インフルエンザ脳症の検査や治療…何をしていたの?

インフルエンザ脳症の検査や治療…何をしていたの?

インフルエンザ脳症で1か月間入院しましたが、その間にどんな治療をしたのでしょうか?
脳に何かの刺激を与えたり、薬を投与したりするのでしょうか?
まぁだいたいそんな感じです。でも怖くないですよ。大丈夫。リハビリが弱点を突いてくるためきつかったぐらいです。

  • 殆どの時間は点滴。もちろん移動も可。
  • 頭部MRIは病院定休日も
  • 心理検査で必ずグッタリ
  • リハビリはキツイぞぉ(普通の人なら屁でもないだろうけど)

こんな感じでした。
ここではインフルエンザ脳症で入院中に行った主な治療について紹介します。

インフルエンザ脳症は点滴が治療のメインぽい

私の場合は点滴が治療のメインでした。ステロイドパルス療法といって、ジャブジャブと体内にステロイドを投与する治療です。
見た目は普通の点滴です。最初のうちは昼も夜も絶えず行っていたと思います。おかげで腕が内出血で真っ黒。針を刺す場所が無くなり手の甲にも点滴の針を打ちました。足にもしたような気がします。
実はこのステロイドパルスって副作用がものすごく怖いんです。糖尿病の原因になったり、足の骨の生成が止まり歩けなくなることもあるそうです。

私の妻の知り合いはステロイドパルス療法を受けて、一生普通に歩けない体になりました。常にビっこを引いています。

ステロイドパルスの副作用について、くわしくはこのページに記載されています。
https://www.kobe-kaisei.org/patient/introduct/medical/ophthalmology/ophthalmology05/
妻はステロイドパルスの副作用を知っていたので、「それしか治療法はないのか?」と大学病院に問いただしたそうです。答えはステロイドパルス療法一択とのことでした。今後歩けなくなっても、今すぐ治療を開始しないと一生寝たきりになる。そんな一刻を争う状況だったのです。
そんなわけで、一か八かのカケのような治療がすぐに始まりました。
点滴は一定期間連続で行います。そして一定期間お休みです。そしたまた一定期間行います。それを数回繰り返しました。腕は内出血でどんどん黒くなっていきました。
幸いにも抗がん剤治療のように気分が悪くなるなどの症状は一切ありませんでした。また骨がもろくなるなどの副作用もありませんでした。
だから「すっごいイッパイ点滴をしたなぁ」ぐらいの印象しか持っていません。

毎日頭部MRI撮影をしました

MRIは治療ではないのですが、治療方針を決めるうえで重要な役割を果たしているので付け加えます。頻度も多いですし。
私のインフルエンザ脳症は、免疫が過剰に反応して自分の脳を傷つけてしまったものです。その結果脳が腫れ上がり異常行動をおこしています。だから脳の変化を細かく確認する必要があったのだと思います。幸いにも私の脳は回復に向かいました。
逆に炎症が広がる方もいるそうです。最悪は脳内の傷が膿むこと。こうなると予後良好のはずだったインフルエンザ脳症が、5年後生存率17%の話に変わってしまいます(インフルエンザ脳症の本に書いてあり震えました)。これだけは絶対に防がねばなりません。
入院当初は進行中かどうかはわからない状況でした。「ステロイドパルスが効かない!」では困ります。
また他の病気の疑いもありました。ヘルペス脳炎と自己免疫性脳炎です。
MRI撮影は病院が定休日の時も特別に行われました。「土日はお休みです」なんてやっていたら、その間の変化がわかりません。それでは困ります。

心理検査が一番しんどかったとにかくグッタリ

頭部MRIでの物理的な傷の確認に加えて実際の脳機能の確認も行われました。それが心理検査です。結果は数値とグラフで確認できます。
心理検査はとても疲れます。毎回頭痛に襲われてグッタリしながら行いました。最初の頃の成績は記憶力が100人中100位という絶望的な点数でした。まったく何も覚えられない状態です。
ちなみに退院時は50位ぐらいには回復していました。それでも正常な人の記憶力には到達していません。記憶障害あり。要見守り判定。という状況です。おかげで退院してから地獄を見ました。

リハビリもしんどいよ!

リハビリと聞くと、必死に歩いたりするイメージを思い浮かべますよね。では記憶障害のリハビリって何をすると思いますか?
新聞のニュースの見出しを覚えたり、複数のカードに描かれている絵(月や自転車など)を覚えて後で答える。そういったことをします。
まったくもってダメでした。とにかく覚えられません。ニュースも新聞の出だしの1文程度です「会社員の〇〇さん45歳が1月10日の夕方〇〇で〇〇に巻き込まれた」この程度です。
この文章をリハビリ開始前に暗記します。そして終了時に要点を紙に書きだす。この程度です。それがダメ。全然ダメ。かすりもしない。
リハビリは最初に覚えたら他の作業を挟み込む。そんなメニューになっています。だから反芻しようと頑張っていても、ちょっとしたことで記憶の中から消えてしまうんですよね。
心理検査のように頭がズーンとなることはなかったと思います。でも本当にキツイリハビリでした。きつくないとダメなんでしょうけど。

入院中は休む暇がなくて忙しい

脳が炎症を起こして入院しているのだから絶対安静!面会謝絶!
私はそんなイメージを持っていました。でも現実は違っていました。とにかく忙しい。
検査、検査、リハビリ、注射、点滴…、そしてまた検査。これでもかと言わんばかりのバリエーションに飛んだ検査の数々でした。
易疲労真っ盛りなので頭を使うとすぐ頭痛がしてグッタリ。とにかく眠くてたまらない。そんな状況の中で「MRIに行きますよ~」「血液検査ですよ~」「髄液抜きますよ~テント張りますよ~」こんな感じです。飯を食う時間がない時もありました。
入院中は

  • MRI
  • バラエティー豊かな検査
  • 心理検査
  • ぐったりして寝る

ほぼこれの繰り返しでした。本当に忙しかった。入院しているのに休めないんですよね。びっくりです。