ネットでタイトル通りの書き込みを見かけました。
一般的なイメージでは、そうなるだろうなぁ…と思いました。でも現実は異なるんですよね。精神障害のある人の全員が対象ではないけれど、どうしても席が必要な人がいるのです。切実な問題で。
どういうことなのかを説明します。実際に私が席が必要な時期があったので私を例にします。
もし私が持っている手帳が身体障碍者手帳だったら…。見た目が大変そうだったら…。優先席の前に立てば、手帳を見せなくても席に座れる可能性は非常に高くなると思います。
それでもスマホに夢中になっているふりや、寝たふりをする人もいるかもしれませんが…。中にはめっちゃ疲れて寝ている人もいるでしょうし。その辺りは例外として考えないことにします。
ここで問題なのは「見た目が普通に見える障害者」の場合です。すっごい誤解を受けます。っていうかあまりにも周囲になじんでしまうので障碍者に見えません。
精神障碍者などの内部障害を持つ人ってそういう事なんですよね。だから分かるようにヘルプマークと言うものを目に見えるところにつけています。
でも、見た目が普通でも、見た目が元気でも、体調が尋常ではなく疲れ果てて、しんどくて「座りたい…」って人がいるのです。体は普通にみえても、内部では滅茶苦茶しんどい状態なんですよ。だから内部障害なんです。
中にはこういう人がいると思います。「恥ずかしくないのか」と眉をしかめる人。「優先席を譲れ!」と怒鳴る人。
高齢者と内部障碍者が喧嘩をすることもあるそうです。
周りからしたら「そんなに元気なら座る必要ないよね?どこが障害?」って思うかもしれません。
実際のところは当事者にしかわかりようがありませんが、私の経験から想像すると「高次脳機能障害がある人なら、ありえるよなぁ…」となります。
その理由は感情失禁からやってきます。それプラス易疲労状態。どちらも高次脳機能障害の特性です。
疲れれば疲れるほどに脳の働きがおかしくなる。そして障害特性が出やすくなる。感情が爆発しやすい人なら、怒鳴り散らし始めるのも十分にありえます。
例えば優先席の前でヘルプマークを付けた人が「席を譲れ!座りたいんだよ!!!」って怒鳴っていたら、どう思いますか?
「そんなに元気があるのなら、座る必要ないでしょう!」
って反感を感じるかもしれませんね。当然だと思います。
でも私は違う感想を持ちます。
「相当辛いんだな。」
このように考えます。そうは言っても怒鳴っている人は怖いから、関わりを持たないように別の車両へ移動しますけどね…。
なぜ怒鳴るのかと言うと「感情失禁」からです。高次脳機能障害の特性です。感情の抑えが効かないのです。感情は怒りだけではありません。人によって違います。笑いが止まらない人、悲しみが止まらない人。色々とあります。
疲れると障害特性が出やすくなります。高次脳機能障害の人は特に疲れやすいです。悲しい負の連鎖の結果なんですよね。
高次脳機能障害の人が高齢者に向かって「俺は疲れているのだから席を譲れ!」と言うと思いますか?私自身は言いません。どんなに疲れ果てて頭が回らなくなってもです。
他の人も言わないのではなかろうか?と考えています。
高次脳機能障害は、記憶、注意力、抑制力、などの脳のバランスが欠けてしまった状態になる障害です。常識などは普通にあります。IQが落ちると聞いたことがありますが、それでも普通の思考力があります。
このような障害特性をもつ高次脳機能障害の方が高齢者に向かって「席を譲れ!」と非常識に怒鳴り散らす。このパターンは無いように思えます。あるのかなぁ…???
逆に高齢者から「席を譲れ!」と怒られて「なんだと!!」と怒り狂うパターンはあり得るでしょうね。
周囲からの刺激で瞬間的な感情の抑えが効かなくなる状況です。感情失禁はちょっとした刺激で感情が振り切れてしまう状態だと思います。
内部障害を持つ人は外見からはわからないですからね。ヘルプマークの提示は必須ですね。
精神障害かそれ以外の障害なのかはヘルプマークからは判断が付きません。つきませんがどちらも同じように優先席が必要だったりするわけです。
高齢者から譲れとプレッシャーをかけられるかもしれませんしね。
「あなたが座りたいように、私も座りたいのです。事情があるのですよ。」
きれいごとじゃないんですよ。本当に易疲労は辛かったです。席を譲る余裕なんてなかったです。でも混んでいるときは座れなかったですけれどね。立ったまま寝ました(涙)
優先席が空いているときは座りましたよ。
ヘルプマークは出したりささなかったりしたかな?最初は出すのが怖かったですね。ヘルプマークの提示には勇気が必要でした。
当然、私がそうであるように他の人にも内部障害がある可能性があるんですよね。たまたま全員がヘルプマークを身に着けていないだけで…。
そういうことを考えると、優先席に座っている人に対して一方的に避難もできないなぁなんて考えてしまいますね。私もはたから見れば普通のサラリーマン状態でしたから。顔は真っ青だったかもしれないけれどね。
だから優先機に座っている人に対して「譲って管愛」なんて言えませんでした。ましてや「どけ!」とかね。絶対無理。
優先席に座る若者に向かって怒鳴り散らす高齢者とか元気があるなぁって思います。と同時に「感情失禁なのかな?」とも…ぐるぐると考えてしまいます。(これも私の障害特性です。たぶん遂行機能障害の特性かも。)
高次脳機能障害を経験したことのない健常者の方々には想像できないと思います。
高次脳機能障害の人は大抵「易疲労」に悩まされます。これ本当にしんどいですよ。酷い時は一日中ずっと寝たきり状態です。起きて活動できません。
脳が疲労しまくってしんどいんですよね。あまりにも酷いと過呼吸がおこります。
ハァハァ呼吸が荒くなって、目がうつろになったり、しゃがみ込む人がいたら、倒れる寸前です。助けてあげてください。
「精神=心」そんなイメージで広まっていますが私はあまりそうは思っていません。
「精神=脳」だと思います。脳に物理的な障害が起きている。その影響で肉体にも影響が出ている。その影響の一つが、あり得ないレベルの疲れやすさです。まともに電車に乗れません。立ったまま眠りこけてしまいます。しばらくすると倒れます。
こんなわけですので「精神障碍者には席を譲る必要はないよね」とは一概には言えない状態です。
これが私が経験した精神障碍者の現実です。
これもまた無理解からくる差別の一つなのでしょうね。