少しずつ。確実に出来ることが増えた。足りないものは何?

少しずつ。確実に出来ることが増えた。足りないものは何?

高次脳機能障害になってから2年半です。日本ではオリンピックが始まりました。そんな時期です。
なんというか、私が病気をしてから自分、自分の周りだけではなく、世の中のすべてが大変な状態になっている。そのような錯覚を覚えています。すっごい関係ないとはおもいますが偶然が沢山かさなりまくっていますからねぇ。
今は既存の仕事をこなしつつ、新しい仕事を増やすようにチャレンジしています。少しでも収入を増やしたいですから。障碍者になったからといって支援が受けられるわけではありません。医療費が3割から1割負担になりますが、めったに病院にもかかりませんしね。
中途障害の辛い所です。栗から支援を受けられるわけでもない。自力で何とかするにもしんどい。中途半端な落とし穴にはまっている感じですね。
それでも何とか這い上がろうと知恵を絞っています。新しい職場では私が障害がある事は皆さん知っています。やっぱり障害があると「障害がある」という目で見られると思います。それでいて普通にもできるので「障害があるのを忘れる」という現象も起こっていると思います。
ずっと普通でいられたらそれで良いのですが、時々パフォーマンスがガクンと落ちる時があるんですよね。「疲れた日の夕方は記憶が飛んでしまう」とかね。そうなると危ないんですよね。
何が危ないのかというと、とんでもないミスを犯す確率が跳ね上がるんです。私の場合は「その瞬間の出来事を忘れてしまう」という現象がおこります。自覚はないです。起こっているそうなんですよ。妻の話では。
自覚が無いのがまた辛い所なんですよね。自覚があるということはミスが起こっても自力で挽回できるってわけですものね。ミスが起こってそのままというのは自覚が無いからなんですよ。なぜ自覚が無いかというと、高次脳機能障害だからです。注意障害だからです。現象に気が付けないのです。
こうして文章にするとすっごい不思議な状態だと改めて認識できます。きっとこのような認識は脳に良い影響をもたらすと考えています。心の奥底に注意力を刻んでいく儀式ですかね。
以前のような無力感に襲われてパニックになるようなことは無くなりました。行動が怖くて吐き気を催すようなことも無くなりました。物事を淡々とこなせるようになりましたね。知らない人が見たら以前の自分と遜色なくなっていると思います。昔の自分は無言でさっさと作業を初めて人より早く終わらせて帰ってしまう人間でしたし。
今も見かけ上は淡々とこなせるようになりました。ただし裏では「ひぃひぃ」言っていますが。なんとか裏紙とITツールを駆使して乗り切っています。IT歴が長くて「趣味もパソコン」って人間だったのが幸いしていますね。ITツールが自然に使えるかどうかって高次脳の負担を減らすかどうかに大きく影響していると思います。

ほぼ健常者状態?では今足りないものは何かを考える

「私に足りないものは何だろう?病前の自分と今の自分の差はどこにあるのだろう?」そう考えてみると、「差なんてあるのか?」って思えてしまいます。
じゃぁ高次脳機能障害を完全に克服して健常者に戻れたのか?というと…どうなんでしょうねぇ。これってわからないんですよやっぱり。
なぜかというと、退院してからずーーーーーーーーーと「もう、なおったよなぁ」って感じていたからです。全然治っていないと気が付くのはそれから数か月後なんですよね。
妻に「もうなおったよね?」って確認すると「治っていないよ」って必ず返されていました。そのたびに「そんな馬鹿な」とおもうのですが、やっぱり治ってなかったです。なんということでしょうか。
じゃぁ今はどうなのだろうか?数か月前までは、二次障害を起こしていましたけどね。
もうちょっと言葉を変えて考えてみよう。
今の状況って
「障害後に実行したものが、障害前の自分よりも良い結果を残した証拠が何一つない。」
こんな状況なのだと思います。
千葉リハから「新しい事にチャレンジ!」と言われました。新しものの図期はいろいろなもの挑戦しました。それなりにこなしてきました。でも「病前の自分に勝った」と思えるものが無いんですよね。
これなんでしょうね。きっと。
モノづくり、人脈作り、お金。たぶんこの3つの要素のうちどれかが以前の自分を上回った時が「障害を負った自分が勝利した時」なのだと思います。
これから目指すのはコレですね!!そうこの文章を書きながら思いました。
よし。これからのテーマは「病前の自分に勝つ」だ。
相手は強大です。最強の敵です。今までは完膚なきまでに打ち負かされてきました。最後の最後に残された壁なんです。過去の自分は。
でももう目の前に過去の自分がいて対峙している状況なのだと思います。
さぁ、どうやって過去の自分と闘ってやろうか。もう気力は十分に満たされました。易疲労の心配もそれほどないです。でもそれだけじゃダメ。
「お前これ出来なかっただろ!」
そう言って頭を踏みつけてやりたい。自分自身の頭を。そのぐらいの何かをなしたいです。
何があるのだろうか。そしてどうすれば勝ちなのか。考えます。