障害後の挑戦:施設改善提案を通じて見えた可能性

高次脳機能障害になったらミスが激増!何をやっても失敗だらけ。

それでも元気だった頃の感覚が残っていて、昔のやり方で進めてしまう。すると案の定失敗。失われていく信用。聞こえてくる陰口。そして嘲笑(本当に笑われていました)

こんなことを何十回も繰り返していればどうなると思いますか?

障害を抱えてからの数年間、私のやる気は著しく低下しました。

もともと提案をすることが好きで、そのスキルと経歴のおかげで多くの人が私のアイデアを聞き入れてくれていました。

しかし、病気により提案する力、記憶力、活力を失い、ただ状況に流されるだけの日々を送っていました。

そして収入も減少していく一途…。

「悔しいけれど仕方がない、障害者なのだから。」

たびたび、己の身を沼の底に潜む竜に例えた劉備玄徳のエピソードを思い出したものでした。

スキル回復への道のり

最近では、病前のスキルを少しずつ取り戻しつつありますが、真の私は「提案好き」で「そのスキルが評価されていた」ことを思い出します。提案の内容はどんなものでも良いのですが、相手にとってのメリットが根底にあることが重要です。

私はプレゼンも大好きで、ストーリーを組み立てるとどうしても長くなってしまいますが、情報収集や資料作りを苦にせず、むしろ楽しんでいます。そして、私は新たな挑戦として現在通っている就労移行支援施設の改善に着手しました。

就労移行支援施設での新たな試み

施設を利用していると、「なぜこうしないのだろう?」や「こうすればもっと良くなるのに」という提案が頭に浮かびます。

多くの人はこれを単なる雑談で終わらせますが、私は異なりました。

私の頭の中では、現状と理想、そしてそれに至る理由とメリットが明確なストーリーとして構築されるのです。

私はこのストーリーをプレゼン資料に落とし込み、実際に提案することにしました。

今までの経験から、これらのアイデアは単なる参考資料として受け入れられます。

「相談します」と言われることが多く、私が時間をかけて具現化したアイデアはそこで役割を終えます。

あまりにしつこく追求すると、「面倒な人」と見なされてしまうため、私はそこで引き下がります。

では提案は無駄な行為なのでしょうか?違います。

このプロセス自体が私にとっては大きなメリットなのです。

それは、プレゼンの資料を作る力が身につくこと。

これは障害者雇用で就労する際に重要なスキルです。自分を売り込むためのストーリーを作る能力は、面接時にも非常に役立ちます。だから無駄かもしれないけれどプレゼン資料を今回も作成しました。

私が提案するのは「事業所内で使用する備品の在庫管理システム」です。

当然「システム」では敷居が高すぎるため、「手作業で在庫管理の練習をしてみませんか?」のスタートです。

プレゼンテーションスキルの再構築

このようにして、私は就労移行支援施設内の業務を改善するためのプレゼン資料をコツコツと作成しました。

これが実際のカリキュラムの一環としてのプレゼンにもつながります。

もしかすると、システムエンジニアリングよりもこの手の仕事の方が私に合っているかもしれません。

資料作成は楽しすぎて、時を忘れるほどです。

未来への一歩

この資料作成の能力を将来の就職活動で活かせればと思います。

少なくとも、「このような資料を作る能力が私にはある」ということを示す材料になるはずです。

今回の行動そのものも私のプレゼンの一部です。これからも頑張ります!

施設のためを考えた、利用者のためを考えた、自分のためを考えた、【三方ヨシ!】の提案です。

我ながら良くできたものだと思います。

私のプレゼンはどう進んでいくでしょうか。楽しみです。