高次脳機能障害と金銭管理|地獄のようなストレスだ

高次脳機能障害と金銭管理|地獄のようなストレスだ

金銭管理というと何が思い浮かぶでしょうか?
一般的には家計を上手にやりくりする。無駄遣いをせずに計画的にお小遣いをつかう。そんなイメージでしょうか?
高次脳になった私にとっては全く違います。金銭管理とは命の管理。そんな重いイメージです。
健常者時代は違いました。働いていたのでお金はほぼ定期的に振り込まれてくるものでした。
だからいくら使えるかと予想が付くものでした。お金をためて欲しいものを買う。などといった楽しみもありました。
でも今は違います。
金銭管理ができません。計算ができない?いいえ違います。計算は人一倍得意です。エンジニアでもありますし。数字にはべらぼうに強いです。
じゃぁなぜ?って思いますよね。
実は、すっごい不安の種なんです。お金って。
根本の原因は、働く能力が落ちてしまったからです。稼げなくなったんですよね。通帳を確認すると、貯金が減る一方なんですよ。数字って恐ろしいです。
有無を言わさずにガンガン減っているのが分かります。
健常者でも見たくない現実でしょう。それを障害を持つ人が見たら…っていうか私が見たらこうなりました。
「はぁはぁはぁはぁはぁはぁはぁ」
かつてないほどの過呼吸が始まりました。そして後頭部の頭痛。「最近頭痛がしないなぁ」なんて喜んでいましたが、通帳を見た瞬間に、横にならずにはいられないほどの頭痛に襲われました。
お金って生活っていうか命に直結していると思うんですよ。そのお金が減るっていうことは、命が減るってことなんです。このままで死んでしまうという事実を例刻に突き付けられるんです。通帳を見ると。
高次脳機能障害な私のような、今を生きるので精いっぱい。心に全く余裕がなく、明日どうなるのか不安。なんて私には絶対に見せてはならないものの一つだと思います。
きついです。本当にキツイです。
昔、妻が私に通帳管理をさせようとしました。元々私の通帳だったので当たり前なのですが、私は断りました。金銭管理なんてできませんよ。
金銭管理なんてしたら倒れます。ストレスと過呼吸で再度大学病院送りです。心が弱っている人に金銭管理は絶対にさせちゃいけない。通帳の話なんて絶対してはいけない。
たとえるのなら、インフルで高熱を出して寝込んでいる人にむかって「10Km走ってこい!」って言うようなものです。倒れます。
そのくらいのレベルだと思います。過酷すぎます。
「何を甘えているのか!」って思う人もいるでしょう。障害を持っていないのなら。
でも無理なんですよ。メンタル的に。
さらに言うと、計算ができなくなっている人や、スグにお金を無くしてしまう人、お金が目の前にあるのに気づけない人、そういう人もいると思うんです。高次脳機能障害ってそういう障害だから。
普通の人になら「注意力不足だ!」って怒る事も出来るでしょう。気を付ける事も出来るでしょう。
でもね。出来ないんですよ。
なぜならそれが高次脳機能障害だからなんです。
一見普通に見えるかもしれませんが、出来ないことがある。まるでふざけているのか、なまけているのか、手を抜いているのか…
そう見えるかもしれないけれど、本人は命がけレベルでまじめに取り組んでいると思います。
それでも出来ないのです。
これね。「気合が足りない!」とかそういうレベルで対応はできませんからね。健常者の方は気を付けたほうがいいです。
そのうち出来るようになる時が来ます。それまではゆっくりと待ってください。
金銭管理も同様です。
お金って怖いです。
本当に怖い。
命を削られます。