高次脳機能障害者の就労|自分との闘いの連続

高次脳機能障害者の就労|自分との闘いの連続

高次脳機能障害になってから2年半かな?相変わらず新しい挑戦へチャレンジしています。今度は未経験の仕事へのチャレンジです。
私は生粋のエンジニアです。不特定多数の人を相手に仕事をしたことがありません。仕事相手は決まった企業の決まった担当者となります。
でも最近挑戦している新しい毎は違います。不特定多数のお客さんが相手です。いわゆる「小売業」というやつですね。簡単に言うとお店の店員さんです。
この仕事。普通の人にはとても楽で簡単な仕事になると思います。ところが私にとっては…結構しんどい仕事です。ここまでで適性が無いのも珍しい!というくらい客商売に向ていないようです。何の変哲もない店員さんなんですけれど。
そうなっている理由は「考えすぎ」これに尽きると思います。もうね、「ああなったらどうしよう。こうなったらどうしょう。どんなケースにでも対応できるように準備しなくちゃ。」こんな考えが浮かんでしまいます。そのため休日でも心が休まずに、あれこれ対策を考えてしまいます。臆病すぎて石橋を叩きまくる性格があらわれています。
しんどいですこの性格。高次脳になる以前の昔の自分にもこのような傾向はありましたが、もっと楽しんで準備をしていたと思います。どちらかというと「私の準備を参考にするがいい!」レベルで思いあがっていたと思います。
それが今では「失敗しないように。怖い…」これですからね。私が執拗なまでに準備に固執する理由って。
なぜこうなるのかというとやはり高次脳機能障害という負い目があるからです。失敗するのが怖くて仕方がない。「新人なのだから失敗は当たり前!」と周りは言ってくれます。でもその言葉が心に届かない状態です。とにかく恐ろしい。常に完璧に100点をとり続けなければならない。そういう脅迫的な考えが自分についてまわっています。
常に心配。常に確認をし続けなければ不安でしんどくてたまらない。予定表や仕事の手順書(自作しました)を一日に何度見直しているかわからないほどです。
ほんと、ばかばかしい事をしていると思います。でも不安です。「なんでこんなに不安なの馬鹿じゃないの?大の大人がさ!」ともう一人の自分があきれています。でももう一人の自分は「失敗してはならない!期待にこたえなければならない!でも覚えている自信がない!」ってプレッシャーをかけ続けてくるのです。
なんなのでしょうねこれ。わけが分かりません。こんな感じなので毎日がしんどいです。一番楽なのは現地で働いている時なのかもしれません。だって職場に出ている間は心配をしなくて済むわけですから。
わたし、ノイローゼにでもなっているのでしょうか?はたから見ると普通の人なんです。でも心の中は常に失敗を恐れて不安でイッパイ。自信に満ち溢れていた昔の自分はもうどこにもいません。ただただおびえて過ごす毎日です。
高次脳機能障害。凄いですねこの障害。海馬がちょっと傷ついただけなんですよ。それで短期記憶障害になって、記憶の想起が不自由になってしまった。
たったこれだけの事なんだけれど、めちゃくちゃ苦しんでいます。直接の原因は「インフルエンザ脳症」です。インフルエンザウイルスに感染したら体内にサイトカインストームが発生して、脳に傷をつけてしまった。その結果最近の記憶の想起がへたくそになってしまった。それだけなんですよね。本当にそれだけ。
でもとんでもなく生きずらくなってしまいました。
しんどいです。つらいです。怖いです。
それでも今はなんとか食らいついています。だいぶ無理をしています。無理をしないと前進できませんから。衰退しますから。衰退はダメです。認めません。許しません。
だから前進します。でも辛いです。
障害を乗り越えるってこういうことなのかもしれないなぁ。
「乗り越えられたらすごいわ」って思います。自分で自分を褒めますね。
高次脳機能障害との闘いはまだまだ続きます。まだ戦えるから頑張ります。頑張ろう!