高次脳機能障害の運転再開までの手順|千葉リハビリテーションセンターのOTさんにまとめていただきました

高次脳機能障害の運転再開までの手順|千葉リハビリテーションセンターのOTさんにまとめていただきました

いつもお世話になっている千葉リハのOTさんから運転再開までの手順の回答をいただきました。
今までネットであちこちの情報を調べてきたのですが、どれも情報があいまいで正解がわからなかったのです。
私にとって運転再開はインフルエンザ脳症の後遺症からの完全復活を意味します。多少記憶力が悪くても気にしません。大事なのは運転できるかどうかです!
私は車の運転が大好きです。休日に一人で房総半島を一周するのが楽しみ。ハンドルを握っているだけで幸せ。そんなタイプでした。
入院初期の認知が崩壊しているときに「治療の目標は運転の再開です!」と主治医に答えたくらい思い入れがあります。

主治医への運転希望エピソードは記憶障害のため思い起こせません。でもきちんと要望をくみ取ってくださり、運転再開につながるリハビリメニューを作っていただきました。感謝しています。こうい
うところがレベルの高い大学病院といわれる所以なのかもしれません。

運転再開は私の夢です。仕事も人付き合いも運転ができない事には始まりません。運転再開するまでは社会復帰したとは考えていません。
絶対に運転再開を成し遂げて見せます!
では、高次脳機能障害で運転禁止となった私は、どのような手順を踏めば運転の許可がでるのでしょうか?千葉リハのOTさんに協力していただきながら私の運転再開までの道筋をまとめてみました。

高次脳機能障害の運転再開までの流れ

高次脳機能障害者が運転評価を受けるための条件

高次脳機能障害の私が運転再開の評価試験を受けるためには前提条件があります。それは【発症後6か月以上経過していること。】です。
まずはこの条件を満たさなければなりません。絶対です。そして、6か月が経過したからと言って評価試験が必ず受けられるわけではありません。
「評価試験を受けても良い」と判断するのは主治医です。6か月経過すれば自動的にOKではないので気を付けたいです。私は自動的にOKだと勘違いをしていて強くがっかりしました…。

運転評価の時間には限りがある

運転評価には一か月あたりにできる時間数に制限があります。あまり無理をして疲れさせないための処置なのでしょうか?
運転評価はリハビリセンターで行う理学・言語療法と合わせて1日に2時間まで実施可能です。
ただし1か月の合計時間は4時間20分までであること。
ここで注意するのは、定期的に行っている作業療法などのリハビリも含まれてカウントされる点です。
いつも通りにリハビリを受けていると、運転評価を受ける時間がどんどん減っていきます。だから「今月は運転評価に時間を割きます!」と、作業療法士さんと事前の打ち合わせが必要です。

実車前評価の内容(千葉リハビリセンター内)

ここからが運転免許復活に向けての評価の内容です。実際に車を運転できるのか?まずは千葉リハビリセンター内で検査します。

1)注意力検査

1回2時間連続で実施します。
基本的にすべて一度経験した心理検査です。「うわーこれ苦手だなぁ」って思うような内容ばかりになります。頭に強いストレスがかかってとてもキツイと思います。
私の障害は記憶力ですがそれに伴い注意力も落ちています(何を注意するのかを忘れてしまう)だから、記憶と注意力が中心の心理検査です。滅茶苦茶大変そう…。
物語に混ざり込んだひらがなをピックアップしたり、複雑な図形を暗記して複写したり…そんな悪夢のような検査がありましたよね?アレですよ。

2)ドライビングシミュレーター

1回2時間連続で他の検査と合わせて実施します。
高次脳機能障害免許復活用のドライビングシミュレーターの例
検索したら上のリンクのようなシミュレーターが出てきました。千葉リハに実際にあるのを見たことがないので何とも言えませんが、きっとこういうものなんでしょうねぇ。
ネットの情報では「危ないと思ったらボタンを押す」というシミュレーターもありました。どちらが千葉リハにあるものなのかはわかりません。実際にやってみるまでのお楽しみですね。普通に回復しているのであれば何も問題はないはずです
。こちらは自信があります。

実車評価

千葉リハ内での運転評価に合格すると、次は教習所での実写評価となります。
「ここまでくれば大丈夫なのでは?」とは思うのですが…。実際はどうなんでしょうね。
ちなみにこれが実写評価を実施する教習所です。このコースを走るのだと思います。
千葉県自
動車教習所コース
実際に運転してみない事にはわかりませんが、妻が運転する車の助手席に乗った感触では「なぜ私は運転できないのだろう?」と思うくらい周りが見えています。
私のほうが圧倒的にスムーズで安全に運転できると考えています。
でも、そこが落とし穴なのかもしれません。慢心して注意力が落ちて危険な運転をしてしまう…。
私の心理検査結果の特徴として
「難しい問題の成績は良いが、簡単な問題の成績がイマイチ。」
こんな傾向があるそうです。つまり油断して手を抜いてしまう癖があるようです。これはもともとの性格も原因の一つになっていそうですが、油断で不合格なんて目も当てられません。当日は全力で試験に臨みたいと思います。

ちなみにこのコースで不安な場所が1つだけあります。ちょうど真下部分です。外側から本線に入るときは、左折扱いなのか合流なのか。ウインカーの方向が逆になりますから微妙な作りのコース
は大変です。

運転評価の結果は天国と地獄

千葉リハの先生には「一発で合格してもらいたい」という希望があるそうです。
教習所での実車試験に不合格の場合は、半年間試験を受けられないルールとなっています。
落ちたらがっかりもいいところですもんね。だからなかなか評価開始のゴーサインがもらえずにいました。
でもいよいよ運転評価が始まります。一昨日は視野の検査を受けました。
退院してからすでに8か月が過ぎました。運転ができないのは翼を折られた鳥のような気分です。
かならず自由の翼を手に入れたいです!
高次脳機能障害の運転再開|発症3年後の様子