高次脳から2か月後|なぜ10分弱の作業が8時間もかかったのか?原因を説明

今日は2021年12月21日です。インフルエンザ脳症で入院したのは2019年1月中頃だったので、もうすぐ高次脳機能障害になって3年目に突入ですね。

一時期は記憶障害でまったく新しい事が覚えられなくなったのですが、最近はだいぶ覚えられるようになってきています。

もしかすると「元に戻ったのかな?」なんて考える時もありますが、疲れの溜まる夕方になると記憶がスポンと抜け落ちて思うように思い出せなくなりますね。でも昔に比べたらかなり記憶力は回復していると思います。

病気をして1か月の入院。その後1か月は仕事をせず自宅で療養。そしていよいよ仕事を再開。というときにはとんでもない壁にぶつかりまくりました。

悪い記憶は残るようです。その時の絶望感たっぷりの感情は忘れられません。なぜ絶望感たっぷりになったのかもはっきりと覚えています。退院したらいつも通りに仕事ができると考えていたのに、全然できないのですからね。この経験はなかなかないですよ。

初めてぶち当たった障害の壁は今でも覚えています。その壁の一つを簡単な図にしてみました。

記憶障害になるといったいどのようになるのか。高次脳機能障害があるのにシステムエンジニアの仕事を再開するとどうなるのか?あまり例のない事だと思います。「私は仕事を再開したらこんな感じで地獄を見ましたよ」を解説してみます。

高次脳になる前となった後ではこんなにも仕事の流れが変わっていた

上の図を見てください。左と右とで二つの流れがあるのが分かりますよね。

左側の流れ図は「健康だった時の作業の流れ」です。

右側の流れ図は「高次脳機能障害になった後の作業流れ」です。

この作業は二つとも同じ全く手順の作業です。左側は健康だった頃。10分弱程度で終了していました。

右側は障害後で、作業完了までに8時間かかっています。(実際は完了を宣言した後も不安でイッパイでした。だから何度再確認をしようとしたかわかりません。でもきりがないので8時間としておきます。)

行う作業は本当に簡単なんです。複雑な計算を行うのですが、私事前に用意したプログラムにデータを読ませるだけで完了するという代物なんです。

ちなみにこの作業は手動でも出来ます。もともと手動で行われていた作業を「自動でボタン一つで出来たらさくっと終わるよねぇ」とシステムを組んだものなんですよね。私が。だから行っていることのすべてを知っていました。

障害前の健康だった頃の作業手順

必要なデータが詰まっているデータファイルをいくつか用意します。手順書もなにもかもすべて自分で用意済みです。だから何も考えずに手順書に沿って作業をこなすだけ。だから10分もかかりません。楽なものです。

障害を受けて後で8時間以上かかった時の作業手順

流れ図の右側を見てください。「目的へ向けて行動を始める」「作業を始める」までは左と同じですよね?でもその先が…Yes/Noの分岐の山、山、山…この分岐が私の障害の状況を物語っています。

同じような事を繰り返し行っているように見えますよね?これ「自分がした作業が本当に正しいかどうか、自分自信を疑っている状況」を表しているのです。

「正しい?」「本当に正しい?」「絶対に大丈夫?」「いや、やっぱり間違えたんじゃない?」「念のために確認したほうが良いんじゃない?」…

そんな葛藤が心の中で生じていました。自分が信用できないのって地獄ですよ。自分で自分を疑っているということは、最初から敗北しているんです。一瞬でも疑念がわくと「やっぱりもう一度やり直そう」ってなるんですよ。

普通の人なら「OK!お仕事完了!」ってなります。簡単な作業ですし。

でも私はそうなれませんでした。必ず「本当に間違わずにできたのかな?」と自分を疑ってしまいました。不安がどんどんと押し寄せてきます。「それならもう一度最初からやり直そうか」となるのでした。

作業をやり直せば安心?そうはいかないのが高次脳機能障害の悲しさ

作業をやり直すと、やり直した後の結果が得られます。数字でわかります。もしきちんと作業が完了できていれば、1回目とやり直した2回目の作業の結果って同じになりますよね?なりますよね…。

