とある障害を持つ方の復職に関する記事を読みました。その中にあった一言。
「高次脳機能障害が無いのなら復職できます。」
ショックです。でも現実はそうだよね。脳に障害だもの。
障害があると大多数を占める健康な人が出す結果とズレてしまうんですよ。治しようがないというか、そもそも治せたら障害じゃないというか…。
「努力でどうこうするものなのか?」と、思える代物ですよ。障害って。
私も、私なりに工夫はしていますが…なんとも難しい課題です。一生かけて解決していくレベル。そもそも脳に障害があると自覚できないんですもの。自分が普段やらかしていることとか。
例えば、健常者でも仕事でミスってありますよね?職場などでも、ミスの防止に躍起になりますよね。
それでもミスはおこります。事故も起こります。
そのようなミス達の中でもとんでもないバージョンが日常的に発生する(かもしれない)。それが高次脳機能障害の特性みたいなものですし。
私のように、言われたそばから記憶がボロボロ消えていくのも、その中の一つでしょう。
正直言って、どうしようもないです。気持ちをいくら引き締めても、どれだけ集中しても…「なんともなりません!」なんですよねぇ。
高次脳機能障害になるのってこういう事なんですよね。生きるだけでも大ハンデを背負っている状況。
だから
「高次脳機能障害が無いのなら復職できます。」
この一言を産業医が語ってきたとしても不思議ではないです。
会社の利益を守るためなのだから、高次脳機能障害の就業を避けたい。そう考えるのは自然な流れでしょう。このブログの会社では、高次脳機能障害があると復職ができないようにも読み取れました。(もちろん実際どうなのかは分かりませんが)
しかしながら、高次脳機能障害とはそういう障害なんだよなぁ。って再び思い知らされました。
ほんと、つらすぎ。
「頑張ろう!復職しよう!元の生活を取り戻そう!」
中途障害になった方の中には前向きになって、社会の障害にも立ち向かおうとする人がいるはず。
しかし「高次脳機能障害があると復職できません」と切り捨てられてしまったら…ショックもショックですよね。
転職するにしても、高次脳機能障害者の扱いは酷いものです。一時期、いくつかの障碍者向け転職サイトを色々と確認したことがあるのですが、まぁ賃金の低い事。低い事…。
「これじゃ生きていけないよ」というレベルの賃金しか出ません。
もしかすると「障害年金とかの社会保障で補えるんじゃないの?」なんて思うかもしれませんが、出ませんよ年金なんて。
働きに行けるぐらいの障害の人には一円もでません。何とか自分で稼ぐしかないのです。のたうち回りながら。
ちなみに賃金ですが、時給100円程度でした。子供のお手伝いじゃないんだから…お先真っ暗になりましたね。
不謹慎かもしれないけれど「身体障碍者の人がうらやましい」って本気で思ったこともあります。高次脳機能障害と違って賃金が圧倒的に高いのです。健康体な普通の人と同じレベルなんですよ。何の遜色もありません。うらやましい。
残念ですがこういう世界なんです。精神障碍者手帳を持つ人が住む世界って。
初め障害をった自分の評価を目の当たりにした時「あ、自分はいらない存在なんだ。役立たずなんだ。社会のお荷物なんだ。」と打ちひしがれました。
自尊心も何もないです。粉々。今まで積み上げてきたスキルも実績も全部リセット。頭で仕事をするエンジニアが記憶障害なのですから。あまりの悔しさに泣いていたとおもいます。(覚えていませんが)
でもそれが現実なんですよね。
だって数秒だつと忘れてしまう。モノの裏に隠れると完全に見失ってしまう。仕事をしている最中に何の仕事をしているのかを忘れてしまう。そんな、どうしようもない障害でしたから。
「これからどうやって生活していけばいいのだろう」
退院してからが本当の地獄でしたね。
「きついけれど障害前の仕事を続けるしかない」
私が出した結論は「しがみつく」でした。情けない話ですが。
だから死に物狂いでした。病前に行っていた仕事を続けるためには「病前と同じように仕事ができるのを証明しなければなりません。」必須条件です。当たり前です。
だから焦りまくりましたね。脳に障害を抱えてまだ2か月程度しか経過していないのに、病気をする前の自分と同じことを出来ると証明しようとしていたのですから。
何度もこのブログにも書いていますが「記憶がすぐに消えてしまうので同じことを繰り返すだけ。だから仕事が全く終わらず、発狂状態になった。」のも、これが原因です。
命がけでした。
「今着手している作業が完了しなければ先はない。死ぬしかない。」
本気で考えていました。命がかかっているので抑制が効かないどころではないです。仕事に憑りつかれて気が狂っていました。
「失敗したら本気で死ぬつもり。で病前と同じ仕事を無理やり続ける。」
これが私が選んだ道でした。
障害を負ってから4年と半年が経過です。自分の障害特性と対策もだいぶ練れてきました。ミスもだいぶ減りました。健常者と遜色ないれべるじゃないかな?なんて考えています。
記憶障害で何一つ覚えられない状態(記憶の心理検査で何も覚えられず100人中100位の成績)こんな私でも復職出来ました。周りに支えまくられているのも大きいです。すごく大きいです。周りの方々の忍耐力もとんでもないレベルだと思います。ありがたいです。
慢心かもしれませんが、そうまでして我慢してくれた職場の人たちの期待に応えられているんじゃないかなぁ?なんて考えられるレベルまでに、脳波回復してきています。
未だにミスはありますが、何とか乗り越えらえられています。
その私が言います。
「高次脳機能障害があっても復職はできます。」
仮にできないとしたら、その会社とは縁が無かっただけです。もう仕方がない。切り替えていくしかないですよ。障碍者になってしまったのですから。
私が読んだ復職のブログには次のような質問が記述してありました。復職面談で聞かれたそうです。
私の場合はこんな感じになります。
上記の答えを振り返ると「もう障害が無いんじゃない?」って思うかもしれません。私も文字として確認すると「普通の人にしか見えないな」と認識してしまいます。
でも私には障害があります。一体どこか…?なのですが「日常生活で困ることがちょくちょく起こります。」
最近はだいぶましになってきたと思うのですが…なんというか
この二つの条件が重なると「あぁ…またやってしまった。やっぱり治っていなんだ。」そう落ち込むのです。
「いやいや、そういうのって普通の人にもあるでしょ」って思われそうだけれど、そのやらかしのレベルがちょっと…やばいです。記憶がスポーンと無くなっていたりとかね。正確には記憶はあるのだけれど思い出せない障害ですが。不便です。
…また自分語りになってしまいました。こうして脱線してしまうのも遂行機能障害の影響なのかもしれません。何を書いているのか最初のテーマが消えてしまうのです。何度も何度も書き始めの部分を読み返しながら書いていますよ。なかなかしんどい。
だいぶ脳の働きがましになって、システム作りも依然と同じように出来るようになって、それでも「なんか変だな?」と思われてしまう。それが高次脳機能障害な私の今です。
相当改善していると思います。それでも行動に矛盾があるのだから、「高次脳機能障害ないのなら復職出来ますよ」と言われてしまうのも仕方がないのかなぁ…なんて思うのですが、すごく悔しいですね。
「いやいや、高次脳機能障害があっても復職出来ますよ。このぐらいの仕事なら、こうすればできますよ。」というのを
「私が広めてやりたい!」
なんて考えたりもするのですが、どうすればそれができるのかが分からずに悶々としています。
【高次脳機能障害者でも記憶障害があっても、こうすればIT関連の仕事だってできるんだ!】
そう言いたいです。