Twitterで当事者支援されている方が、このようなツイートをしていました。
高次脳機能障害の当事者への支援って、いつからどう行うのが良いのだろう?
病識や困りごとの自覚が出た時がスタート地点?
発症後1年以内の方の支援をスタートするから不安。
それに対する私個人の答え。私だったらこうなります。
好き勝手なことを書きました。が、これが率直な私の答えです。
私はインフルエンザ脳症で高次脳機能障害になってから1年半が過ぎています。今は何とか気持ちが安定しています。が、発症後1年以内の時期は山あり谷ありの連続で本当に大変でした。(私も周囲も)
振り返れば「このタイミングで、こんなフォローがあったら…。」という思いが強くあります。
そこで私の経験から、高次脳機能障害の当事者へ支援について、どんな時にどんな寄り添いがあったら、うれしかったのかなぁ?というのをまとめてみました。もちろん私個人の意見ですよ。
簡単にまとめると、こんな支援を受けられたら、どんなに気持ちが楽だったろうがと思います。
・最高に困るタイミングで
・問題を解決するサポートをうけられる
心の奥底から「助けて…」と言いたかった時期があります。でもついに助けを呼ぶことはできませんでした。地獄の奥底でひたすらもがき続けていました。
なぜでしょうか?
理由は二つあります。
この2点により、どんどん困りごとが襲い掛かってきても助けを呼べません。絶対に自力で問題を解決しなければならないと考えていました。
助けを呼ぶことは、人に迷惑をかける事。自分がダメになったことを知られる。絶対にそんなことがあってはならないという認識でした。
でも自力では問題を解決できません。今までできていたことが出来ません。
それでも何とかしようと無理をしました。その結果…
「出来ない自分には価値がないんだ!無理をし過ぎて、再び倒れて、寝たきりになっても良い!」
と、出来ない自分に怒り爆発!パニック状態です。家族が泣いて止めようとしても止まらない。そんなしんどい状態になりました。
私がもっとも寄り添い(助け?)を必要としていたのがこのタイミングだったと思います。
箇条書きにまとめるとこうなります↓
この箇条書きでいうところの6番に行かないようにする支援が必要だったと考えています。
6番のきっかけは4番です。だからいかに4番をフォローするか。
これが高次脳機能障害になりたてだった私にとって最も必要な支援でした。健常者時代の続きをスムーズに再開するための支援です。
私が最も困っていた時期に支援を受けられたらどんなに助かっただろうかって思います。
でもこの時期って「千葉リハでの診察すら受けていない時期」なんですよね。
だから支援の受けようがないのです。もうね、丸腰で敵陣の中に攻め込んでいくような感じですね。よく自分が壊れなかったなぁって思います。
自分の障害を殆ど自覚していない時期でした。あえていうのなら「疲れやすい」「記憶力が悪いらしい」この程度の認識しかありません。「サポートが必要だ」なんて全く考えていません。
「退院直後だし何日か適当に休んだら仕事を再開しよう。今まで通りに。」
こんなのんびりとした状態でしたね。それで仕事を再開して大パニックです。
仕事が再開できなくてパニックになるのなら、仕事ができるようにフォローをすれば良いです。
私が仕事が出来なくなった理由は「作業中に何を作業しているのかを忘れてしまうから」でした。だから忘れてもすぐに思い出せるフォローをすればいい。いや、思い出せなくても問題ないぐらいのフォローが理想かな。
最初の数か月間は妻が私の仕事部屋で付きっ切りでフォローしてくれました。かなり助かりました。
でも、これって家族だからできることです。家族外の方が毎日ずっと張り付いてフォローというわけにはいきません。なら外部の方はどんなフォローができるでしょうか?
私が思うに【予告】がその一つなのかな?考えます。
仕事を再開して壁にぶつかる前ののんびり過ごしていた時期。この時期に「これからこんな問題が起きるからね。もし、問題が起きたらこのように対応するんだよ。」
こんな情報があったら、どれだけ助かったでしょうか。予備知識があるのとないのとでは大違いです。
予告が当たった時点で「凄い!何でも知っている!この人なら問題を解決できる!」このようにとらえると思います。(私だったら)
身近に頼れる人がいるという事実を知っていれば「自分で問題を解決するしかないんだ!」という袋小路に入り込まなくて済みます。
「相談しよう!」という心の支えができます。
でも、すっごい難しいと思います。人によって状況がバラバラですものね。でも、そんなフォローがあったらなぁ…本当に助かると思います。
予告とは事前に今後起こる問題を言い当てることです。
具体的にリストアップするとこういうものでしょうか。これらを言い当てられたら「すごいなぁ」って思います。
私が仕事を止められなくて暴走したのは、自分がダメになったと思わる。そんな恐怖心からです。
そこを事前にピタリと言い当てられていたら…っていうか、ぴったりじゃなくても「きっとこういうことが起きるよ」ぐらいなホンワリしたものでも構いません。きっと事例は沢山あるはず。
自分に近い状態の人の事例を語ってもらうだけでも、圧倒的に信頼するだろうなと思います。安心できます。
「この人に相談すれば安心できる!」
こう感じるものがあれば、きっとパニックになった私を止められる。もしくはパニックを起こさずに済んだのではないかなぁ?なんて思います。
こういうのが私が求めていた理想の支援だったんだろうな。って心底思います。
支援で大切なものって
なのかな?って思っています。
私を振り返ると、こんな風に時期(いつ)を分類できました。
私が支援がぜひ欲しいのは「初めて壁に粒かった時」ですね。この瞬間の衝撃ってとんでもなく大きいです。悲観して大変な事態になる可能性もあります。
障碍者になる直前までやっていた続きをしようとする時期。この頃は病識はありません。困りごとの自覚もありません。初めてぶつかった壁のため「壁がある」って認識が無いのです。得体のしれない何かがある。そんな感じです。
でもよくわからない。なぜかはわからないのだけれど出来ない。
これですね。この生まれて初めて味わう感覚に襲われる時に、支援があったらいいのにな。そう思います。
でもその瞬間が来るまでは何も困っていないんですよね。だから「支援してもらおう」という気持ちも起きていません。本当に突然ですから。
【今後、突然壁が現れますよ。本当に突然に。】
これを当事者と周囲にも伝えておく。そして壁に当たったことに気が付いたらすぐにフォローできる体制を整えておく。
これが私が思いつく高次脳機能障害当事者への支援を開始する理想的な形かな?と思いました。
困りごとの自覚が出る時よりもだいぶ前が、当事者支援のスタート地点になりそうです。