怒鳴れるほど元気ならヘルプマーク不必要?理解されにくい内部障害の辛さ

高次脳機能障害体験談~退院後~

一見健康そう。でも体の内部の機能に不具合が生じて不便を感じる障害があります。内部障害と言います。

内部障害の方は外見が一般的だったりします。つまり健康な人にしか見えない。

高次脳機能障害も内部障害です。だから私も該当します。黙ってイスに座っていたら内部障害があるなんて思われません。でもそれが問題を複雑にする事があるようです。

Twitterでこんなツイートを見かけました。

ヘルプマークを付けた人が「優先席をゆずれ!」と、怒鳴っている。
そんなに元気ならヘルプマークなんて必要ないだろうに。

このツイートを見た時、私はこう感じました。

「そうだよな。そうなるよな…。」

だって見かけが普通ですからね。怒鳴っていたら元気に見えますし。でも実際は違うのだと想像しています。

一体何が違うのでしょうか?

今日はこのツイートから感じた、見えない障害について当事者目線で書いてみたいと思います。

ヘルプマークが必要な人はどんな人?

「元気ならヘルプマークなんていらないのでは?」と考える人の気持ち。わかります。

でも私は当事者。ヘルプマークを付けた元気そうな人が「優先席を譲れ!」と怒鳴る理由もわかるのです。

ヘルプマークを付けた人は、何らかの見えない問題を抱えています。でもだからと言って「ゆずれ!」って怒鳴るのは違いますよね?

うん。わかります。普通はそう考えるでしょう。私もそう考えます。

でもね…怒鳴るのって高次脳機能障害の症状の一つなんですよ。

感情失禁。そのように言われている障害があるのです。抱いた感情が駄々洩れになってしまうってやつです。

一見元気に見えます。でもやたらと怒鳴っている。そういう方は「脳機能を土台で支えている体力が無いのだろうな。」そのように想像してしまいます。

ヘルプマークって内部の障害のマークなんです。外見からは障害がわからないんですよ。元気いっぱいに見えたりもします。でも感情がを抑えられない。それが障害。

だからヘルプマークを付けているのです。すっごいややこしいですね。

高次脳の人から助けを求める叫びなのかも

私はこのように想像しています。

優先席前で怒鳴っている人は「ヘルプマークを付けている元気そうな人。」

でも実際は

「満身創痍で、息も絶え絶えの状態。その中で助けを求めているのだけれど、その声が怒りという形になってしまう人。」

こうなっているのではないのかな?と。

「いやいやいや…。そういう時は怒鳴らないで、普通に言えばいいじゃない。」

そう思うのが普通です。私もそう思います。「怒鳴って優先席を譲らせよう」なんて夢にも思いません。できません。

でも、そういう症状が出てしまう人もいる。のです。

こういうことを書くと「高次脳機能障害の人って怖い!」って思うかもしれませんね。

でもそれは「日本人って怖い」って日本を知らない外国の方が言うのと同じです。「日本人でひとくくりにするなよ。」って思いませんか?

高次脳機能障害は症状で分類分けはできますが、人の性格と同じで全く同じものはありません。

見えない障害を持つ怒鳴っている人の気持ちを代弁してみる

あくまでも自分の経験と千葉リハで他の高次脳の方々と接した経験から…でしかないんですけど…。

ヘルプマークを付けた人が元気そうに怒鳴っている。という書き込みから推測すると、怒鳴っていた方はこのような状態だったのではないかな?と思います。(だいぶ好意的に見ています)

  • 怒鳴っている人は内部障害がある(ヘルプマークより)
  • 怒鳴っている人の内部障害は高次脳機能障害
  • 怒鳴っている人は感情失禁が起きている(高次脳機能障害の症状の一つ)
  • 感情失禁は疲労から来ているのかもしれない。
  • 高次脳機能障害は易疲労と言って疲れやすい。
  • 怒鳴っている人はこう思っている「疲れた。座りたい。休みたい。助けてくれ。」

このようにもまとめられるかな?

  • 高次脳でとても疲れやすい。だからハートマークを付けている。疲れやすいから優先席に座りたい。でも座っている人がいた。
  • 感情失禁があり「許せない!」という怒りの感情が抑えられない。高次脳の方は曲がったことが許せない傾向もある。
  • 疲れるとますます障害の度合いが酷くなる。
  • ついに怒りが爆発した。
  • 周りの人からは「すっごい元気じゃん」

こういう流れなんじゃないのかなぁ…って想像してみました。

もちろん、優先席に座っている人もハートマークを持っている人だった。というケースも想定できます。具合の悪い人が据わっていたのかもしれません。

幾らでも話が広げられるので、今回は「高次脳機能障害の人が優先席を利用していた」という条件での想定です。

千葉リハに自宅から通っていた私の場合は…電車での移動がとんでもなく辛かったです。床の上にへたり込んでいたかも。易疲労はしんどいです。そして易疲労があると他の脳機能がメタメタになります。

高次脳機能障害の当事者に見えない当事者

高次脳機能障害ってわかりにくいです。一見、障害を持つ人に見えなかったりもしますし。

はたから見たら「微妙に変わっている人…?」そんなイメージなんだろうなって思います。私自信が他の高次脳の方を見てそう感じていましたし。私自身もそうですし。

「ふざけているように見える」

なんて意見も持つ方もいるようです。本人はすっごいまじめに全力を尽くしていると思います。とんでもないハンデを背負いながらも。だって周囲から舐められたくないですもの。

出来ることと、出来ない事のギャップが大きいです。しかも理不尽な感じで。

「なぜアレができるのに、コレが出来ないの?」そんな感じなんですよね。

こんな状態だと周囲の人が理解をするのは難しいだろうなって思います。想像を絶する状況です。自分ですら理由がわからなかったりもします。

短期記憶障害の私を例にすると、最近の出来事が覚えられませんでした。でも、昔のことや体験で身に着けたことは覚えているんですよね。

1分前に何の仕事をしていたのか思い出せない。でも長い間経験をしてきたコンピュータシステムは作れるんですよ。

この時点で理解不能です。自分でも「なんで?」って思います。

ちなみに電話で用件を伝えられるのもダメ。

全部右から左。「今の電話の要件は何だっけ?」ですよ。記憶に定着しないのです。いや引き出せないのかな?

ふざけていないですけどね…しんどいですよ。これは。

そのヘルプマーク。不正利用ではない可能性

健康そうな人がヘルプマークを付けて、優先席に座っていたら

「不正利用?」

って思うかもしれません。でもその方は本当に対象者かもしれません。疲れやすいのかもしれません。たとえ健康そうに見えたとしても。

ヘルプマークは、そんな見えない障害を抱える人のためのマークなんです。

見えない障害って本当に見えません。能力の一部だけが障害になるこのアンバランスさ。きついです。

「とんでもないハンデ戦になってしまったなあ…」私自身はこのように感じています。

私は障碍者と健常者の間にすっぽりハマった状態でした。健常者というには不安定。でも支援が必須でもない。そんな宙ぶらりんです。

逆に言うと回復のチャンスがある!のかもしれませんが。

周囲も「どうやってフォローすればいいの?」って悩んでいたと思います。

ヘルプマークを持っている方は、見た目が元気そうでも大変な状況です。

この矛盾した状況を少しでも理解していただけたら嬉しいです。

一言でいうと

「時々失敗するかもしれないけれど、大目に見てね!ごめんね!」

こんなところでしょうか。

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