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インフルエンザ脳症で障碍者になってからの1年間まとめ|脳はどのくらい回復した?

脳は回復する 高次脳機能障害 体験談
脳は回復する

今日は2020年1月17日です。私は2019年1月17日にインフルエンザ脳症で大学病院に緊急搬送されました。つまり今日で丸々1年が経過したわけです。

高次脳機能障害が残りました。精神障碍者手帳3級を出されました。記憶障害・遂行機能障害・注意障害だそうです。記憶障害が他の二つの脳機能に障害を及ぼしています。

退院直後は地獄の毎日でした。発病後、半年を過ぎたぐらいから落ち着いてきた気がします。今は健康だった頃とほぼ変わらない状況ではないのかな?なんて思います。

まぁ退院直後からそう思っているんですけどね…。妻に聞くと「治っていないよ」と必ず言われてしまいます。

今回はインフルエンザ脳症で高次脳機能所外になった私が1年をどう過ごして、どう回復してきたのかを振り返ってみたいと思います。

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インフルエンザ脳症を発症した1月17日

この日は仕事仲間の所で作業をする約束がありました。

でも朝起きるとだるい。結構高めの熱がありました。とても出かけられる状態ではありません。仕事仲間には「今日は仕事に行けないよ」と携帯で連絡をしました。

30秒おきに何度もです。

異常を感じた仕事仲間から妻に電話がかかってきました。そして救急搬送です。

検査検査で休む暇がない入院期間

毎日毎日、盛りだくさんの検査がありました。7時前には血圧、血糖の測定が始まります。朝ごはんを食べて歯磨きをして…とやっているとMRIの時間です。

MRIが終わって一息つくと心理検査。これで半日終わり。

お昼を食べてうつらうつらしているとリハビリの時間です。日によっては心電図、脳波、全身CT、髄液採取、神経の反射、と特別な検査も入ります。

MRIは毎日行いました。閉所恐怖症で怖かったのですが、だんだん慣れてきて昼寝の時間に変わっていました。

雰囲気が全く違う内科と脳神経内科

大学病院への入院期間は1か月です。ちょうどインフルエンザの季節です。そのためか脳神経内科のベッドは満床でした。2週間ほど内科の部屋に入院しました。

内科と脳神経内科、両方の雰囲気を知っているのですが、真逆だったのが印象深かったです。内科は明るくフレンドリー。入院患者さん同士の交流もありました。

逆に脳神経内科は閉鎖的。全員がカーテンを閉め切っていました。この違いに驚きました。私は内科でもカーテンを閉めっぱなしでした。

病気の種類によって患者さんの行動って異なるんですね…。

退院したのは2月の第二週

2月に退院をしました。丸々1か月の入院です。体を慣らすために退院後すぐには仕事を始めませんでした。1週間ほどゆっくりと過ごしていました。

「脳に酸素をいきわたらせること!」と、病院からアドバイスをもらっていたので、近所のイオンへのお散歩を始めました。

小学生の子供の付き添い付きです。手をつないで歩きました。記憶障害で迷子になる恐れがあったのです。

迷子にはなりませんでしたが、易疲労のため、わずか数百メートル先のイオンにたどり着くのが困難でした。グッタリしてしまい途中の公園で休憩です。

イオンの店内の光と音も刺激が強すぎて再度グッタリ。後頭部がとても重たくなって、マラソンをした直後のように呼吸か荒くなってしまうのです。それでもイオンへの散歩は毎日行いました。

千葉リハでの心理検査は3月中旬から

発症から1年たった今でも千葉リハに通っています。千葉リハは3月から通い始めました(と思います)

当初は大学病院から千葉リハに直接転院する予定でした。でもベッドがいっぱいで入院できませんでした。

「この時期は脳の回復のゴールデンタイム」という情報を聞いていたので、かなり焦りましたね。南房総の病院に入院しようかとも考えていました。

脳の回復のゴールデンタイムはいろいろ説があります。受傷後1か月とか3か月とか半年とか1年とか…自分の実感では、あまり気にしなくても良かったなと思っています。

結局は自宅からの通いとなりました。週に1~2回ほど通いで心理検査とリハビリを受けました。

うつ病になった!?メンタルがどん底の4月

毎日のイオンへの散歩。仕事は助けられながらギリギリなんとかやれている。自分はダメになってしまった自覚。大好きな運転ができないストレス。一歩も前に進めていない。将来への不安。

