あれから2年と7か月。「あ、まだ障害があるんだ」と思う瞬間

あれから2年と7か月。「あ、まだ障害があるんだ」と思う瞬間

「以前のように車も運転できるし、易疲労も無くなったぽいし、なかなかいい感じじゃないかな?もう普通の人に戻れたかな?」
そう思う瞬間が何度もあります。とはいっても最近思うようになったわけではなく、障害が酷くて易疲労でハァハァぐったりしていた頃から、ずーっとそう思っています。極端に言うと入院中からそう考えていました。
ただ、障害に対する感じ方が最近変わってきたかな?という実感があります。それはこのような変化が起きているからです。

  • 以前の私:「もう障害治ったよね?元通りになったよね?」
  • 今の私:「やっぱりここがダメなんだなぁ。障害が残っているよなぁ。」

前者と後者の間には2年半以上の月日が流れています。その間に確実に障害は改善しています。
なにせ退院直後の私ときたらイオンにお使いに行くだけでグッタリ易疲労だったし、牛乳と卵を買い間違える記憶力だったし。
それに比べたら今の自分は、車の運転ができるし、自転車で50Kmぐらい走っても平気だし、記憶力もだいぶ良くなってコンピューターのプログラミングも出来るようになったし。
はたからみたら「完全に普通の人」です。精神障碍者手帳を持っているなんて知ったら、さぞ驚くことでしょう。私も私のような人が障碍者だと知ったら「うそでしょ?」って言うと思いますよ。
でも「やっぱり私はまだ障害があるんだな。」って思うときがあるんですよね。
もっとも顕著なのは夕方以降ですね。昼間散々頭を使った日は夕方以降の記憶がちょっと悪くなります。完全に実感しています。
もうね自分自身で「あぁ、もうダメな時間帯だな。これ以上はやめておくか。」って自制できるほどに自分の障害を理解して、手を打てるようになりました。
今日も難しい問題を解決しようとして一日中うんうんうなっていたのですが、問題がとけませんでした。
以前だったら「これができないじゃダメなんだ!自分の価値がなくなったて言われるんだ!」と、怒り狂って問題に取り組んでいたと思います。たぶん深夜0時まではやっていたと思います。
実際に0時過ぎまで同じ仕事をやって、家族が大騒ぎになったことがありますから。
難しい仕事ではないです。健常者時代の私が5分程度で終わらせていた仕事です。それが6時間以上頑張っても終わらなかったのです。こんなに悔しい事ってあるでしょうか?
私は自分に障害が残った事を認めたくなかったのだと思います。「障害者なんかになりたくない!」そんな気持ちが私を支配していました。
「それは差別ではないか?」
そう思う人がいるかもしれませんが…。今まで何十年も五体満足で順風満帆に生きてきて、ある日突然記憶障害になったんですよ。パニックにならない方がおかしい。
恐ろしいですよ。「今日から君は障碍者だよ」って宣言されるのは。よく自分が壊れなかったなって思いますよ。
とりあえず今はそんな過去は置いておきましょう。今の話をしましょう。
今の私は「昼間は普通の人夕方以降はプチ障害者」こんな感じなんですかねぇ。
「プチ障害者」なんともふざけたネーミングですが、実際に当事者がそう感じているのですからね。第三者にどう思われてもねぇ…
まぁプチ障害者とはいっても、確実に「普通の人が当たり前にできることが出来なくなる状態」なんですよね。かなりきついですよ。
原因はわかっています。「疲れ」です。入院当時から疲れの呪いがかけられているような状態ですね。だいぶ効力は落ちてきているようですが、まだまだ呪われている感じですね。
この呪いは

  • 毎日夕方以降になると発動するようです。
  • そして昼間の記憶を奪い去ります。

なんともファンタジーな高次脳機能障害なのでしょうか。とはいっても当人としては、もうしんどすぎなんですけれどね(涙) こうやっておふざけでもして軽く扱わないとメンタルが崩壊してしまいますよ。二次障害ですよ。せっかく良くなってきているのに、脳神経内科と精神科のダブル受診なんて嫌ですから。

まとめると

インフルエンザ脳症が原因で高次脳機能障害になって2年7か月が過ぎました。
高次脳機能障害の度合いは改善しているように思えます。
日中は相当よくなっていると思います。(自己評価では)
しかし相変わらず疲れには弱いです。特に脳を沢山使った日の夕方以降。
症状は「日中の記憶が想起できなくなる。」
私の障害の現状はこんなところです。
自分では「夕方以降が大変だけれど、日常生活への支障は殆どないかな?」と感じています。
妻の評価はもっと厳しいと思いますが…。まぁ仕方がないです。一番私を正確に評価できるのは妻だと思っています。自分で自分を評価するのは難しいですものね。
私は今できることを淡々と積み重ねていくだけです。きっとそのうち良いことがあるのだと思います。
そこそこに無理をせずに頑張りたいと思います!