…ならなかったんです。

正確には、1回目と2回目は結果はあっていたのだと思います。でも「本当に大丈夫なのだろうか?」「念のためにもう一回確認したほうが良いのではなかろうか?」という考えにとらわれていたのです。意味が分かりませんよね。

そうするとね「なぜか3回目の結果の数字が合わない」なんてことが発生するんですよ。「ぎゃーー」ですよ。まったく何が正しいのか分からなくなります。1回目と2回目を信じるべきなのか、3回目の方が正しいのか…

私には注意障害もあります。思い込みに引き込まれやすく、記憶違いをしやすい。そんな注意障害です。作業に集中しすぎて疲れるとますます注意力が低下します。でも「過集中」という障害もあるんです。飯も食わず、何も飲まず、熱中症の危険があっても顧みず一点に集中してしまう。もう滅茶苦茶です。

私、この計算を夕方6時から始めていました。その後夕飯も食べずに深夜0時過ぎまで行いました。その間に何度計算をし直したかかわかりません。

たった10分弱で完了する作業なんです。見直しなんてする必要もないのです。間違えようがないのですから。1回目の作業で正解は出ているのです。

それなのに自分を信用できなかった私が原因で状況をどんどん悪化させていきました。この時は発狂状態になったのかな…よく覚えていません。間違いなく憑りつかれたようにはなっていたでしょう。

はたから見たら、延々と同じことを繰り返して気が狂った状態です。

何が私を気が狂った状態にさせたのか…真因

「自分に課せられた仕事なのだから最後まで確実に完璧に仕上げなければならない。期待を絶対に裏切ってはならない。」

「障害があるから能力が落ちた、使えない人間になった。と思われたくない。」

この二つですね。私を発狂状態にした真因は。私はとんでもない意地っ張り。命を懸けるレベルで頑固さを発揮して意地を張るようです。これも高次脳機能障害の症状なのだと思います。妻からは「頑固になった」と言われます。

高次脳機能障害は本当に厄介です。入院していた大学病院の主治医から「今の仕事は高次脳の人がやる仕事ではない」と言われたのもうなづけます。

当たり前のことが当たり前に出来なくなっていたのですから。対処法も分からない。ただただ目の前に突然現れる壁に対して

「そんな馬鹿なことがあるか。絶対できるはずだ。今まで当たり前に出来ていたんだ!」

こんな過去の栄光にすがりながら、繰り返し立ち向かい、砕け散るの繰り返しです。

障害に慣れてきて工夫が出来るようになると、緩やかに障害を乗り切れるようにはなるようですが、その実感がわくのはだいぶ後ですね。運転再開の話が出たころだと思います。

妻が「最近は変わってきたね」って言ってきたときもその頃ですね。それまでは常に昔の自分を相手に戦い続けるようなものでした。

高次脳になると必ずぶつかる壁なのかな?

誰もが私のケースと同じような壁に、必ずぶつかるのか分かりませんが、大なり小なり「出来ていたはずの行動がなぜかできなくなった」という経験はあるのではないかな?って想像しています。

当たり前だったことが出来なくなるから障害ですしね。当たり前の事って出来て当たり前ですからね。出来なくなるなんてありえないんですよ。最初は理解できないでしょうね。出来ない事に気が付けないと思います。

最近はコロナでブレインフォグとか言葉を聞きます。これも脳機能がやられてた結果なのかな?なんて思っています。私はインフルエンザがきっかけのインフルエンザ脳症ですが、コロナ脳症って言葉もありそうですよね。

検索してみたら国立感染症研究所のサイトが出てきました。ここに載っているのかな?↓↓↓

急性脳炎(ウエストナイル脳炎、西部ウマ脳炎、ダニ媒介脳炎、東部ウマ脳炎、日本脳炎、ベネズエラウマ脳炎及びリフトバレー熱を除く)とは

コロナも感染することでサイトカインストームが発生して体内の血管に傷をつけると聞いたことがあります。私はインフルエンザに感染してサイトカインストームが発生して脳の血管に傷がつきました。同じ現象は起こりえるのかもしれませんね。

私と同じような障害者が出ない事を祈るばかりです。10分で終わる簡単な作業が8時間以上かかっても終わらないのって本当にわけが分からないし、地獄ですよ。自分がダメになったのを強く実感しました。

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