高次脳機能障害がある私の就労。焦らずに自分らしく働くために

高次脳機能障害がある私の就労。焦らずに自分らしく働くために

高次脳機能障害がある私の就労…
障害を負って以来、いくつの壁を乗り越えてきたでしょうか。何度も壁にぶつかって転げまわってきました。増えたしんどさ、偏見、5年目に突入した今でもしんどいです。
それでもめげずに障害を乗り越えようと、新しい行動をしようとしています。
すると、色々な人がアドバイスや手助けをしてきます。とてもありがたいです。
でも同時に困ったこともあります。
それは、それぞれがバラバラにアドバイスをしてくるために混乱が生じる時がある。ということです。
「あちらを立てればこちらが立たず。」的なものだったり、「それをすると私は相当しんどくなるなぁ…」と言うものだったり…。
「しんどくなるなぁ」というのは、障害があって行動ができない私の、超個人的な感想だから、実際は違うかもしれないんですよね。悩むよりもやってみないと分からないものかもしれないですし。
「ようやく現状に慣れてきた。よしよし」と思っていると「まだまだたりない!もっと行動せよ!」という天からの声掛けみたいなものなので、やらないよりもやった方が良いのはわかるんですよね。
でも頭ではわかっていても実際に行動するのはしんどいんですよね。
でもやらないとならないんですけどね…。ホント、私障害に起きてから「でも」という言葉を何十回、何百回使ってきたことやらです。まぁ前向きな「デモ」だからちょっとはましなのかもしれないけれど、こういうすんなりと受け入れられないのは「高次脳特有の融通の利かなさ」の表れなのかもしれません。

今は本当に大事なステップを踏もうとしている時期

自覚有ります。今はとても大事な時期だと思っています。
今まで何十年と続けてきた仕事を続けるのか。それとも切り替えて新天地に進むのか。その判断をしなければならない時期になってきたようです。
今後の人生が大きく変わります。ホント、こんなの脳に障害があったらプレッシャーでつぶれてしまいますよ。少し前の自分なら「なぜ自分ばかりが大変な目に合わなくてはならないんだ!」って怒り狂っていましたよ。
でも今は違います。冷静に現状と将来の事を考えています。切り替えるところは切り替えていかなければならない。残すところは残さなければならない。そうやって少しずつ現状を受け入れながら前に進もうとしている人がいるのが分かります。
この辺りは完全に昔の自分を取り戻せていますね。心配が沢山あるのですが、以前のように二次障害を起こすこともありません。淡々と状況を見定めようとしている自分が居るだけです。

また一つ壁を乗り越えたのかな?焦らなくなってきました

私はいつも「あせるな!」と、くぎを刺されてきました。
何かトラブルがあるとすぐに過集中を起こして、パニックになっていたんですよね。相手が誰だ有ろうとも大声を出してブチ切れたりしていました。その時はもう捨て身ですから。後先の事は全く考えていません。
目上も目下も人付き合いも何も頭の中から消えてしまいます。目のまえにあるのは「自分を苦しめる障害」です。その障害とぶつかって大荒れです。それはもう大変な騒ぎになります。
でも、今はそれはもうありません。完全に昔の性格に戻っています。ひたすら落ち着いていて淡々と過ごしています。
私はとても冷静に物事を考えられるようになりました。
その陰で、今実践している障碍者雇用のための職場見学でも冷静でいられます。相談先によっては私をせかしてきたりもするんですよね。以前の私ならパニックを起こしていたと思います。
でも今は違います。様々な機関と相談しながら新しい働き場所を探せています。本来の私のスタイルです。じっくり比較検討して後悔の少ない選択をしたいです。

じっくりと腰を据えて新しい職場を探したい

私が行動をすると必ずトラブルが起こります。本当に嫌になります。
今回の新しい職場探しでも早速トラブルが起こりました。でもきちんと周囲に相談して解決に進むように、根回しと調整をしています。ガッツリと遂行機能が働いていますよ!
高次脳機能障害がある人にとって一番の困難。と言うかゴールなんですよね。遂行機能障害のクリアは。
相変わらず私は精神障碍者福祉手帳を持っています。3級です。でも社会的にはほぼ健常者並みにやって行けています。
ただ、完全に障害が消えているわけではないので、やらなくても良い失敗はちょくちょくします。そもそも記憶障害と注意障害と言う、厳しい障害は残ったままですから。
高次脳機能障害は治るのか?という問いに少し前の私は「治る」と答えていました。そう信じていました。でも今は違います。「高次脳機能障害は治らない」と感じています。
失った機能は治りません。相変わらず私はダメな部分がある実感があります。でも、上手く回せています。まるで障害が無いようにです。
それは「代替手段」を使いこなせるようになったからです。代替手段の中には「人に頼る」もあります。どうやら私は人に頼れるようになったらしいです。少なくとも以前の私は人に頼れませんでしたから。頑なに拒否していましたから。

障害者雇用に向けての柱

まずは情報の共有が絶対に必要です。千葉リハへの情報共有は絶対に欠かせてはならない。そう実感しています。千葉リハが再出発の原点です。ここに私は絶対的な信用を置いています。
だから、千葉リハを中心として、千葉リハが紹介する組織を活用して、次のステップに進む。という流れを厳守したいと考えています。
そのために絶対避けなければならないのが「自分一人で考えて行動する事」です。
それでは「自立にならないのでは?」と思うかもしれませんが、基本的に私は障害者です。障害がある以上は何かに頼る。活用する。は絶対に必要なスキルです。この点に関してはアレコレ考えても仕方がないです。
少なくとも「私は一人で何かをしようとすると必ず躓く」という性質を持っています。すべてにおいてです。身に染みてわかっています。が、そうなる理由はわかりません。分かった時は障害をクリアした時です。
躓くとかなり落ち込みます。そこから再び心を元の状態に戻すのは大変なエネルギーを必要とします。しんどいです。「何もしない方が良かった。しちゃいけないんだ。」って落ち込みまくりますからね。
行動にはとても勇気が必要です。だからこそ一歩一歩前進しないとならないのですが、途端にいろいろな障害が現れて、本当に大変です。
だから千葉リハのような寄り添ってくれる施設が絶対に必要なんですよね。
それでもも毎朝早くに目が覚めて、今重荷になっている現状にため息をついたりもするんですけれどね…。
それでも今日も何とか前進です!
がんばろうね。