。

毎日なるべく運動をしつつ、新しいことにどんどんチャレンジしていけば、障害は無くなり(無くならいから障害らしいですが)また健常者時代の自分を取り戻せるはずです。

「完全に元には戻らない。元々より能力は落ちる。」

この言葉も何度も聞きましたが、そんなことはありません!!

能力は元に戻ります!そう実感しています。今困っていることは「自分への自信の回復」だけです。でもこれは新しいことを成し遂げれば必ず回復します!

障碍者になったけれど未来は明るいです!明日は客先での仕事があります。負けずに頑張ります。必ず成功させてきます!

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