私はインフルエンザ脳症が原因で高次脳機能障害が残りました。
「精神障碍者手帳の対象になる」
と診断されていました。
精神障害というと恐ろしいイメージがあるかもしれませんが、私の場合は…
こんな感じです。具体的には記憶障害、注意障害、遂行機能障害という3つの障害があります。
このような高次脳機能障害を持つ方たちが複数集まってリハビリを行う「グループリハビリ」というものがあります。
リハビリというと「自分が主役で歯を食いしばりながら歩く」といったイメージがあるかもしれませんが、高次脳機能障害の場合は違います。
「他の人たちの行動を見ながら、自分がどのような状態なのかを把握する。」
これがグループリハビリのテーマだと思います。
具体的にどんなことをするのでしょうか?参加するメリットはあるのでしょうか?自分が体験したことをお伝えしますね。
私が参加した高次脳機能障害のグループリハビリは8名で行われました。(一人はしばらくお休み)
それぞれ事情があって脳にダメージを負ってしまった方々です。全員働き盛りの男性。
グループリハビリでは、毎回1つのテーマに沿って参加者が思うことを発表していきます。
1回、1時間30分の時間の中で
このようなものを学んでいきます。
グループリハビリでは欠けてしまった能力をカバーする沢山の学びがあります。
中でも一番大きな学びは「同じ高次脳の方を観察できる」だと思います。
高次脳機能障害は見えない障害といわれています。他人から見ると普通の人です。そして自分から自分を見ても普通の人なのです。たとえ本人に病識があっても矛盾に気付いていない事もあります。
頭で「自分は高次脳機能障害だ」と理解していても、他の高次脳機能障害の人を見たことがないから、自分でズレに気づけないんですよね。でもズレは自分自身で発見しないと受け入れにくいと思います。
この事への気付きがグループリハビリの最大の狙いだと考えています。
(高次脳機能のピラミッド)
上の図は高次脳機能を表しています。
グループリハビリではこれら一つ一つの脳の機能について解説を受けます。
そして道具を使った作業や発表を通して、「自分はどうなのか?」を発見していきます。
人は物事を比較で実感します。経験のないものを想像するのは非常に困難です。だから同じ高次脳機能障害の方とともに課題に取り組むのだと思います。
一つ一つの課題については別記事で解説しますね。
グループリハビリを受けるまでは「何の意味があるのだろう?」と疑問に感じていました。
自宅からリハビリセンターまでは片道1時間30分もかかります。
大嫌いな電車にも乗らなければなりません。電車に乗ると迷子になる可能性があります。最初の頃は妻に連れられて通っていました。
でも実際に受けてみて「グループリハビリを受けてよかったな」と感じています。
などなど沢山の気づきをもらいました。
一回分だけ京成線の停電騒ぎで受けられない時がありました。ぜひ補修を
受けたいです。もったいないです。