高次脳機能障害の方の中には、このような行動をとる人もいるそうです。
感情の抑制が効かずにスグに怒鳴ってしまう。怒鳴る行為で怒りがエスカレート。そして暴力に繋がってしまう。相談を持ち掛けられた周りの人が当人の様子をうかがうと、暴力を振るうようには見えない。
このようなケースがあるようです。これって…かなりつらいですよね。しんどすぎです。障害だから最悪は一生このままなのかもしれないんですよね。離婚する人がいるのもうなずけます。
しかし、パートナーがこのような辛い高次脳機能障害になってしまった場合はどうすればいいんでしょうね?
私は若干この傾向がありました。条件が揃うと切れて怒鳴り散らすことがありました。怒りの発動条件は次の3通りでしたね。
これは退院後、仕事を再開したころに起きた現象です。
2月下旬に仕事を再開したときが最初の山場でした。人生最大級の挫折感を味わいました。消えていなくなりたいと思ったほどでした。
なぜなら、長年こなしてきた仕事が全くできなくなっていたからです。記憶障害ゆえに仕事の最中に今している仕事の内容を忘れてしまいます。そのため何度も何度も最初から仕事をやり直しました。全く先に進めません。
締め切りのある仕事でこれは致命的です。これ以上この仕事は続けられないと思いました。自分に存在価値がなくなったと感じました。そして大パニックを起こしたんですよね。
自分への怒りが大爆発しました。
理不尽…もしかすると理不尽ではないのかもしれません。障害ゆえに私が細かい事にこだわるようになってしまいました。
少しでも指示に矛盾や疑問点を感じてしまうと、そこが許せなくなっていました。そして怒るのです。
「なんだこの指示は!こんな指示で仕事ができるか!!」この調子でイライラが募りました。
イライラで感情が爆発しそうになっているときにに苦手な電話がくると最悪です。
全ての言葉が私を責め立てているように聞こえるのです。イメージ的には逃げられない路地裏に追い詰められて絶体絶命な状況です。
本当に些細な言葉が責めているように聞こえてしまうのです。相手にその気が無くても。
私の中にあるのは「恐怖」という感情です。追い詰められても何とかこの場を取り繕うと必死です。全力で対応しています。でも出来ない。時間の流れに追いつけない。
「怖い…怖い…」
最初は恐怖心が溜まっていきます。溜まりすぎるとどうなるか。一瞬のうちに恐怖が怒りに変換されてしまうのです。そしてこうなります
「自分は必死にやっているんだ!」「なぜそんなに責め立てるんだ!」
怒りの爆発です。こうなるともうダメ。頭が真っ白。
障害を持つ前はこんなことになったことなど一度もありません。でも今はなってしまいます。
少し時間がたつと頭が冷えます。そしてひたすら謝罪です。本当に情けない。相手ももう仕事を切りたいでしょう。仕方がないです。障害でこんな風になってしまったのですから。
相手は私を責め立てようなんて1ミリも考えていません。でも私の中では責任を感じるほどに、上手くこなさなくてはならないとプレッシャーを感じるほどに。心の余裕が無くなっていきます。
しんどいです。
こうして文章にまとめられるほど自覚をしています。それでも移管しがたいものが有るのです。怒りの始まりが恐怖から来ているからだと思います。
障害ゆえに恐怖心を抱きやすくなりました。常に心にプレッシャーを感じて生活しています。そのため全く伸び伸びとできません。
この悲惨な状況が高次脳機能障害で復職した私の今です。
千葉リハで指摘されたのですが、私は興味関心が自分にしかないそうです。周囲を試みなくなっているそうです。
妻もそう言っています。最近は変わってきているそうですが…
私には自覚がありません。興味関心が自分にしかないというのはどういうことなのでしょうか?
私は普通に家族と接しているつもりなんですよね。でも違うようなんです。私が病気をする前とは。違いが判りません。
ただ、一つ子供に関して変わったなと感じる点があります。それは、子供関係のトラブルが起こると怒り狂うようです。
子供に対して怒るのではなくて、「子供が意地悪をされた」という時です。
子供がかわいいから怒り狂うのでしょうか?
うーん。なんとなく違います。たぶん、【自分の子供が意地悪をされる=自分への侮辱】こう捉えているのではないかな?
振り返るととそうなんじゃないかなぁ…って思えるのです。ちなみに今は感情の障害は落ち着いています。
子供の件に関して何かが起こっても普通。冷静でいられるようになりました。
以上が私の怒りが発動する条件となりますね。
まとめると「仕事と子供」この二つなんですね。どちらも自分の事では怒らないようです。
また「テレビを見て怒る」といった現象もありません。自分的には「なぜテレビを見て怒るの?わけがわからないよ」です。自分には関係のない出来事ですし。基本的に「ふうん」で終わりです。
運転をすると性格が激変して怒りやすくなる人もいるそうですが、私は運転中も淡々としています。
他の車を見て「運転がへたくそだなぁ」と感じることはあります。でもそれで怒るようなことは無いです。意識はいかに安全に、いかに美しく運転をするか。に意識が行っていますね。
たぶんこれは「運転に関する能力が障害を受けていなかった」からなのかもしれまえんね。運転へのコンプレックスが全くないのです。だから怒る必要が無いんですね。
怒る人が身近にいると怖いですよね。ストレスですよね。
どこに怒りのスイッチがあるか分からないし。怒鳴られると委縮するし、理不尽さを感じると反発や恨みが残るし。
怒りって何もメリットが無いです。そうわかっていても怒鳴ってしまうのですよね。易怒性があると。ほんの些細な事で怒るんですよね。
厄介なことに怒っている自覚が無かったりします。自覚がないと治しようがないんですよね。
自分が高次脳機能障害になってわかりました。高次脳機能障害を克服するために一番大事なのは「本人の自覚」ですよ。
怒りやすい人には「あなたは怒りやすい」と自覚させないとダメです。もうそれしかない。
でも怖いですよね。怒鳴られると。そして暴力まで振るわれたら…自覚を促すどころではないですよね。
私だったら身内が高次脳になって怒りやすくなり暴力を振るうようになったらどうするかな。
絶対距離を置くと思います。離れます。接しないようにします。
でも一緒に住む家族だったら…離婚も視野に入れて、正面からぶつかってみるかな。でもこれって私が男だからできるんですよね。
妻だったらどうするかな…離婚を考えるかな。治るのを信じて耐えるのかな…。
こうして考えると本当に悲しい結末しか思い浮かびません。が、
【高次脳機能障害になって収入を得られなくなるだけではなく、暴力まで振るうようになったら。離婚したほうが良い。】
そう考えます。自分がそうされても仕方がないと思います。これが私の結論です。
暴れた時に取り押さえる見方と一緒に、一度離婚について話し合いをした方が良いと思います。
まずは、困っていることを本音でぶつける。相手が怒り狂う前提で。怒り狂うようなら離婚すべきです。
自分を傷つける障害者に一生縛られ続ける必要はないと思います。
きついですが現実です。受け入れます。