障碍者雇用。2024年度の法改正により雇用の窓口が広がりました。
企業はより良い人材を求めます。当たり前です。お金を払って雇うのだから。
損失は出したくない。利益につなげたい。当たり前です。企業はボランティアではないのだから。
障害を負ってもまだ出来ることはある。いや、健常者以上に価値を提供できる能力もあると考えています。
しかしそれを面接の場でアピールできなければ採用は遠い。
障碍者就労移行支援施設に通っていて思うのは誰もが真剣だということ。
私は中途障害者。社会経験がある。長年働いてきた。色々な人と接してきた。スキルも十分以上にある。
それでも障碍者雇用は難しいと感じました。
私自身、障害特性ゆえに一度つぶれてしまった経験があります。原因は自分を知らなさ過ぎたからです。健常者時代の自分からアップデートできていなかったからです。
そのため就労移行支援を受けています。ここでの活動を通して第三者の視点による自分の分析が行われます。
しかし、受け身ではダメ。常に進化し続けなければなりません。1つしかない席に二人の候補者がいれば、より良い人材が選ばれるのは当たり前。
「障害者の実力は割り引いて評価される」
私の経験からこのように感じています。
選ばれる人材を目指すのであれば、相手の理解を望むのではなく、自分のステージをあげる必要があるのです。
私達ができることは、いつ何時でも闘えるように己を磨き続けること。油断は禁物。
就労移行支援施設の通所者はそれを肌身で解っているのだと思う。誰もが超真剣。
通所する方々は仲間でもあるしライバルでもあるのです。負けるわけにはいきません。席は限られています。
以下に記す内容は私のためのメモ書き。障碍者雇用を目指す私のためのメモ書きです。
同時にライバルのためのメモ書きでもあります。
自分を振り返ってみよう。
以下にしめす項目。どれだけYESと言えますか?
■1. 適切なコミュニケーション能力
・職場での対話や意思疎通が効果的に行えている。
・同僚や上司と円滑にコミュニケーションを取り、信頼関係を築けている。
■2. ジェンダーに関する公平性と尊重
・性別に関係なく、すべての同僚を公平に扱い、尊重している。
・無意識のバイアスに注意を払い、多様な視点を取り入れている。
■3. チームプレイヤーであること
・チームの一員として積極的に貢献している。
・他のメンバーと協力し、チーム全体の成果を高めている。
■4. 多様な文化や背景に対する理解
・異なる背景を持つ同僚の文化や信念を理解し、尊重している。
・多様なチームメンバーと協力し、強固な関係を築いている。
■5. 誠実さと正直さ
・すべての業務において誠実で正直な態度を貫いている。
・同僚や上司から信頼を得ていると感じる。
■6. 仕事に対する熱意と責任感
・仕事に対して熱意を持ち、積極的に取り組んでいる。
・高い責任感を持って業務を遂行している。
■7. プロフェッショナリズム
・常に高いプロ意識を持って業務に取り組んでいる。
・同僚や上司との信頼関係を築けていると感じる。
■8. ミスを認め、改善する姿勢
・ミスが発生した際、素直に認めて改善策を提案している。
・ミスから学び、再発防止に努めている。
■9. 常に学び続ける姿勢
・新しい知識やスキルを積極的に習得している。
・自己成長に対して意欲的であり、職場での価値を高めている。
■10. 柔軟性と対応力
・新しい状況や環境に柔軟に対応できている。
「休まずに、辞めずに、安定して、働くこと」
常にコレ。特技、職歴、スキル云々は二の次。
私は様々な経験があるので沢山のスキルを持っています。色々なことができます。しかし、業務スキルは障碍者雇用の採用の場ではあまり役には立たないのだと実感しています。
企業が欲しいのは「勤怠の安定している障碍者」なのです。
また仕事の内容は「サポート」が多いと感じています、
職場内で上手くコミニュケーションをとりつつ、実績を積めば仕事を任せられる立場になるかもしれない。が、最初はサポートからのスタートです。
