世間の残酷な認識|高次脳機能障害はリハビリをしても治らないでしょ

世間の残酷な認識|高次脳機能障害はリハビリをしても治らないでしょ

ツイッターで見かけました。悲しいけれど「高次脳機能障害は治らない」は一般的な認識なのだと思います。なにせ「障害」ですものね。
実際はゆっくりと良くなっていきます。治らない部分は治らないけれど、治る部分や代替手段カバーできたりして、だんだんと元のように戻っていくようです。本当にゆっくりとです。
回復は自分の実感でもあります。また千葉リハからもそういわれています。また書籍を読んでも「回復する」と記載してありますし。
また、これは小室哲哉さんとKEIKOさんのGlobe夫婦の記事ですが、この記事にも書いてありますね。ゆっくりと回復していくって。↓

https://www.sankei.com/article/20180212-7CSLHOUW6ZMYHJD6AXMHXCNKHI/

「高次脳機能障害は治らない!」って断言する人は、高次脳機能障害の現実を知らない人なんだろうなって思います。他人事であって自分は全く関係のない世界の住人という捉え方なのでしょう。だから平気でこき下ろせる。
自分が当事者になるとは夢にも思っていないはずです。自分には関係のない事象だから「治らない」と残酷なことを簡単に言ってのける。
人種差別的なニュアンスを感じます。自分は絶対安全な場所にいる。平気で弱者を攻撃できる。攻撃される人たちの心情は全く考えない。情報が正しいかどうかなんてどうでもいい。目的さえ達成できればいい。
そういう考えの結果が「高次脳機能障害は回復しない。だから離婚して当たり前だ。」という発言に繋がるのだと考えています。
自分の経験の範囲から思うに、高次脳機能障害で離婚の原因は「感情失禁」「意思疎通ができない」あたりかなぁ?なんて思っています。あとは「お金が稼げなくなった」かな?
感情失禁なんてへたすりゃ命にかかわります。精神的にもストレスがとんでもないでしょう。高次脳になると暴力的になる人もいるそうです。なんとなくわかります。
瞬間的にスイッチが入りやすくなって感情のブレーキが利かなくなるんですよね。ブレーキが利かないというか無くなっているのかもしれません。この場合は自分の心と体を守るためにも離婚は仕方がないですね。
それ以外は…受傷以前の夫婦仲次第なのかもしれないですね。もしくは相手にガッツリと貯金があるとか、相手の親が資産家だとかね。生活に余裕があり、キレるようなこともなく、穏やかに過ごせる相手であれば高次脳機能障害の有無ってそんな問題じゃないのかもしれません。
あとは当事者の心の中の問題だけじゃないですかねぇ。そんな風に思います。
だから「高次脳機能障害になったら離婚する人が多いんじゃないの?」って聞かれたら「障害を負った後の性格がどう変わるかに寄りますね。」と答えますね。
また「リハビリをしても治らないよね?」と聞かれたら「え?少しずつ治るよ?」って答えますよ。
事実私は記憶力がどんどん元に戻っていますしね。
病気をしたのが2019年の1月。今は2021年の12月。あれから丸3年になろうとしていますが、発症当時と比べたら障害の度合いは天と地の差です。

高次脳機能障害を克服するためにどうすればいいかわかった事

あくまでも私個人のケースですが、「高次脳機能障害がだいぶ回復したよなぁ」っと思えるようになるために有効だったことは以下の通りですね。

  • 自分の状態を正確に把握するように努める
  • 行動の記録をとる(最初はすべてを記録するつもりで、そのうち要点に絞って)
  • とにかく運動をする
  • とにかく外出をする
  • とにかく人と出会う
  • 目標を立てて行動する

高次脳になると引きこもりがちになりますが、出来るだけ外に出るべきです。そしてアンテナを伸ばしましょう。当事者会や近所のサークル活動などがあったら参加したほうが良いです。可能ならば。
基本的に私は障害をフルオープンしています。「あれとこれがダメ」と説明しておきます。それで相手が嫌な顔をするのならこちらから近寄らなければいい。
どうせ隠しても「なんか変な奴だ」って思われて距離を置かれるでしょうから。そういう人とは最初から縁が無かったと捉えておけばいいです。
記憶障害のある私はどんなに取り繕っても「なんか変だぞ?」とつじつまが合わなくなる時があります。自分ですら「?」となるのですから周囲は「???」と三倍不思議に思うことでしょう。原因を隠しておくのはトラブルのもとだと考えています。
つじつまが合わなくなったときは「記憶がどっかに行っちゃったんですよ~」って一言添えれば「そうか~」と笑い話になるときもあります。相手次第ですけれどね。中には「障害を言い訳にするな」という反応をするタイプの人もいます。その辺りは臨機応変ですね。
私の高次脳機能障害では駆け引きは普通に出来ます。出来ない人もいると思いますが、その辺りは障害特性の違いで私にはどうする事も出来ませんので、ご自分で対策を考えてみてください。同じ状態の高次脳機能障害ってないですしね。

  • ある程度知恵が回って
  • 穏やかに行動できる

この二つの特性があると、生きやすいのではないかな?って思いますね。私は元々穏やかな性格で人にきつく当たることがありませんでした。その性格は障害後に一時期消えましたが、やがて戻ってきました。
そのせいで人間関係のストレスがあまりなく過ごせているのかもしれません。いたって穏やかな日常です。穏やかではなくなるのは反抗期を迎えた子供の筋の通らない主張を相手にする時ぐらいですかねぇ…なんなんですかね。ときどき全部捨てて一人で生活したくなりますよ。
きっと千葉リハでこの事をいったら「障害で理不尽さに耐えられないのが原因だ」なんて言われると思います。そうなんですかねぇ?なんにしろ子供の反抗期は厄介で最大級のストレスです。自分は自分の事で精一杯で相手をしたくありませんね。
「障害を言い訳にするな」って言われますねきっと。でも本音です。このストレスを何とかしたい。
ストレスへの愚痴に変わってしまいましたが、ツイッターで言われていた「高次脳機能障害はリハビリをしても治らないでしょ」の答えは「はぁ?何言ってるの。治っていくよ。」ですね。
治らないから障害なんですけれど、治っている実感がありますから。物理的な結果も出していますしね。発症から半年間の自分と、今の自分は圧倒的に違いますよ。まるで別人です。