ヘルプマークの不正使用!?元気そうなのに付けているのが許せない?

高次脳機能障害体験談~退院後~

「なんでもなさそうなのに、ヘルプマークを付けて優先席に座っている!」

「あの人は「優先席を譲れ!」と怒鳴るほど元気なのに、ヘルプマークを付けている!」

このようなヘルプマークの不正使用者が許せないという、ツイートを何度か見かけたことがあります。

確かに人に怒れるぐらい元気そうな人が、ヘルプマークを悪用して優先席に座ろうなんて不正は許せませんよね!ずるいですよね。わかります。

でも、それってもしかすると誤解なのかもしれません。

なぜかというと、その元気そうに見える人自信が、ヘルプマークの対象である「見えない障害を持つ人」なのかもしれないからです。

ちょっと意味不明かもしれませんね。どういうことなのでしょうか?

見た目が普通なのに…ヘルプマークなの?

障がいのある方のための各種マーク【ヘルプマーク】

障がいのある方のための各種マーク【ヘルプマーク】

ヘルプマークは、援助や配慮を必要としていることが外見では分からない人々が持つマークです。

例えば、足を怪我して松葉づえをついている…というような見てわかる状態ではなくて、一見普通に見えるんだけど体の内部に何か問題を抱えている。そんな障害を持つ人が付けています。

体の内側の障害にもさまざまな種類があります。その中の一つに【高次脳機能障害】があります。私がインフルエンザ脳症で負った障害です。だから私もヘルプマークを持っています。千葉リハに出かける際にカバンに付けていたこともありました。最近はカバンのポケットの中です。

私は知らない人が見たら普通の人に見えます…たぶん。スーツを着たら普通のサラリーマンに変身です。でもヘルプマークを持っているのです。「ふふふふ。誰も私がヘルプマークを持っているなんて判るまい…。」そんな感じです。つまり、ヘルプマークを持っている人って、普通の人が持つ「障碍者」のイメージと一致してないことがあるんです。

高次脳機能障碍者のグループリハビリで見た~易怒性~

私は数か月間、千葉リハで高次脳機能障碍者のグループリハビリを受けていました。数人の高次脳機能障害を持つ方々が、集まって意見を交換し合うリハビリです。

高次脳機能障害のリハビリのゴールは「障害の自覚」と言われています。グループリハビリは、他の当事者を実際に目の当たりにして、自分の障害の自覚を促そうという目的で行われているのだと思います。

そのグループリハビリでこんなエピソードがありました。

グループリハビりが始まる直前の集合の時です。足のリハビリ中の小さな子供が、うまく歩けず目の前で泣き出しました。

その様子を見ていたグループリハビリのメンバーの方がこう言いました。

「うるさいな!」

あまりの突然の出来事に驚きました。大の大人が頑張っている小さな子供に向かってとんでもない暴言です。でもこれは高次脳機能障害の症状の一つ「感情失禁」なんです。易怒性とも言います。通常なら頭の中で処理してしまう感情をそのまま外に出してしまうのです。

高次脳機能障害者の特徴~易疲労性~

高次脳機能障害の症状の一つに「易疲労性」もしくは「神経疲労」というものがあります。これは外からの刺激にとても疲れやすい状態であることを表しています。

体力がどうのこうのという問題ではないと思います。とにかく疲れやすいのです。脳はエネルギーを沢山消費する臓器です。それが関係しているのだと思います。

私が入院していた時、心理検査で頭を使うとあっという間にエネルギーを消費して酸欠状態になりました。例えていうなら、机に座ったまま1500mを全力で走った直後のような疲労感に襲われました。

そして疲れると、脳の機能は全体的にパフォーマンスが悪くなります。障害による弱点がモロに出てくる感じになるようです。感情が漏れやすい人はより一層漏れやすく。怒り症の人はより怒りやすく…そんな感じになってもおかしくなりません。逆に泣きやすくなる方もいるでしょう。

元気なのにヘルプマークを持っているのはなぜ?

私は今では疲れへの耐久度が上がってきています。でもインフルエンザ脳症を発症してから半年間は千葉リハへの電車移動がとてもつらかったです。本来は入院する予定だった程なので、毎回バテバテになり、ぐったりしていました。

私には易怒性はなく単に疲れやすいだけでした。だから疲れても電車の中で怒ったりはしませんでした。ひたすらぐったりしていただけです。

でも中には疲れて脳のパフォーマンスが落ち、怒りやすくなる人もいるわけです。そうなるとはたから見れば「あの人怒るぐらい元気があるのにねー。」ってなるのです。

疲れているから感情の抑えが効かなくなって怒る。そして怒るとますます疲れる。疲れるとますます怒る。この負の連鎖は自分ではなかなか止められません。障害の度合いが軽くなったり自覚が出てきている人は止められると思いますが…。

元気に見えているようで、実はグッタリ疲れ果てている危険な状態です。ちなみに疲れていても疲れている自覚が無い人もいます。私もそうでした。

そのヘルプマークは不正に入手したもの?

このように一見、元気そうな人がヘルプマークを身に着けているのには理由があります。決して楽をしたくて不正にヘルプマークを入手したわけではないと思います。もしいたら人の善意を平気で踏みにじる鬼畜ですね。

でも、障碍者を身近に見たことが無いと理解は難しいと思います。私だってグループリハビリに参加して、の障碍を持つ他の方を見て初めて「なるほど!」と理解できたわけですから。

「厄介だから家から出るな!」という考えを持つ方がいるかもしれません。でも高次脳機能障害は交通事故でも、転落事故でも、インフルエンザでも、脳卒中でも何が原因でも、なる可能性があります。

昨日までビジネスの第一線で活躍していた大の大人が、次の日に突然高次脳機能障害になるかもしれないのです。

グループリハビリで参加した高次脳の方々は、全員バリバリに働いていた一家の大黒柱の方々でした。私もそうです。

ヘルプマークは見えない障害を抱える方が持つもの。ヘルプマークを付ける人がどういう人なのかを考えると「なぜ元気そうな人が…」の理由が見えてくると思います。

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