「悪いけれど来月一杯で…」初めての障碍者雇用の終わり

「悪いけれど来月一杯で…」初めての障碍者雇用の終わり

高次脳機能障害になっての初めての障碍者雇用。あと数日で終わりとなりました。
働いていた場所はとても大きな職場。福利厚生も素晴らしく、一緒に働く人たちの障害への理解度も高く、障碍者雇用の割にはお賃金も高め。
そんな理想的な職場でした。お休みの融通も自由度が高かったです。本当に障害者が働きやすい環境を整えようと頑張っている職場でした。なかなかこのような所はないだろうなぁ…と思っています。
辞める理由は私がヘタレ過ぎた…ですかね。全くの新しい仕事に馴染むのが「技術的に」と「性格的」に難しかったのが根本ですが、その状況に耐えきれなかったです。
「期待にこたえなければ!」と、強く思い詰めすぎてしまい体調がガタガタになってしまいました。
職場はすぐに私の仕事内容を調整してくれましたが、本来求めていた作業ではないので「契約は完了」という事になったわけですね。
職場の人たちは「私が無理なく働いていけるにはどうすればよいか」を定期的に打ち合わせていたようです。本当にありがたいです。
期待に答えたかったのですが、根本的になじめない仕事を「頑張って、努力で、乗り越える。」と、いつもの癖で根を詰めてしまったたのが裏目に出てしまいました。
職場の人も「頑張るって言わない!」と、ちょくちょく私に指摘していました。
私の性格上、隙あらば「ぬおおおーーー!頑張れなければ!完全に仕事をしなければ!期待に応えなければ!」となりがちです。そんな暴走気味の性格も把握していたようです。
「障碍者雇用なのだから。無理をしない。もともと期待していない。休まずに通えるだけでいい。」知り合いからも、こんなアドバイスを受けていました。
予定のある日以外は休みませんでした。朝になって突然「今日お休みします!」などと言うこともありませんでした。でもダメでした。仕事を始めて最初の1か月間のプレッシャーが酷くて、精神がメタメタになってしまいまいました。
入社当時にメンタルがやられてしまった影響と、職業適性が無かった。この2点により「あなたには辞めてもらいます」判定となったのでした。
何気に「職業適性が無い」と書いていますが、私を採用した人にとっては、私に謝罪をするほどに重大な要因となっているようです。
言い換えると「職業適性が無い私を採用したことで、障碍者である私に無理をさせてしまう結果になった。」ともなります。
次の職を探す際は「採用側の責任にしてください」と言っていました。確認等があった場合も対応してくれるそうです。
「ここならば!」と期待し、頑張り続けた職場です。悲しすぎる結果となりました。でも仕方がないです。
私が提供できるスキルと、職場が求めるスキルが違っていたのですから。

会社の上層部と現場の人たちとの印象は異なるようです

会社上層部からすれば「メンタルに問題のある障害者」な私ですが、一緒に働く人たちからは評価が高かったようです。
そういいえば前の職場でも同じパターンでした。
上層部からは「辞めてほしい」と勧告される。でも一緒に働く人たちからは「一緒に働きたい」と言われる。
たぶん私は数字上では雇うメリットの無い障害者なのだと思います。非常に残念です。
このような状況になると「次こそは頑張らなければ!」となるわけですが、「頑張ってはダメ!」と釘を刺されてしまいます。どこにいっても言われます。入院している大学病院でも主治医の先生に言われていました。
コツコツと努力をし続けるのが私の長所な私が、頑張るのを禁止されているのは本当に辛いです。
この後どうやって生きていけばいいのでしょうか。困ったものです。
少しずつ頑張りの火加減を抑えられたら良いのかもしれません。でも障害ゆえに極端な考えに走ってしまう私にはそれが難しい。
唯一の救いは、現場で一緒に働く方たちからは間違いなく評判が良かった点です。
特殊な環境の職場なので、懸念されている部分もあったのですが、全く問題なし。次のような評価を得ていました。

  • いつも穏やか
  • 人当たりが良くい
  • まじめでコツコツ

この評価は「次の就業でアピールポイントにしたいから」と、職場の人たちに私の印象を聞いて得たものです。
面と向かって悪い事はいえないのは分かります。でも悪い所は散々味わっていて自覚しています。だから良い所のみを確認できれば良いです。
その結果が上記の3点でした。これ、一緒に働くメンバーとしては「かなり良い」属性ではないでしょうか。前任者は職場でブチ切れて大声て怒鳴っていたりしていたそうですから。
高次脳機能障害と聞くと「怖い」「すぐどなる」というマイナスなイメージを持つ職場もあるそうです。でも実際は違います。
高次脳機能障害は人によって症状が全く違います。確かに怒りやす人もいます。逆にいつも穏やかな高次脳機能障害者もいるのです。
私の場合は「自滅するまで頑張りすぎてしまう」が最大のマイナスポイントだと思います。その根本にあるのが記憶障害です。記憶障害による仕事の遅れを努力でカバーしようとします。
障害はどうしようもないから障害なんですよね。そのどうしようもない部分を努力でカバーして、健常者並みの結果を出そうとしているわけですから尋常ではないと思います。
でも私はそれをやっています。やってしまいます。疲れます。体調も悪くなります。メンタルも悪くなります。でも止められません。どうしてもやめられないのです。
それは現状に全く満足していないからです。満足できない理由は「生活への不安」だと思います。お金がないから障害と闘い続けているのだと思います。
なんとも俗な理由になってしまいましたが、私が無限に頑張り続ける理由はここなんでしょうね。お金がないと生きていけませんしね。
生死が関わっているわけです。頑張りの火力調整はひつようですが、そうも言っていられないのが今の私の現実です。
安心して暮らせない。将来が不安で仕方がない。障害が有ろうと自力で何とかしなければならない。それが今の私が住む日本の現実です。
正直しんどいです。すぐに次の行動の予定を立てていますがしんどいですよ。また一から出直すわけですから。
本当にしんどい。障碍者ってしんどい。
こんな状況の中で「頑張りの火力を調整しなければならない」のです。
なんなんでしょうね。救いがありませんね…。