いきなりリーダー待遇とかは無理。採用側だって怖すぎだし、そもそも健常者でも大変でしょう。いきなり部下がいる状況というのは。
最初からプレッシャーが大きいと潰れてしまうかもしれませんし。
だからどんなに業務経験があっても一番下。ドラクエでいうレベル1からのスタートだと認識です。
そのなかで企業が求めている障碍者雇用の人材はこの3つに集約されると思います。
自分の経験をもとに、障碍者雇用に求められる能力をマズローの図のような形にまとめてみました。
下の段階ほど重要です。下は地盤ですね。ここが出来ていないと就労は難しくなるのだと思います。
実際に通所するとわかります。もうね「よく考えられたカリキュラムなんだなぁ」と。本当に実感します。
私は高次脳機能障害特有の「能力がデコボコ」というやつです。
そのため、第5段階までほぼクリアできているつもりですが、第2段階の時間管理が出来ていないと毎度指摘されます。こういうところなんですよね。障害特性って。
作業に夢中になって時間管理ができなくなる…というか私の脳には時間や季節の感覚が無いのです。このあたりが注意障害と記憶障害の影響が出ているのだと思います。
普通の人は「もう1時間が経過したかな?」と感じるところ、私は「無」なんです。何も感じない。
一応「お腹がすいた」とか「疲れた」とかで判断が付きますが、これも過集中を起こすと気が付かない。
夢中に作業をすると「疲れたことにすら気が付かないで突っ走り続ける」という悪魔のようなモードに突入してしまいます。その結果、作業後にとんでもない疲労に襲われてグッタリ…というのが日常的に発生しています。
このような私の特性は、就労移行支援施設ではしっかりとチェックが入っています。だから毎回「頑張ろう!」の評価なんですよね。これ、難しいです。なんせ障害特性ですからねぇ…。
ずばり「散歩」です。私も散歩から始まりました。毎日イオンへ散歩。もしくはイオンへお買い物。牛乳一本。これだけで良いです。何かしら用事を作って外へ出るのです。
最悪は庭に出るだけでもいい。草を一本抜いてみよう。なんならその辺の草を抜いてしまおう。庭が綺麗になります。外の空気も据えます。陽にも当たります。それでいい。そこがスタート。
私はイオンへのお散歩兼お買い物。そして大学ノートに日記を書いていました。絵日記かな?ざっくりと。なんでもいい。「むかついた」とか。「つかれた」とか。「かつ丼食べた」とか。「また失敗した」とか…
そのうち色々と出来ることが増えてくると日記は書かなくなるかもしれません。それはそれでOK。私は記憶障害が酷いのでメモをどう取って管理するかを工夫するようになりました。
そして色々なものにチャレンジです。チャレンジするとそれまで閉塞されていた世界が広がります。人とのつながりが増えます。
人とのつながりは時々面倒だったり、思惑が錯綜して「あーーーもういやだーーー!」と超ストレスに感じることもあります。
でもこのストレスって先ほどの三角形の図の頂点に達しようとしている故なのだと思います。
障碍者雇用で求められる能力が備わってきている証拠ではないでしょうか。
「イオンへの散歩の次は?」
外に出る。人と繋がる。ですかね。
新しい世界でも既存の世界でもいいので外に出る。人とやり取りをするといいと思います。
そこで滅茶苦茶失敗すると思います。全部壁です。本当に嫌になります。悔しい思いもします。
「親切が私をコントロールしようとする思惑に感じてうざい!」となるときもありました。
そこを乗り切る。乗り切るためにはどうすればいいでしょうか?
人に頼ったり工夫したり制度を活用したり。
そのためにはどうすればいい?
こんな自分への問答を繰り返し体験するちに、自発的に解決策を思いついて活用して問題を乗り越えられるようになるではないでしょうか。
そこまで出来きたら「健常者と何が違うのかな?」ですかねぇ?
それがいわゆる「自立」だと思います。
私もその境地を目指したいです。
まだ乗り越えるべき壁はあります。頑張ろう。