私がインフルエンザ脳症で入院した大学病院はレベルの高い病院だそうです。主治医にそのような説明を受けました。
一歩間違えば一生寝たきりになるところだったのを救っていただきました。本当に感謝です。
レベルの違いというのはどんなところからくるのでしょうか?きっと病院によって検査項目の細かさ・治療法・目の付け所などが違うのだと思います。
そこで今回は1ヶ月間の入院中に受けた検査をまとめてみたいと思います。もしかすると専門家の方なら違いが何か分かるのかもしれません。
また「インフルエンザ脳症で入院するとこのような検査を受けるんだなぁ」という目安になると思います。
ここに厚生労働省のインフルエンザ脳症の治療ガイドラインへのリンクを貼っておきます。これと照らし合わせてみると、さらに何かがわかるのかな?なんて思いました。
http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/051121Guide.pdf
1回大体30~40分ほど。脳が腫れ具合と傷の変化を観察していたのだと思います。脳に傷が付いていたので膿んだら大変なことになります。
インフルエンザ脳症の治療となるステロイドパルスには多くの副作用があります。その中の一つに血糖値の上昇があります。そのため糖尿病の人には禁忌とされているそうです。
入院時の検査で私の血糖値が高いことがわかりました。でも生きるか死ぬかの状況で他に治療法がありません。あえて禁忌を犯す治療法を選択せざるを得ませんでした。
「治療によって歩けなくなる可能性がある」と妻は言われました。ステロイドパルスによる大腿骨の崩壊と、糖尿病悪化による壊死の二つの意味があったのだと思います。
毎日、朝食と夕食を取る直前に測定しました。
これは健康診断の基本ってやつでしょうか?
基本的に120-80ぐらいです。時々なぜか140を超えることがありました。そういう日は頭痛があり、血圧を下げる薬を出されました。
なぜ血圧が上下するのかはわかりません。
数字を7飛ばしで逆から数えたり。カードの色と記号の組み合わせを憶えたり…といった記憶の検査です。
入院当初は100人中100位の記憶力でした。何も覚えられない状態です。
退院時には100人中50位ほどに回復していました。それでも正常な人の基準値より、はるかに下です。これにより記憶障害と判定されました。
入院当初~中盤ぐらいの時に行いました。
脳に負荷をかけてどれだけ脳波が乱れるかを確認していたのかな?と思います。
「息をすってーはいてー」をひたすら続けるのは本当につらいですね。
最初の血液検査で肝臓の数値がとても悪いことが発覚しました。元々脂肪肝で数値が悪かったんですよね。特にγGPTの値。
肝臓の値が悪いのでインフルエンザ以外の体内の病気が原因で、脳の免疫反応が過剰に働いたのではないか?という考えも想定されていました。
期間を開けて2回行いました。
腰のあたりの脊髄にぐぐぐぅと注射をして脊髄を抜き取って検査をしました。麻酔をするため痛くはありませんでした。でも怖かったです。
ベッドの上にテントを張るんですよね。銀色をしていたかな?ものすごく仰々しくて、「埃などが入らない状態にしないと危ないんだなぁっ」てドキドキしました。
インフルになると髄液にインフルエンザウイルスがいるそうです。
医師が「1回目の検査では髄液からインフルエンザウイルスが見つかったが、2回目の検査では見つからなかった。」と言っていました。
結構恐怖心を覚える検査なのですが1回目の髄液検査をどこでどうやったのかは、全く記憶にありません。入院初日に行ったようですが…。
最初の頃は毎日のように血液検査を行いました。だんだん頻度は下がっていきました。
朝の検温の時に同時に行いました。肝臓と血糖値の変化を確認していたのかなぁ?と思います。
時々行いました。血糖値が高かったので糖尿の検査をしていたのだと思います。
医師には「インフルエンザよりも糖尿のほうが重症だ」と言われていました。
入院後半で行いました。肩から造影剤を注射して脳の傷の具合をじっくりとMRIで撮影しました。時間もいつもの倍近くかかったようです。
MRI室まで車椅子で送り迎えをしてくれるお手伝いの方も
「今日は長かったですね~」
と驚いていました。私自身はすっかりMRIの音になれてしまい寝ているため、長いも短いもありませんでした。
