障がい者が避けられる理由の一つを自分なりに理解したので書いてみる

障がい者が避けられる理由の一つを自分なりに理解したので書いてみる

かなり挑発的というか、身もふたもないというか、差別的というか…酷いタイトルだと思います。でも自分の実感です。
もしかすると私の単なる被害妄想や僻みなのかもしれません。でも2019年1月に高次脳機能になってから現在の2021年12月に至るまでの3年弱の経験で、うっすらと感じているモヤモヤを言語化できそうなので書いてみたいと思います。
高次脳機能障害になって以来、人から「避けられているのかもしれない」と感じる瞬間があるのはなぜか?というテーマです。

なぜ避けられているように感じるようになったのか?

障害を持つ前の私はいろいろなことに興味を持つタイプでした。そしてチャンスがあれば相手の懐に飛び込み、自分のアイデアをどんどん提案していました。アイデアが採用されたら一緒に何かを作り上げよう!というスタンスです。それなりに上手く行っていました。
私はITの経験は長くモノづくりに長けていました。またいろいろと新しい事にチャレンジするのが好きでした。いつも新しい世界の勉強をしていました。
だから「なぜ、そんなことまで知っているの?」的な引き出しがあったんですよね。その辺りの受けが良くて、私を知る人からは好評でした(そう思います)。実際うまくまわっていましたし。
ところがです。約3年前に病気で高次脳機能障害になりました。記憶力検査の結果が100人中100位。数十秒前のことも思い出せなくなりました。新しい事は全く覚えられません。疲れやすくもなりました。イオンへお使いに行くのも、まともにできませんでした。
そのとき悟りました。
【今まで大好きだった「コツコツ積み重ねる」という努力ができなくなった。自分はもう終わった。絶望しかない。】と。
でも何とか這い上がってやろう。再び元の世界に戻ってやるんだ!って頑張り続けました。次々と現れる巨大な壁にぶつかって大騒ぎしながら。
諦めずに動き続けたからでしょうか?やがて脳が回復している実感を得られるようになりました。もちろん代替手段に工夫を重ねてきましたよ。いかに失った記憶力をカバーするかが私の課題ですから。
代替手段を得てミスが減ると、行動可能範囲が少しずつ広がってくるんですよね。
今までは一つの作業をしているのに、途中で忘れてしまって始めからやり直す。なんてことを繰り返していましたが、スムーズに作業を進められるように脳が回復したわけですから。
すると時間と心に余裕が産まれてきます。
その結果、ムクムクと芽を出してくるのが「昔ながらの自分」なんです。一時期は「昔の自分は死んだ。もういないんだ。」って呪いのように自分に言い聞かせていましたが(千葉リハからそうするよう指示されたと認識しているためです。)
昔ながらの自分って「何でも興味を持つぞ!何でもできるようになってやるぞ!努力だ!努力だ!敵を乗り越えろ!」だったんですよ。
そのような元々の性格の地盤があるわけなので、障害を持っていても時間とともにアレコレとやってみたくなる性分が出てきていたんですよね。いろいろと顔を出して色々と話に混ざろうとするんです。
で、何か話があると「参加してみたいです!いいですか?」そんな気配をにじませるんですよ。するとこういう回答が来るんです。
「いいですよ…。ほんの少しだけならね………。」
うーん。文章ではちょっと表現が難しいかな?
もうちょっとわかりやすく誇張して説明するとこうなるかな?
「…いいですよ。でもあなたは脳に障害があるから、私たちはあまり関わりを持ちたくない。あなたが口で言うほどのメリットはもう提供できないのではないのですか?だからあまり関わらない程度でお願いします。だった参加しても良いですよ。」
わかるでしょうか?もっと強く言い換えるとこうなるかな?
「あなたは障碍者。依存されては困る。しかしむげに断ると私が障碍者いじめの悪者になる。仕方がないから気休め程度に参加する雰囲気を味わっても良いですよ。」
ですかね。めちゃくちゃ僻みがはいっていますね。
相手からしてもOKを出したのに、このように良くない印象で捉えらているなんて知ったら「うああ、相手するのめんどくせぇ」って思うかもしれません。私もそう思います。
「何なのこの人って。面倒な人とかかわりを持ってしまった。距離をとろう。」ですかね。
あぁみじめです。本当に自分がみじめ。
第三者目線で自分を評価すると、こんな僻みまくりの人間になります。
悲しいです。でも人の話がこう聞こえてしまうのは事実なんです。

なぜ人の行動を疑うまで精神を病んだのか

しかし…なぜこんなにもひがむようになったのでしょうか?
「二次障害を起こすまで自信を失い、自分を信用できなくなってしまった。」
というのが大きいのだと思います。
今の私は普段のやり取りですら、相手の意向をとんでもないマイナス方向に受け取ってしまう状態なのだと思います。これが二次障害の正体なのかもしれません。
障害後の自分の精神の変化について振り返ると

