ipad…2か月たっても活用できていないけれど高次脳機能の回復を実感するきっかけに

ipad…2か月たっても活用できていないけれど高次脳機能の回復を実感するきっかけに

「ipadで新しい事にチャレンジ!」
「脳に刺激を与えて作業療法だ!」
と、息巻いてipadPROを購入してから何か月たったかな?2か月ぐらいかな?コロナの給付金で日本中に支給された10万円で買ったんですよね。
私はMS-DOS・Windows系のPC歴は長いのですがipadとかmacとかappleの製品には縁が無かったんです。
さらに「イラストも描きたいなー」なんて野望を持っていて、アップルペンシルも用意したんですよね。予算オーバーになってしまいましたが。
それから2か月ですよ。
2か月も練習し続けたら、さぞイラストも上達しただろう。ってなるのですが、現実は…
【仕事中のYOUBUBE再生専用機】となっています。
「そんなんだったら家に沢山あるWindowsのノートPCでいいじゃない!!」
そうなんですよね。イラストの練習をせずにずーっとYOUTUBEでコロナのニュースを流しているのならねぇ…。
でも、おかげで作業に凄く集中できているのも事実なんです。
作業がサクサクと進みます。完全に障害を持つ前状態になっています。
実は私、周りにノイズがあると集中力がとても上がるんです。不思議です。でも高次脳になってしばらくの間は、周囲に音があると全くダメダメでした。

集中力が回復したのかな?

私は小学生のころから周囲にノイズがあると作業のペースが上がる癖があります。

小学生のころ公文式の算数・数学教室に通っていました。公文式では宿題が出ます。自宅で何百問と計算をするんですよね。時間を測りながら。
宿題は単純計算の繰り返しなので、アニソンをうたいながら計算をしていました。
不思議なことに集中力が上がって計算のスピードが速くなるんですよね。頭で考える必要がないのです。
アニソンを歌いながら計算をすると数字を見た瞬間に答えが出てきていました。おそるべし公文式!

逆にシーンとしているとダメなんです。仕事のペースが落ちます。…いや普通状態になる感じなのかも?
そんなちょっと変わった状態が私の特徴だったのですが、高次脳になってから1年ぐらいは全く逆。周りにほんの少しでもノイズがあると全く集中できなくなっていました。
作業中にYOUTUBEを流すなんてもってのほかです。人の声があるとそちらに全集中状態になってしまいます。手が止まってしまいます。作業が止まります。
だから外で子供たちが楽しそうに遊んでいると、もう本当にダメ。
「うるせええええええ!」って叫びたくなるような、危険な状態になることもありました。
でもここでブチ切れたらご近所迷惑になってしまうので、必死に怒りを鎮めるように努めていました。

集中力の正体は高次脳の注意力?

千葉リハで注意力について習いました。注意力には二つあるそうです。

  • 集中すべきところに集中する注意力
  • 一か所に集中するのではなく分散・維持する注意力

どういうことかというと、前者の「集中すべきところに集中する」っていう注意力は、日常で広く使われる意味の注意力です。一点集中!気をそらすな!みたいな。
後者の注意力っていうのは千葉リハで初めて聞いたものです。
一点に気を付けるのではなくて、他のポイントにも同時に分散させて注意を維持する高次脳機能なんだそうです。
例えば車の運転がそう。一点集中と分散のお祭り状態。運転中は前ばかりを注意するわけにはいきませんよね?ミラーを確認したり、横からの飛び出しを注意したり、信号の色に注意したり、車間距離に注意したり…。音も大事な情報源です。
目に見えるところだけではありません。死角にも注意が必要です。電柱や看板の裏で子供が飛び出す準備をしているかもしれません。車がセンターラインを割ってくるかもしれません。信号が変わるかもしれません。
このように360度全方位に神経を張り巡らせる必要があります。
高次脳になるとこれができなくなるんです。見えないところにまで注意を分散させることが。
だから運転再開が難しいんですよ。確か高次脳の運転再開テストでの一発合格確率は5%(うろ覚え)って聞きました。そのぐらい難しい。
高次脳機能障害の運転再開のカギは注意力なんだと思います。でも高次脳はこれが苦手になります。だから運転再開の壁が高い!!

注意力回復のカギは易疲労回復

私の場合ですが、易疲労の回復とともに記憶力と注意力が回復した。それに伴い遂行機能障害も回復した。
そんな実感があります。
千葉リハで習った「高次脳機能はすべて連動している」まさにその通りだと思います。
運転を再開するためには、遂行機能障害があってはダメです。だって目的地を忘れてしまうし、「運転をする」という行為そのものができなくなります。
だって手順が抜けてしまうし、注意すべきことを注意できなくなってしまうから。その結果、危険な状態になってしまう。自分だけではありません。周りも巻き込みます。
これでは運転の許可が下りるわけがありません。
注意力を回復させるためには、記憶力が大事です。注意すべきものを忘れてしまいますからね。
さらに注意力と記憶力を支えるためには、易疲労を解決しなければなりません。数分の運転でぐったり疲れているようではね…。私は運転再開後に、ほんの数分の運転でパフォーマンスが落ちるのを体験しました。すっごい疲れるんですよ。

易疲労を解決するためには…

何度も何度も何度もこのブログで書いていると思います。
体力づくりです。まずはお散歩からです!
散歩の刺激で「はぁはぁ」言ってぐったりしているようでは、絶対に運転再開は出来ないです。
私は「はぁはぁ」いってグッタリしていました。近所のイオンへの散歩が本当に辛かったです。頭がずうううんって重くなるんですよね。
100円ショップの音と光ときたらそれはもう…太陽の光を浴びたドラキュラ状態です。歩けなくなりました。散歩どころではありませんでした。そのくらいしんどかったです。易疲労が。
これでは運転再開なんて夢のまた夢ですよね…。

ipad活用したい。活用しよう!

また、いつものように辛かった日々を振り返る内容が多くなってしまいました。
ipadを活用したいんですけれど、ipad一つ使うだけでも高次脳の話に繋がってしまうようです。我ながら身体に高次脳機能障害が浸透しているなぁって思います。
今回は
「横で音が鳴ろうが、映像が出ようが、きちんと注意の集中と分散が出来るようになった。」
ipadをきっかけに、完全に昔の自分状態を取り戻している実感を得ることが出来きました。明らかに「マルチタスク障害」が解消しています。
私の高次脳機能障害はどんどん回復しています。
治らないから障害なのですが治っています。回復しています。
決して元の能力に戻らない。とも言われましたが、元の能力を取り戻しているんじゃない?って感じています。
もう一度言います。
高次脳機能障害がどんどん回復しています。今はインフルエンザ脳症で高次脳機能になってから、もうすぐ2年になるタイミングです。
うれしいです。
…でも油断すると落とし穴に落ちてしまうので慎重にです。慢心に注意!