そんな状況でした。それでも焦りから過集中でパニックになるのを恐れて、可能な限り余裕を持った仕事のペースを保つようにしていました。

しかし余裕が出てくると、

「去年の今頃は…」
「なぜ…」

こんな考が頭の中に広がるようになるんですよね。楽しくすべてが順調に回っていた過去を思い出し、後悔しまくった時期でした。

毎日がイオンと病院と自宅の往復です。他の刺激は一切ありません。

感情失禁?泣きながら逃げ帰った悲しいお花見

これでは良くないと思い、思い切ってお花見会場に出かけてみたりもしました。桜が満開。沢山の出店。楽しそうな家族。みんな幸せそうでした。

そんな楽しい状況の中で私は「ここは自分がいてはいい場所ではない…」そんな暗い気持ちがどんどんわいてきました。泣きながら退散です。去年は家族ずれで訪れた場所。楽しい思い出が沢山ある場所。それを思い出して悲しくなったのかもしれません。

やることなすこと、なにもしなくても、どんどん気持ちが落ち込む時期でした。

これが鬱病状態?

4月は悲しくて落ち込むことが多かった時期です。ついには記憶の捏造までが始まり一人でやさぐれることもありました。

自分を含めて周り全てが敵。そんな感じです。外へ向けて攻撃的にはなりませんでしたが、かなり危険な精神状態だったと思います。

記憶を捏造している状態にはっと気づいたとき、自分自身が恐ろしくてたまりませんでした。「これやばすぎだろう…」って本当に思いました。

ただ、これ以降は「また記憶捏造してるんじゃね?」って冷静に振り返れるようになりました。今思っても危なかったと思います。

千葉リハのグループリハビリが始まった5月

「脳が治るならどんなことでもやりたい!」

そんな藁にも縋る気持で、千葉リハのグループリハビリに参加しました。週に1回のペースで行われます。

参加者は全員で7名だったと思います。全員男性。そして働き盛りの年代でした。

交通事故にあった人、仕事でけがをしてしまった人、様々でした。

ここで行うグループリハビリは、注意、記憶、遂行など高次脳機能について学びながら、実体験や工夫を発表しあいます。その中で、自分が周りからどう見えるのかを、第三者目線で確認して自覚するのです。

「高次脳機能障害のリハビリは自覚がゴール」ということを聞きました。それを助けるためのリハビリです。

チャンスがあったら絶対に参加したほうがいいですよ!

私は慢心の塊です。だから「私は他の人とは違うぞ!ちゃんとできるぞ!」なんて考えていました。

でもできないんですよね。「自信満々に間違える」ことがしょっちゅうでした。私のような自覚しているようで自覚していない人間には絶対おすすめです!

グループリハビリでは「他の人の自覚がない状態」を目の当たりします、だから後日「あなたも自覚が無いよ」と指摘されると「あぁそうなんだ」って素直に受けいれられます。この効果は大きいですよ。高次脳は自覚がリハビリのゴールみたいですから!

高次脳機能障害を実感した夏

千葉リハへは妻と一緒に通っていました。そのため交通費が倍かかります。それに「良い大人が付き添いなんて…」と、屈辱感を感じていました。

そこでこの時期から一人で千葉リハに行くようになりました。で、実際どうだったのかというと…

まともに行けませんでした…。

まともに行けなかった理由を紹介すると…

注意障害?矛盾した移動予定

自宅から千葉リハへ3本の電車とバスを乗り継がなければなりません。なかなかの難易度です。

でも今まで日本全国を出張していた自負があります。「絶対できる!」と信じて自分で移動経路を考えました。

自分では完璧な計画を立てたつもりです。でも後から見直すと「京成千葉駅からJR千葉駅の乗り換えを3分でしなければならない」といった物理的に無理な予定を立てていたりしました。

これってすごく不思議なんです。後から見直して「なんでこんな無理な予定なの?」って思うんですよ。でも作っているときは何の疑問も感じないのです。

1時間以上時間をかけて、何度も見直しをして、その結果が…これなんです。

遂行機能障害?まともに移動できない

乗り換えのための時間を多めにとっても、まともに乗り換えができない時もありました。

なぜかというと、乗り換えの最中にあっちこっちに気を取られて、まっすぐ目的のホームへと移動していないのです。

こんなことをしていては、乗り換えに間に合うはずもありません。

目的があって移動しているのに、それを忘れて別の事に気を取られてしまう…これぞ遂行機能障害の実例です。

ちなみに私自身はまっすぐにホームに移動している気分でいますよ。めちゃ不思議な感覚ですよね。私も良くわかりません。

易怒性?トラブルに対応できない

夏に停電が起きたことがありました。ちょうど私が千葉リハに出向く日です。移動中に電車が動かなくなりました。

パニックにはなりませんでした。でも怒りがわいてきました。

「なんで自分が外出するときに限って!!自分ばかりが酷い目に合うんだ!!」

叫んだりはしないですけどね…気分は最悪です。周りのすべてが自分を否定して邪魔をしてくる。そんな気分です。

別に自分ばかりが酷い目に合うわけじゃないんです。都会では電車が止まる、ダイヤが乱れるなんてザラです。

でもその事実を認められない。自分の行動を阻害するすべての事象が自分を否定するためになされていること。そんな気分に襲われやすくなっていました。今思えば本当にばかばかしい。