  • 最初は障害の自覚が無い
  • 壁にぶち当たってパニックを起こす
  • 自分は壊れたと悲観する
  • 過去の自分を懐かしむ
  • 過去の自分と比較し続ける
  • 出来ない事を自覚し始める
  • 自分が信用できなくなる
  • すべてが恐怖の対象となる
  • 代替手段を工夫し始める
  • 少しずつ出来るようになる
  • 少しずつ自信が回復する
  • 新しい事に挑戦する
  • 自信をつける
  • さらに新しい事に挑戦する

今の私は上の箇条書きでいうところの一番下の段階にいます。自信を取り戻して色々とチャレンジしている段階です。元の性格も手伝ってどんどんやれることを増やしています。
「やれることを増やしている」なんて書くと「前向きだ!」なんて思うかもしれません。でもね相手の反応をマイナスに取りやすいんです。
なんというか「行動する勇気は回復したのだけれど、失敗した時の耐久力が低い。」そんな状態なのかもしれません。
普通の精神力の人だったら別に大丈夫だと思うんですよ。でも今の私は「心が打たれ弱い」のだと思います。

高次脳機能障がい者である自分が避けられる理由をまとめると

以上から、私という障碍者が世間から避けられるとしたら…考えられる理由をまとめると

  • 自分自身を保つための軸が折れているため自分への信頼度が低い。そのため自分が信用できない。
  • 自分を信じられないため打たれ弱い。
  • そのため自分の身を守るために、すべての言葉の裏側を邪推してでも危険から遠ざかろうとする。
  • このような状態は周囲からすれば、勘違いも甚だしく、酷いぬれぎぬ。
  • 周囲が良くしても本人から警戒されるのなら、端から関わりを持たない方が良い。という判断に繋がってしまう。
  • その結果、私は自分の居場所を失い孤立する。
  • 孤立した結果、ますます心が病んでいく…。

上記のような負のスパイラルに陥った時、私は完全に孤立してしまうのだと思います。
ちなみに現時点の私は大丈夫です。上記のように現状を分析していますから。でも時々ふと落とし穴にはまりそうになる時もありますけれど。(でも結局は上記を知っているため復活できます)

高次脳の自分が世間から孤立しないようにするための対策は何か?

私は孤立して一層病んでしまうのだけは避けたいです。
ではどうすればいいのか?
最終ゴールは「自分にしかない武器を得る」だと思います。可能であれば人が「おおおお!すげぇええ!」となるような武器です。この武器を得た時、私は過去の自分と対等。もしくは追い越すことが出来ます。
私自身、目標を設定しています。そこに向けて活動しています。現在進行形で。
全然上手く行っていませんけれどね。
最悪は停滞する事。何もしなくなることだと認識しています。
だからもがく。もがくと言ってもやたらめったらじゃないです。冷静にもがくのです。
そのためには最終ゴールを決める。そしてそのゴールにたどり着くための小さな目標をいくつも設定する。出来ることからコツコツと実践する。
差別されることもあると思います。仕方がないです。記憶障害で忘れてしまうのですから。
それでもいいです。その差別している人を見返すゴールを設定すればいい。そこに向かって積み重ねます。幸いにも積み重ねが出来るまでには記憶力が回復していますから。やった事は無駄にはなりません。
とにかく行動します。ウザがられてもOKです。これ以上どん底に沈むことなんてないですからね。ある意味怖いものなしですよ。
ピンチはチャンスなのかもしれません。ようやく自分の障害をピンはチャンスにという言葉に当てはめられるようになりました。今の自分の状況をチャンスにしてやりますよ私は。
誰ですか?「精神障碍者はピュアで心がきれい」なんてお花畑な幻想を抱く人は?
私は腹黒いです。常に計算しています。損得計算しまくりです。
こんな私は心がきれいですかね?ピュアですかね?笑っちゃいますね。
ピュアなんて…障碍者を対等な人間としてみていない証拠にしか思えませんよ。鼻で笑ってやりますよ。
私は必ず今の状況をひっくり返してやります。昔の自分に勝つために。
…長々と腹黒いものを吐き出しましたが、このようなどろどろした気持ちも、障害克服に必要だと思います。私の中には24時間テレビ的な「勇気をありがとう」的な感動も何もありません。
ただひたすら自分を取り戻すために戦います。自分のためにです。
私にはこういう考え方がマッチしていますね。
私は精神障害者ですが腹の中は真っ黒です。あえていうのであればピュアに真っ黒ですかね。
負けない。勝ちます。
あなたも
負けずに、勝とう!見返そう!