高次脳機能障害を抱える私の日常:記憶と体調を管理する実践的アプローチ

私は高次脳機能障害を抱えながら、日常生活や仕事に奮闘しています。特に記憶障害や注意力の低下は、時には本当に厄介で、日々の小さなことさえも忘れてしまうことがあります。でも、そんな中でも少しずつ工夫しながら、自分に合ったメモ管理や体調管理の方法を見つけてきました。

この記事では、私が試している実践的なテクニックやツールについて紹介したいと思います。例えば、Google Keepなどのデジタルツールや紙を使ったメモの取り方、体調の変化をグラフ化する方法など、日常生活に役立つアイデアが盛りだくさんです。

同じような悩みを持っている方々と、少しでも役立つ情報を共有できれば嬉しいです。一緒に、記憶や体調の管理をしながら、より良い毎日を目指していきましょう。

メモの役割:守りと攻めのメモ

私が日常的に取るメモには、2種類の役割があることに気づきました。それは、「守りのメモ」と「攻めのメモ」です。この2つのメモは、それぞれ異なる目的で活用されており、私の生活を支える大切なツールになっています。

1. 守りのメモ(すべきことを忘れないためのメモ)

目的

忘れてはいけないタスクや予定を管理するためのメモです。これらのメモは、ミスを防ぐことを目的にしており、日常生活の中での「守り」の役割を果たしています。

使い方

Google Keepや付箋を活用し、やるべきことをすぐに見返せるようにしておくことで、安心感を得ながら日々を過ごせます。

具体例

ガラケーやスマホの画面、PCのディスプレイに付箋を貼ることで、常に確認できる状態にしておきます。クリップボードに記入したメモも、帰宅後に見返し、デジタルツールに移して整理します。

2. 攻めのメモ(体調を数値化して状況悪化を防ぐためのメモ)

目的

自分の体調や疲れの度合いを記録し、状況が悪化する前に気づいて対策を取るための「攻め」のメモです。これにより、積極的に自分の状態をコントロールしてみようというものです。

使い方

朝と夕方に体調を数値化して記録し、そのデータをグラフ化します。これによって、特に疲れやすい時間帯や曜日が一目でわかり、適切な行動計画を立てることができます。

具体例

疲れを1から5のスケールで評価し、その日の作業内容と合わせて振り返ります。これにより、どの作業が疲れやすく、どの状態で困り事が発生しやすいのかが明確になります。

1. 視覚的記憶の活用

Google Keepの活用

定期的にメモを取るためにGoogle Keepを使用し、色分けやタグ付けで情報を整理。重要な情報はピン止めし、手軽にアクセスできるようにしています。

付箋の使用

突然のメモが必要な際には正方形の付箋を使い、ガラケーやスマートフォンの画面に貼り付けて、思いついたアイデアを記録します。

就労移行支援施設でのメモ取り

施設ではA4のクリップボードにコピー用紙を数十枚用意し、日付、時間、体調を必ず記述。体調は朝と夕方に記録し、数値化してグラフ化します。

体調の変化の記録

体調を1から5のスケールで評価し、夕方に疲労が蓄積していることを視覚的に確認。疲労を示す画像も表示し、感覚的に理解しやすくします。

ウェアラブルメモ

看護師が使用する「ウェアラブルメモ」は、一時期は毎日つけて歩いていましたが、ほとんど活用できませんでした。現在は使用していません。

ウエストポーチの活用

ウエストポーチにメモ帳セットを用意しておくことで、外出先でもすぐに取り出して使えるようにしています。

帰宅後の整理

付箋やクリップボードのメモをPCのディスプレイに移し、視覚的に整理。Google Keepや紙のメモを元にオンラインスプレッドシートに予定を入力します。

テキストファイルとしての保存

必要に応じてメモをテキストファイルに清書し、PDFとしてクラウド上に保存します。

2. デジタルツールの活用

Googleカレンダーの利用

リマインダーアプリとしてGoogleカレンダーを使用し、使用スマートフォンはPixel 6a。月間カレンダーを常に表示し、Google Keepのアイコンも最下部に設置しています。

オンラインスプレッドシートの利用

計画や記録をオンラインスプレッドシートにまとめ、情報の共有やアクセスを容易にしています。

3. メモの振り返り方

疲れのグラフ化

体調の変化をグラフ化し、曜日や時間ごとの疲れの傾向を確認。特に夕方の疲れの度合いが大きいことがわかります。

疲れの原因を探る

疲れを感じたときの状況を分析し、どの作業が疲れやすいかを把握。作業内容を振り返ります。

感情と困り事の分析

疲れの状況と困り事、感情を洗い出し、自分の状態と行動の関係を明確にします。

共通パターンの見える化

集計したデータを見える化し、共通のパターンを見つけることで、障害による困り事を防ぐ手助けになります。

予測と計画

状況に応じて行動計画を立て、トラブルを回避することができますが、習慣や無意識の行動が邪魔をすることもあります。それでも、予測ができることで計画時に適応し、より良い結果を得られる可能性が高まります。

まとめ

高次脳機能障害と向き合う中で、記憶障害や注意力の問題は私の日常に多くの挑戦をもたらします。しかし、適切な方法を取り入れることで、少しずつその課題を克服し、生活の質を向上させることができると実感しています。私が実践しているメモ管理や体調の振り返りの方法は、皆さんにも役立つ情報となることを願っています。

これらの取り組みは一人では難しいこともありますが、日々の小さな努力の積み重ねが大きな成果につながることを信じています。自分自身の体調や行動パターンを理解することで、より快適な生活を実現し、トラブルを未然に防ぐことができる(はず)なのです。(障害ゆえの困難があるので確証はありませんが)

今後も、私の経験をもとにした情報を発信し、高次脳機能障害に関する理解を深めていきたいと思います。

ぜひ、皆さんも自分に合った方法を見つけて、共に前向きに歩んでいきましょう。より良い未来へとつながることを願って。ほんとにね!