私は障害を持つ当事者として、いくつかの就労移行支援事業所を見学し、実際に体験してきました。
以下はその経験をもとにまとめた記事です。
この情報が障害支援者の皆さんのお役に立てば幸いです。
就労移行支援事業所を選ぶ際に一番大事だと思ったのは、個々の事情に対応できる柔軟性と対応力です。
私はシステムエンジニアとしての経験が長く、ITスキルも高いため、標準的なカリキュラムでは物足りないことが分かりました。
それでも就労が難しい状況にあるため、自分に合った支援が必要です。
また、支援者の共感力と安心感を提供する力も大事です。
支援者の立場で気をつけるべきことは、当事者の現状と希望を否定せずに理解し、共感することです。
否定的な態度を見せると、当事者は心を閉ざしてしまいます。
私もその経験があり、支援者の一瞬の行動が積み上げてきた信頼を崩すことがあります。
デリケートな対応が求められます。
就労移行支援事業所で特に効果的だと感じたのは、スケジュールの調整が自由であることです。
私は別に仕事を持ち、厚生労働省から特別な許可を得て就労支援を受けています。そのため、柔軟な対応が必要です。
また、ダブルワークの解消にも協力してくれることが心強いです。
具体的なプログラムよりも、フォローや人と接する場を提供してもらえることが重要です。
「悩みを聞く時間」をカリキュラムに設けている事業所の取り組みが非常に参考になります。
悩みを自分から話すのは難しいため、面談の機会が機械的に用意されることは助かります。
また、様々な作業を経験させて得手不得手を観察することも有効です。
自分では得手不得手は見えにくいため、他者の観察が役立ちます。
一つの作業を何人かで分担して和気あいあいと作業する方法が良いと感じました。
事務所の仕事風景ではなく、畑の作業場のような雰囲気です。
また、大きなモニターを使ったOfficeソフトの授業やマンツーマンの指導の組み合わせも効果的です。
事務所内でお昼の販売や予約を取り扱う取り組みも便利です。
MOS試験の合格を目標に学ぶことが、一つのゴールとなり、障害克服の指標になります。
資格取得は自信回復のきっかけとなります。
また、事業所の固い雰囲気は、実際の職場環境に慣れるための訓練として効果的であり、適応力を高めると感じました。
通いやすさは犠牲になりますが、就労への効果は大きいです。
就労移行支援事業所は、多様な方法で利用者の得手不得手を観察し、適切なマッチングを行っています。
特に高次脳機能障害の方に対しては、生活習慣の改善や生活リズムの整え方を含むカリキュラムが重要です。
それぞれの事業所は異なる雰囲気とアプローチを持ち、利用者が自分に合った環境を見つけることが成功の鍵となります。
支援者の皆さんには、この情報を活用して、より効果的な支援を提供していただければと思います。