私には注意障害があると診断を受けています。
注意障害というと「注意力が下がる!」「運転とか危なくないか?」って想像すると思います。
…がちょっと違うのではないかな?と考えています。
注意には内へ向く注意、外へ向く注意とかなにやらあるらしいです。その辺りは別の機会に書くとして、今回は「注意を心がければ何とかなるモノなの?」を自分の経験から考えてみたいと思います。
私の注意力は2つの状況下で低下するそうです。心理検査と診察の結果から割り出されました。
こうして文字にすると「あれ?普通の人ももそうなんじゃない?」って感じませんか?私もそう思ってしまいます。
高次脳機能が正常に働く人と、高次脳機能障害の私の違いは、「注意力低下の落差が違う」のではないでしょうか?
私自身、元気な時は普通の人状態もしくはちょっと劣っている状態なのだと思います。でも疲れると極端に注意力が落ちる。
どのくらい注意力が落ちるのかというと「失敗に気付いたときに、自分でびっくりするくらい注意力が落ちている。」ですかね。
普通は失敗したとしても「そんなもんだろ。」とか「くやしいなぁ。」とか「次は気を付けよう!」となるじゃないですか。私の場合は違うんですよ。
「うそだろ?」「またか」ってなります。自分で自分のミスに驚くのです。自分自身が驚くのだから、他の人からしたら「信じられないレベルのミスをやらかす」に該当すると思います。
妻は慣れっこになったようですが、余り接する機会のない人相手では「ふざけているの?」と怒ってししまうかもしれませんね。
高次脳機能障害になって2年と10か月がたちました。
システムエンジニアとして細かい仕事をしています。何万文字と入力して、その中の1文字間違えたらまともに動作しないですからね。そういう仕事です。
そのため千葉リハからアドバイスされるような「注意をとことん意識する」というのは、実際はなかなかできません。作業中に「油断しないように!慢心しないように!」って意識し続けているのは無理です。
運転再開した時に「疲れと慢心」って念仏のように唱え続けていた時期もありましたが、無理があります。だから
「注意障害を気を付けて解消する」というのは不可能だと思います。さんざんやった結果です。
出来るとしたら「注意障害をカバーする仕組みを用意する」ですね。こちらにとことん力を注いだ方が現実的だと思います。
■結論:高次脳機能障害を気合で対処するのは無理です!不可能!(私はね)
注意障害をカバーする仕組みってなにかというと、メモです。そしてマニュアルの用意。
失敗すると大変なものって、命に係わる事や仕事ですよね。私は命に係わるレベルの失敗はしませんので、仕事で失敗しない工夫を考えればいいわけです。
そこで大事なのは「メモ」なんですよね。いかにメモを工夫するか。工夫とはこういうことですね。
これらの条件を満たすメモを用意できて、息を吸って吐くようにメモを取る癖を付けられれば、注意障害でも何とかなるかなぁ。と思っています。
さらにここで一工夫です。メモってこの2つに分かれます。
ここで注目したいのが後者です。「繰り返し参照するメモ」は「再利用前提のマニュアルに仕上げる」のをお勧めします。
絶対やった方が良いですよ!後日マニュアルが必要となった時に、頑張ってマニュアルを作った自分を褒めたくなりますよ。マニュアルがあると考えなくていいので疲れません。ミスが減るのです。注意障害のカバーができます。
日常生活はメモで乗り切ればいいと思います。
でも失敗をすると周囲に迷惑が掛かりまくる場合は「マニュアル化」です。
そして
【どこにマニュアルがあるのかが一発でわかる仕組みを用意していください。】
これも重要ですよ!使いたい時に使いたいマニュアルが見つからないのは悲劇でしかありません。
記憶障害、注意障害がある場合は、作ったのを忘れていて、同じマニュアルを再び作る羽目に陥ります。
これは避けねばなりません。なぜかというとどちらが正しいマニュアルのなのか判断が付かなくなるからです。
何度も経験しましたが大混乱しますよ!混乱した挙句第3の新しいマニュアルを作る羽目に陥ったりもします。3つ目のマニュアルの登場です。
同じようで微妙に違うマニュアルが3つ。管理が破綻します。絶対に。
注意障害は心がけでは乗り越えられないと思います。心がけで何とかなるなら障害ではないです。なんらかの物理的な工夫が必要です。
以上の3点をクリアできたら、注意障害は乗り越えられるのではないでしょうか?そう思って実践しています。