高次脳記憶障害のリハビリの意味を理解したのは全リハビリを完了してからでした

高次脳機能障害体験談~退院後~

私は千葉リハビリセンターで1年弱の間、高次脳機能障害のリハビリを受けました。作業療法と言っていました。今日は私が受けた作業療法について私が行ったこと、と私のリハビリへの結論をまとめてみます。

人によって障害の種類や目指す目的は違います。そのためリハビリの内容や期間は違うと思います。だから全員が同じリハビリをするわけではありませんが、高次脳機能障害のリハビリの一つの例として挙げてみます。

私の場合、障害は次の三つです。

  • 記憶障害
  • 遂行機能障害
  • 注意障害

リハビリの目的は運転再開です。

作業療法は何のために行うの?

運転再開という目標到達のためには、

  • 現在の私が運転できる状態かどうかを見極める。
  • どうすれば運転ができる状態になるのかを見極める。

この二つの把握が必要だと思います。

把握するためには私の高次脳機能障害の度合いがどの程度なのか確認が必要です。

私が受けた作業療法は、運転再開という目的を達成するために行った計測作業(障害の見える化)なんだろうなと思います。

私が行った高次脳機能障害のリハビリ達

こんな作業療法を行いましたよ。

物品請求書の作成

「注意の切り替え、集中力、手順を覚えていられるか。」こんな事を目的として請求書を作成します。

数枚の物品請求カードを元に、カタログを確認して、品名、品番、数量、単価、金額をまとめた明細書を作成。合計や消費税も計算します。

この手の計算作業は私が得意とするところです。基本的に作業が速くミスがほとんどありません。(たまにあるのが痛いケド)

とりあえず失っていない機能を再確認できた感じでした。

記憶の練習帳

イラストと言葉の組み合わせを覚えたり、あいうえお順にならんだ単語を覚えたりします。もろに記憶力を使う苦手な作業です。

この作業療法は地獄でした!!しんどい。疲れます。グッタリです!!

もうね。本当に言葉が覚えられません。とくに規則性が見いだせないとダメ。

イラストと言葉組み合わせを覚えるとかもダメ。本当にダメ。

あれから一年経ったけど…今やったらどうなのかなぁ?まともにできる自信ないです。たぶん障害を持つ前でもダメだったと思います。

私は頭に映像が浮かべられないと記憶が残らないのかもしれません。

パソコンを使って文章入力

この作業療法は、パソコンの画面に表示された一文をそっくりそのまま入力する。というものです。これは先ほどの記憶の練習帳のようにもろに記憶力を試される性質ではないと思います。

でもルールを覚えたり、手順通りにおこなったり、正確に入力したりと、やっぱり私が失った高次脳機能を使う作業です。

一つ問題がありまして、毎日PCを使って作業をしている私にとって「文章を入力する作業」というのは、息を吸って吐くぐらいのレベルで何も意識せずともできてしまうことだったんですよね。

楽にできてしまっては現状把握ができません。そこで取られた対策が

「うわぁ…よくもまぁこんなにしんどいハンデを付けてくれたなぁ(涙」

というレベルのハンデを付けるというものでした。

作業療法士さんが「簡単にこなしちゃうから、一番難しい問題にハンデも付けて最高に厳しくしているよ!」って言っていました。

本当にすっごいきつかったです。

作業療法の議事録作成

千葉リハでの作業療法は

  • 記憶の練習帳
  • 物品請求書
  • PCでの文章入力

主にこの3つを行いました。普通はこれで終わりなのだと思います。千葉リハでの活動が終わったら「また来週来てね!」です。

私の場合は宿題が言い渡されました。

作業療法士さん「今日やった作業療法の議事録を書いてきてね!」

私「ええええ!?」

きっと私が

「あとでブログのネタにしてやろう」

と、千葉リハでの出来事をノートに書いていたのを発見したからなのだと思います。

これがまたしんどい!

記憶障害真っ只中でノートに書いたメモが頼りなんです。家に帰ると千葉リハで何をやったかなんて、ほとんど思い出せません。

だから必死にメモを取るんだけど、メモを取ると現地での作業療法がおろそかになってしまう。もう忙しくてたまらない!

何度もメモを取っていると「作業療法の時間が終わったらメモに書きましょうね!」なんてさらに大ハンデをくれるし。

「自ら災いを招いてしまった」そんな辛さがありました。作業療法の議事録を書くのは。

作業療法の議事録に書く内容

「作業療法の議事録にはこういうことを書いてね」と言われました。

やった事を細かく記述するのではなく、間違いの原因を明確にするように書く。

例えばこのようなことを意識して議事録を書くと良いようです。

  • どんな間違いをした?
  • まるっきり解らなかった?
  • 元々ダメだった?

今思えば、これもまた現状把握のリハビリですね。

千葉リハの高次脳機能障害のリハビリを終えて感じること

高次脳のリハビリって「自分の障害を治すリハビリ」というイメージがとても強かったのですが、実際は違っていました。

千葉リハは最初から「リハビリは現状把握だよ。」とは言っていたのですが、その意味が解っていませんでした。

現状把握の意味が理解できたのは、一通り心理検査や作業療法を受けて、目的である運転再開を達成してからです。

「障害の現状把握って意味があるの?」って思うかもしれませんが、目的と現状。何かをするにあたってこの二つは必須です。

条件が二つ存在することで比較検討ができます。比較検討することで差が割り出せます。この差分こそが乗り越える障害の壁そのものだと考えています。

目的達成を阻害する壁を無くすためにはどうすれば良いか?現状と理想の差を埋めるためにはどうすれば良いか?

これを考えるのが千葉リハのお仕事。

千葉リハが考えたスケジュールに従って行動するのが当事者と当事者家族のお仕事。

そういう仕組みで、当事者はリハビリセンターと一緒に障害を克服していくんだろうなぁ思います。

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