でも当時は「周りのすべてが自分を否定する」そんな気分でした。トラブルにとても弱くなっていました。これも遂行機能障害なんでしょうね…。易怒性もあるのかな。

こうして何度も痛い目を見ながら夏を過ごしていました。

自分を振り返るとマイナスがプラスになる

今はノートを取っていませんが、夏ごろまでは自分の行動を記録していました。春に勘違いでヤサグレていた事なども書いています。

で、実際にノートに記録を取り続けてきて思ったのですが、書くだけではなく振り返りもすると、本人の障害の自覚を促すのに効果的な気がするんですよね。

トライブルの記録を読み返すと毎回思うのです「なんでこんなに怒ってるの?」「なんでこんなに悲しんでいるの?」と…。

記録を確認することで、大したことない出来事に感情を左右されているのに気づきます。そして「なんでこの程度で?」って振り返りができるのです。

この効果は絶大だと思います。後日同じようなことが起きた時に「前にも同じことがあったな」と冷静でいられるんです。同じミスを繰り返さなくなります。

振り返りが無いと「また同じ酷い目にあった!」となりますから、その差は大きいです。

自分を取り戻し始めた夏

私は2月に退院して少したってから「高次脳機能バランサー」という、高次脳機能の働き具合を数値化・グラフ化するアプリケーションを使っていました。

「回復のゴールデンタイムに何もしないのはもったいない!少しでもリハビリにつながるものを!!」という気持ちもありました。少しでも脳に刺激を与え続けたかったのです。

このアプリを振り返ると、夏の停電騒ぎ以降に一気に全体的な数値が良くなっているんですよね。

同時に、まともに千葉リハに行けるようになり始めたんです。だから私は8月が高次脳機能障害から回復した日と感じています。

なんだかんだで脳の障害って回復までに半年はかかるってことなんですね。

夏からは高次脳機能バランサーは使わなくなりました。家族にも試してもらいましたが、私の成績の方が良いくらいになりましたし。

体質が変わったのを実感した9月

ある日の事でした。朝元気だったのに、だんだんと頭がだるーくなってくることがありました。だるさは数日続きました。

何もする気が起きません。

「脳に何か影響が起きているのかな?でも傷は治ったはずだしなぁ」

そんな不安が起こりました。

原因は台風による低気圧だったようです。ツイッターで確認したところ、私と同じような症状を訴える人がいました。

私は気圧に体調を左右された経験がありません。「低気圧で辛い…」という人の言葉が不思議で仕方がありませんでした。

でも今はわかります。

「低気圧は辛いです」

頭が締め付けられる感じでとってもだるいです。何にもする気が起きません。台風が去るのを祈るのみです。

大学病院の主治医に聞いてみました。「脳に障害を持つと天気に左右されるようになるってあるのですか?」「うーん。あるかもねぇ」とのことでした。

脳が回復してきた?少しずつ時間が回り始めた冬

秋から冬にかけて、少しずつ病前に行っていた活動をするようになりました。

倒れる前は、ある企業の経営者さんと新商品の開発などもしていました。またその方と明るい未来についてお話をしました。

作業療法の宿題として「新しいことにチャレンジ!」といったものもありました。

千葉リハを絡めたシステム的なものを作ろうと考えて提案しました。「やりすぎ!」と却下されてしまいましたけど…。このアイデアは縁あって他の病院で試せるかもしれません。楽しみです。

そしてまた1月17日が訪れた

1年前の今日、私の時間は止まりました。縁起でもないかもしれないけど、そう考えています。でも再び、少しずつですが時間が動き始めました。

脳に障害を持つと100%の能力には戻らないと言われています。私はこの言葉が嫌いです。ホント心の底から大嫌い。

何をもって100%の回復と定義するのかはわかりませんが、健康だった時と同じようにものを考えて、行動をして、結果が出せれば。そして新しいことにチャレンジ出来て、そこでも結果が出せれば。脳が100%回復したと捉えます。私は。

今はまだ抜けているところがあるので、80%ぐらいの回復としておきます。妻に言わせると60%と言われます。慢心ゆえに自己評が価高いですから!これでいいんです。前向きになるパワーの源です。

そこそこに慢心しながらまた1年頑張ります。何か実績を残したいです。来年の今日に新しい実績のまとめ記事が書けたら万々歳だな。って思います。

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