インフルエンザ脳症の治療を終えて高次脳機能障害になった私。退院する際に「こういうのも良いよ」と医師から勧められたものがあります。
それは「ナンプレ」です。
ナンプレって何?と思う方もいるかもしれません。私はこの時初めて知りましたし。
こういうやつです。なんとなくわかりますよね?空いているところに重複しない数字を埋めていくゲームです。
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wiki:ナンプレ
1年前の退院した直後から必死に始めていました。でも初級編ですら時間がかかりクリアできない有様。今ならサクサク解けるのですが、当時はあり得ないミスを繰り返していたのです。
今日はナンプレから見る私の高次脳のお話です。
ナンプレとは「数独」や「ナンバープレース」などとも言われます。9*9=81のマスの中にあらかじめ1~9の数字もしくは空白が記入されています。
この空白の中に数字を埋め込んでいくゲームです。縦、横、3*3の区切ったエリア内に同じ数字が存在してはダメです。開始時点に空白が多いと難易度が上がります。
そんなナンプレを、「これは脳のリハビリだ!絶対に解かなければならない!」と1日中行っていました。
私は退院後数か月もの間はナンプレが解けませんでした。他の人の記録を見ると10分ぐらいで終了できるようなレベルなのにです。
なぜかというと、縦横のマスに同じ数字を複数使うようなミスを何度も何度も繰り返していたからです。
「見直しながらやればいいんじゃない?」
「もしミスを見つけても修正すればいいんじゃない?」
普通ならそう考えるかも知れませんが…。それができないんです。まずミスに気づけません。
「チェックしないからミスに気付かないんでしょ?細かくチェックすればいいじゃない?」
そう考えますよね?私もそう考えました。だから何度も何度も数字の重複を確認するのです。でもね…。
それでも数字が重複するミスを犯しているんです。しかも気が付けない。
「ちゃんとチェックしていないからでしょ!?」
うん。うん。わかります。そう思いますよね。
すっごい時間をかけてチェックしているんですよ。私はシステムエンジニアですから。こういう細かいチェックは何十年と繰り返してきました。数万行もあるプログラムからたった一つのミスを掘り起こすようなことを仕事にしてきたんです。注意力はべらぼうにあるはずです。
ところが…。
それでも数字が重複しているんです。しかもそのことに気が付かない。(2回目)
「ちょっと言っている意味が解らないんですけど?」
そう思うかもしれません。えぇ。わかりますとも。私だってそう思いますよ。イラっと来ますよ。
でも、この訳の分からない状態が「高次脳機能障害」が生み出した状況なのです。注意障害ってやつなのだと思います。
注意力が圧倒的に落ちていることに気付いたときはショックでした。私、大学病院の心理検査では「判定不可能なほどに注意力が高い」って結果が出ていました。だから記憶力がダメになっても注意力で乗り切ろうって考えていたんですよね。心のよりどころだったんです。
でも、実際はナンプレですらこの有様です。完全に注意障害だったのでした。
たった今試しにナンプレを試してみました。初級編をやりました。きちんと解けましたよ!しかも自己記録更新です。
ただ、肩が凝りますね。以前のように頭が疲れ果ててグッタリすることはないのですが、肩に何かが重くのしかかるような感じになります。きっと神経疲労を起こしているのだと思います。まだ易疲労性が改善していないということですね。
それでも、ミスなくサクサクと解けるようにはなりました。こういう変化の実感はとてもうれしいものです。
大学病院の先生もお勧めしていたし、私も退院直後から何度も繰り返してチャレンジしています。そして高次脳が良くなっている状況を目に見える形で実感できています。
私と同じような障害(記憶、注意、遂行機能)を持つ方にナンプレはお勧めですね。
ナンプレはWEBサイトやスマホのアプリ。また本屋さんでも売っています。本屋さんに高次脳機能障害のコーナーはありませんが、認知症予防のコーナーはあるはずです。そのコーナーで沢山売っています。
AMAZONでも売っています。こういうやつです↓
電車の中でナンプレをして脳トレするのもありかな?と思いますが疲れます。易疲労で電車を降りるときにグッタリ…なんてことにならないように注意してください!