記憶障害で何度も同じ事を繰り返していた私が、どうして運転と仕事を再開できるまでに回復できたのか

記憶障害で何度も同じ事を繰り返していた私が、どうして運転と仕事を再開できるまでに回復できたのか

高次脳機能障害になってから、あと2ヶ月もたてば、3年経過になるかな?
だいぶ脳機能が昔通りに働くようになってきました。記憶力と注意力が怪しいときがありますが、どのようなタイミングで障害が発生するかが分かってきました。
自分でも理解できない障害は恐怖と絶望を招きますが、理解できている障害は「特性」になりますね。
対策も打てるため記憶障害があっても困ることが減ります。
「まぁ、そういうもんだ」
と割り切ることも出来ますね。ここまで来ると障害を受容したと言えるのかもしれませんね。
それでもたまーに落ち込みますけれどね。
一番怖いのは「なぜこんなことになってしまったのだろう。」「なぜあの時あぁしなかったのだろう」と過去を振り返って気持ちが沈みこんでしまう事かな。過去は代えられないだけに考えても仕方がないのですが、ふと頭をよぎって落ち込んでしまいます。
将来を考えても「どうなるんだろ?」って感じですかね。あまり明るい見通しは立っていません。とりあえず今を精一杯生きている。ってところでしょうか。
まぁ、それでも全くチャンスが無いわけではありません。「いい感じで未来を切り開いていけるのでは?」なんて希望を持てるほどには心が回復してきていると思います。

どうやって絶望を希望に変えてきたのでしょうか?

そうですね。絶望のどん底にいた私ですが、今何とかやっていけている理由を並べるとこんなところでしょうかねぇ。

  • 奇跡的に脳のダメージを回復できた
  • 自分の障害を理解できた。
  • ブログとSNSで発信し続けていた。
  • 幸いにも仕事を続けられた
  • 昔のつながりを保てた。

「めっちゃくちゃ周囲に支えられて、その中でもがきまくって、自分ができることを見つけて、昔のつながりが切れなかったから。」なのかな?なんて思っています。
障害を乗り越えるのって自分一人じゃ無理ですね。とんでもなくまわりに迷惑をかけつつも、なんとか勘弁してもらって、支えてもらって、よちよち歩きで一歩一歩進んでいる。そのようなものですね。
最初は失敗をして転んでばかりです。だって障碍者になりたての頃って、自分がどんな状況なのか全く分かりませんからね。眼に見えませんし。
だから、健常者時代と同じ感覚で何かをしようとするんですよ。でも出来るわけがないんです。失敗するんです。ゴロンゴロン転びまくります。
転びまくっているときに、どんな支えられ方をするかが、その後の障害の回復に影響するのではないかな?って思いますね。
「障害は一人では克服できない」
なんですね。読むと当たり前のように感じるけれど、実感として感じるのはやっぱり、さんざん痛い目にあって経験してからなのかな?

職場復帰を目指すなら行動し続けるしかないよね

「高次脳機能障害と仕事」って深いテーマだと思います。
仕事と言っても新しい仕事に就く人もいるだろうし、私のように元の職場に戻る人もいるだろうし。
いずれにしろ「立ち止まっちゃダメではないか?」って感じています。
立ち止まったら引きこもりになる。そう思う。
高次脳になってから半年しないうちにお客さんの所にも出かけたことがありますが、すっごい勇気が必要でしたよ。緊張しすぎてゲーゲー吐き気と闘いながらですよ。
いつどこで失敗するかわからない爆弾を抱えながら仕事をするんですよ。アウェーの中で。
怖い。本当に怖い。自分ながら良く挑戦したよなぁ。って思います。びっくりですよ。受傷半年って完全に遂行機能障害状態でしたし。
たぶんそれだけ元の世界に戻りたかったのだと思います。チャンスがあったらどんなに無理をしてでもつかみ取る。溺れている者は藁をもつかむってやつですね。
下手すりゃ精神に取り返しのつかないダメージを負って再起不能になるかもしれなかったです。
だから常識ではあり得ないほど準備を整えましたね。そして作業も今まで経験したことが無いくらい似て丁寧に行いました。
やった事を一つ一つすべて紙に書きましたからね。普通の人もそうかもしれませんが、細かさのレベルが違うと思います。「そこまで書くか?おい!」ってレベルで行動の記録を書きました。
…挑戦ですね。挑戦の毎日でしたね。
それが今、運転を再開して、仕事を昔と遜色ない状態(そう感じていますが事実はわかりません)にまで持って行けました。
障害だからと立ち止まらなかったからなのだと思います。

高次脳機能障害克服のヒントは「行動!行動!行動」なのかな?

私の体験からしか語れないんですけどね。専門家ではありませんし。
でも、もし私が「高次脳機能障害を克服するための薬は何か?」と聞かれたら
「行動!」
って答えると思います。
もちろん休憩も必要ですよ!?易疲労が酷いときはしっかり休む。すぐに疲れてしまいますからね。
でも少し余裕ができたら行動する。何でもいいです。とにかく行動です。
退院後に行った私の行動は

  • イオンへのお使いを兼ねた散歩
  • 高次脳の本を読む
  • ブログを書く
  • ナンプレを解く

この4つでした。残念ながら仕事はできませんでした。
スグに疲れてしまうため昼寝も多かったですが、起きているときは必ず何かをしていました。ボーっとテレビを見るようなことはなかったですね。テレビは受け身の行動です。何もしなくても、何も考えなくても見れますからね。行動にはならないと思います。
やがて千葉リハでグループリハビリと作業療法を受けることになるのですが、その時も単にリハビリを受けるだけではなくて、

  • 何をしているのか?
  • 誰がやっているのか?
  • 進行状況はどうなのか?

こんなことを必死に記録していました。作業療法やグループリハビリをブログネタにしてやろうと考えていたからなんですけれどね。
よこしまな考えが発端ですが、これってマルチタスクな行動です。高次脳の人にはかなりハードルが高いと思う。注意が分断されますしね。記憶障害だと何をやっていたのかとか忘れちゃいますからね。
でも記録をとりまくりました。行動しまくりましたよ!

高次脳機能障害を克服するためにはとにかく何かせよ!

「行動し続けた」なんて書くとかっこいい感じがするかもしれませんが…。
「必死でもがいてあがき続けた。」といった方があっているかもしれません。
本当に文字の通り必死です。死んじゃうかもしれないレベルで戦っていました。必至じゃないですよ。
元の世界に戻りたいのなら。
元気に活躍していたあの頃が懐かしいのなら。
家族を笑顔を取り戻したいのなら。
「やるね!」って言われたいのなら。
行動しましょう!何かしましょう!
脳は少しずつ回復しますよ。回復の手助けをするのも行動だと思います。
ずーーーーーーと閉じこもりになっていたら、脳の回復のチャンスが減ってしまいますよ。
回復し続ければ元の仕事ができるようになるかもしれません。
私は出来るようになりました。何割かは欠けているのかもしれませんが、それでも普通の人よりはできると考えています(慢心?)
高次脳機能障害になって「もうだめだ」と考えて、部屋に閉じこもっているあなた。
全然ダメじゃないです。
行動し続けていれば、じりじりと昔の自分が帰ってきます。
あきらめずに!がんばりましょう!