血液検査の結果では肝臓の値が悪いことがわかりました。そのめ「インフルエンザ脳症以外の病気が原因で脳炎が発生しているのではないか?」との疑いもありました。そこで全身をCT撮影しました。
主治医曰く
「体にデキモノがあるのかもしれないので、念のために検査します。」
この説明を聞いた瞬間「できものって…うわああ!」と真っ青になり、恐怖心でいっぱいになってしまいました。
見かねた主治医がCTの検査結果の書類のコピーを渡してくれました。そこに記入されていたものは、
「所見なし」
本当に安心しました。こういうメンタル的な部分までフォローしてくれる病院で助かりました。本当にありがたかったです。
私は「糖尿病の方も大変」という状況です。糖尿病は長く患っていると目にも悪影響が出ます。糖尿病網膜症というのがあるようです。目もしっかり検査。幸いにも異常はありませんでした。糖尿病怖いです。
メインの治療法である「ステロイドパルス」の副作用の様子を確認するために行ったのだと思います。
ステロイドパルスの副作用の一つに骨の分裂が止まってしまうと言うのがあります。骨は時間とともにどんどん壊れながら、どんどん新しいモノ作られて循環しています。
分裂が止まる=循環が止まる=骨がだんだん弱くなる=最後は普通に歩けなくなる。というわけです。そのような副作用が出ていないかを確認していたのだと思います。
幸いにも影響は出ませんでした。本で知ったのですが、ステロイドパルス治療を行った後は4か月ほど様子見が必要なようです。骨の分裂に要する期間にあわせているのかもしれません。
これもステロイドパルス療法の副作用の肝機能障害の有無を確認していたのかな?思います。また追加でメタボの様子も確認しました。
血液検査から肝臓の数値が悪いのが見つかっていたため、脂肪肝と動脈硬化の様子も確認したようです。
そして脂肪肝が見つかりました!(もともと脂肪肝なのは知っていました)。
エコーで頸動脈の確認もしました。腹部の大動脈も確認したかと思います。メタボによる動脈硬化を確認のようでした。
これは良くわかりません。「心電図で心臓の様子を検査します」と検査室で聞いたと記憶があります。メタボ用なのかインフルエンザ脳症用なのか…。メタボ用なのかなぁ?わかりません。
ちなみにですが、入院した当初は部屋で心電図測定していたようです。「プップップッ・・・」という音をベッドで聞いていた記憶に残っています。この頃は意識があるのかないのかわからない重い状態でしたので、だいぶあいまいです。覚えているのは肩甲骨のあたりに「心電図で使ったのかな?」と思えるような突起付きの丸いシールが付いていたことぐらいです。
1度だけしかやっていないと思います。足に電極を付けて「びり!」っと電気を流した時に、筋肉が反応して動くかどうかの確認をしました。
感覚的には肩こり用の電極をつけて電気を流している。そのような感じです。電気を流されるたびに「うおうっ!」って思わず声が漏れてしまいます。
脳に傷がついているのですから、神経の途切れ・まひの有無を調べていたのかなぁ?と多みます。
これは…どのような目的で行ったのかはわかりません。
これもどのような目的なのかはわかりません。ただ脳血管障害には関係しているようです。
https://kumamoto-pt.org/up_file/useful/1607/useful_21195850_1.pdf
私は入院時に3つの病気を疑われたそうです。
検査の結果、最も疑わしいのは「インフルエンザ脳症」となりました。さらに精密検査することもできたそうです。髄液を海外に送って検索するという方法です。
また治療もステロイドパルスの他に「免疫グロブリン」という血液から作られた薬を試すという案も出たそうです。(1回6万円と聞きました。)
主治医からは「他にも原因が考えられるけど、十中八九はインフルエンザ脳症だろうね。とことん追求するなら髄液を海外に送ってみる?」と提案されました。
この話を聞いたとき「自己免疫性脳炎」=「体の中にできものができて免疫反応が起こる」=「ガン?」と私の頭の中で話が広がってしまい、真っ青になってしまいました。半分パニック状態です。
あまりにも取り乱しているので、全身をCTで撮影する検査をすることになりました。結果は「所見なし」でした。
ほっと胸をなでおろすことができましたが、入院中に起きた修羅場のうちの一つでした。
「糖尿の方も重症だ」とのことで、インフルエンザ脳症と同時に糖尿の検査と治療も実施する入院となりました。