私は定期的に千葉リハで脳のリハビリとして作業療法を受けています。
作業療法とは、体や精神に障害がある方が、生活していけるようにするための訓練です。
http://www.yukigunihp.jp/about/section/rehabilitation/occupational_therapy.html
どんなことをやっているのかというと「これでもか!」と言わんばかりに弱点を突いてきます。めっちゃ鍛えられている感があります。そんな感じです。
今回は私が実際に受けている作業療法について紹介します。
私が受けている作業療法は回数を重ねるにつれて難易度が上がっていっています。
時系列順位に説明します。
確か【イラストとキーワードをいくつか暗記する】という課題から始まったと思います。
例えば、下のイラストとキーワードを決められた時間(30秒ほどだったかな?2分だったかな?)見て暗記します。そして少し時間がたってから「何が描いてありましたか?」を答えます。
(作業療法の課題:イラストとキーワードを覚える)
たしか作業療法は4月ごろから始まったと思います。高次脳になってからちょうど3か月ほどですね。記憶障害がとても酷かったころです。自分の頭の中の記憶が、現実のものなのか幻のものなのか、よくわからないような状態でした。
記憶がダメだと他のことができませんし、この頃は暗記系の課題ばかりでした。滅茶苦茶苦手です。たぶん今も苦手だと思います。
作業療法は最初のうちは暗記系が中心でしたが、いつまでも単純な暗記だけではありません。次第にレベルが上がっていきます。
第2段階は注文書づくりの作業療法です。
何を何個注文すると合計いくらになるのか?を注文書を作りながら計算します。1品ずつ時間を測定します。
何を注文するかはあらかじめ決まっています。物品請求カードという、品物の名前と個数が記入してあるカードを元に、カタログの目次を調べて、金額を取得するのです。これは最初の頃のひたすら暗記系と違って楽でした。
きっと作業手順を記憶して、手順通りに遂行する。そして正確に進められるように注意を払う。という目的があったのかな?滅茶苦茶理にかなっていると思いました。
私が作業療法に慣れてくると、すかさず難易度が上がります。
「よくもまぁこんなに私の弱点を突いてくるリハビリがあるものだ!」と感心してしまいます。その奥の深さにびっくりです。
二つの処理を並行して行う課題まで現れました。
次の作業療法は現場から上がってくる各担当者の作業日報を一覧にまとめ上げる作業です。
このような情報を合算してまとめるもの…だったと思います(最近やり始めたばかりなので、ルールはうろ覚え)
で、ここまではいいのです。大した作業ではありません。
問題は「作業日報を付けると同時にPCで全く関係のない文章を入力する」という課題までくっついている点です。
しかも私の場合ハンデまで付いています。当初5分間隔で交互に作業を行うとされていたものを、2分間隔に短縮されました(確かそうだったと思います)
これがまた、鬼のようにキツイ。「仕事でもこんなにキツイことやったことないよーーー」って悲鳴状態です。
2分という時間計測もタイマーでアラームが鳴るわけではないのです。普通のデジタル時計を使います。つまり時間チェックも自分でやらなければならないのです。
時間をちょくちょく見ながら、作業日報を付けたり、文字入力をしたり…。この忙しさは半端ないです。
記憶と注意と遂行機能。これらの高次脳機能がめちゃくちゃ鍛えられている感じがします。
でも本当に、よくもこれほど弱点を突いてくるメニューを考えるものだなぁと感心せずにはいられません。
高次脳機能障害は人によって状況がバラバラです。そのためリハビリも人によってバラバラになると思います。
とうことは、それだけの状況に対応できるだけの経験と実績がないとピンポイントで対応しきれませんよね。
実際に8か月ほど受けてきて思います。
「よくもこれほどまでに弱点を突いてくる課題があるものだ!」
と。それだけ充実しているということですよね。何も知らずに大学病院から千葉リハにエスカレーター式でやってきましたが、良いリハビリセンターに巡り合えました。
次の新しい課題は何が用意されているのでしょうか?恐ろしいです!…が興味もあります。こうしてみると私自身はリハビリを楽しくやっているといるようです。