私がインフルエンザ脳症で入院していた一ヶ月の間に、数回ほど自分の高次脳機能障害が原因でショックを受けた事があります。
どちらも記憶と注意力の障害が元です。簡単に言えばものすごい勘違い。
…そのレベルの大きさが尋常ではありません。自分自信で違いに気がついたときは、「うわー嘘だろう😱」と、真っ青。
普通じゃありえない注意ミスを犯していたのですから。
この記事では、私自身が初めて自分の障害を体感して驚いたときのエピソードを紹介します。
入院中にさんざんお世話になったMRIのお話です。MRIの形ってこうですよね?一度でも経験した事がある人なら絶対に忘れないと思います。
この筒の中に体を突っ込んで「ガーガーピーピー」と爆音の中で30分ぐらい体内撮影を行いますよね。
私は入院中の間、毎日頭部MRI検査を行いました。脳の腫れ具合と脳に付いた傷の進行具合の確認です。膿を持ったら大変なことになります。
さて、ここからが本番です。
毎日受けていたMRIですが、私が認識していた形はこうたったんです。
酸素カプセルです。血行を促進して、疲労回復の効果があるそうです…
形に注目してください。
筒状だし、寝そべって使う点は共通していますよね?でも筒の中に入る方法が全く違いますよね?
横の蓋を開けて入りますし。装置の大きさだって全く違います。通常ならMRI装置が酸素カプセルを同じ形だなんて考えることは無いでしょう。
ところが私は、同じ形だと信じていました。救急車で運ばれた当日から毎日欠かさずMRIを受けており、すでに二週間が経っているのにですよ?
これが注意力と記憶力がフルパワーで故障していたころの私の精神状態です。
幸いにも治療によって低下した認知力は回復していきました(中には更に悪化する人もいるそうです)そして気がつくのです。「あれ?MRIの形が知っているのと違う!」って…。
入院したのは1月17日。MRIの形が酸素カプセルと違う事に気がついたのは1月29日のことでした。
このような強烈な勘違いを入院中に何度かやらかしています。そして暫くしてから正解に気付き驚いています。退院後も何度もありました。これって笑い話では済まされない恐ろしいことです。
認知性も同じような感じではないでしょうか?
違うのは私の場合は回復する可能性があった。という点ですね。でもコレって何度も繰り返すうちに「自分自信を信用できなくなる」という二次障害を引き起こします。
私は一時期、まるで鬱のようになりました。すべてがまっ暗闇の中でした。今はだいぶ良くなっており希望も見えてきていますけど。きっと誰もが通る道なのかもしれません。
「脳は薄紙を一枚ずつ剥がすように、ゆっくり。ゆっくり回復していく」と言われています。それを実感しています。そうじゃなかったら未だに電車にすら乗れないです。