高次脳機能障害当事者が作る映画

高次脳機能障害当事者が作る映画

高次脳機能障害になってもうすぐ6年目を迎えます。あいかわらずのたうち回っています。
お金がありません。仕事を探しています。でも本当に狭き門です。仕事が見つからない。というか仕事が無い。
仕事にたどり着けても長くは続かない。
「そんな馬鹿な」
って思っていたけれど、実際自分もそうでした。あんなに入りたかった職場。5カ月で退社となりました。
自分から「もう無理」って言ったらしいです。「らしい」というのがまたね。どうしようもない。
「なぜ、あんなに良い所を辞めたのだろう?」
今になるとそう思います。社会的な適性が無くなっているのかもしれません。
自分の行動が自分の首を絞めます。その時はベストの選択だったはずなのに、あとになると「大失敗な選択」だったと気が付くわけです。
毎回。毎回。これの繰り返し。自分自身にがっかりですよ。
失敗する度に生きる気力がなくなります。確実に減っているのが分かる。そして回復するまでの時間も長くなる。
どんなに頑張って道を切り開いても、道を用意してもらっても、自分の手でつぶしていくんだもの。
これは高次脳機能障害の何が影響しているのかな?
「衝動性?」
こんな状況でも何とかしないとならないわけでして。
次にすべきことを準備しています。道は二つ用意されています。どちらかを選択して進もうと考えています。
まだやれることがあるのは良いですね。希望の光になります。光へ向かって進む目標ができました。目標があれば頑張れます。
目標に向けて頑張る。は私の生きるためのエネルギーの源ですね。
そんな私ですが、一つの物語を考えてみました。
高次脳機能障害者が考える、高次脳機能障害者の映画のストーリーです。
「なにをやっているんだ?」と思うかもしれないけれど、こういう創作が好きなんです。
ちなみにストーリーは想像通り「真っ暗です」どうしようもないです。
ハリウッド映画のように、「高次脳機能障害があるけれど特性を生かして敵と戦って最後はハッピー!」と言うパターンではないです。
真っ暗。本当に真っ暗。
我ながら「うわぁ。救いようが無いよ、」と思います。でも読み返すと「わかるわぁ」って感心するのです。自分で作った物語に自分が感動です。だって分かりすぎるんだもの。
かなりダークな内容ですが、私が作った物語のストーリーを、今回は紹介します。当事者にとっては「あるある」かもしれません。

高次脳機能障害者が描く高次脳機能障害の物語

タイトル:無声の絶望 
サブタイトル:~あなたは、この物語に、何を思うのか。~
紹介文:
高次脳機能障害者を取り巻く、厳しい現実を、残酷なまでに描いた、社会派ヒューマンドラマ。
登場人物:
主人公:高橋真一(27歳)
妻:高橋由佳(26歳)
息子:高橋大翔(3歳)
母:高橋幸子(55歳)
第一章 病気
真一は、27歳の会社員だった。妻の由佳と3歳の息子の大翔と幸せな家庭を築いていた。
ある日、真一は仕事中に突然倒れた。病院で検査を受けると、脳梗塞を起こしていたことが判明した。
真一は、入院中に高次脳機能障害と診断された。高次脳機能障害とは、脳の損傷によって、記憶力、注意力、判断力、実行力、感情のコントロールなど、日常生活に必要なさまざまな能力が低下する障害である。
真一は、リハビリに励んだ。しかし、症状はなかなか改善しなかった。
第二章 社会復帰
退院後、真一は社会復帰を目指して就職活動を始めた。しかし、面接では、障害を理由に不採用になるケースが多かった。
それでも、真一は諦めずに就職活動を続けた。そして、半年後、ようやくある会社から内定をもらった。
真一は、新しい職場で働き始めた。しかし、仕事は思うようにいかなかった。
真一は、記憶力が低下していたため、仕事の指示を忘れてしまうことがあった。また、注意力が散漫で、ミスを連発した。
上司や同僚は、真一の障害を理解しようとしてくれた。しかし、真一のミスが会社に迷惑をかけてしまうことに、真一自身も申し訳なさを感じていた。
第三章 居場所の喪失
真一は、仕事のストレスから、家庭でもイライラして暴言を吐くようになった。
由佳は、真一の変化に戸惑い、不安になった。大翔も、父親の様子に恐怖を感じるようになった。
真一は、自分が家族に迷惑をかけていることを自覚し、苦しんだ。
ある日、真一は、仕事中に大失敗をしてしまった。上司から厳しく叱責され、真一は会社を辞めざるを得なくなった。
真一は、失意の中、自宅に引きこもってしまった。
第四章 もう一つの世界
真一は、自宅で過ごす時間が長くなるにつれて、現実の世界に居場所を見失っていった。
真一は、インターネットで高次脳機能障害の情報を調べるようになった。そして、同じような障害を抱える人たちの交流サイトを見つけた。
真一は、交流サイトを通じて、同じような境遇の人たちとつながりを持った。
真一は、彼らとの交流の中で、自分は一人ではないと感じるとともに、新しい生き方を見つけた。
しかし、その生き方は、現実の世界では受け入れられるものではなかった。
彼らは、障害者として、社会から排除されていた。
彼らは、差別や偏見に苦しみ、生きていく希望を失っていた。
第五章 希望の喪失
真一は、彼らの生き方に共感しながらも、絶望を感じていた。
自分と同じように、努力を重ねても、乗り越えられない壁が存在する。
その壁ゆえに、失敗を繰り返し、誤解を受けつづけて、自分自身と周囲を落胆させる。
繰り返される落胆はやがて、障害を持つ当事者から生きる気力を吸い尽くす。
真一も、その運命から逃れることはできなかった。
第六章 自殺
真一は、生きることを諦めた。
自分は、この世界に存在するべきではないのだと思った。
真一は、自殺を決意した。
真一は、由佳や大翔に別れを告げ、一人で家を出て行った。
真一は、海に向かって歩き出した。
そして、崖っぷちに立って、身を投げた。
第七章 真一の死
真一の死は、由佳や大翔、幸子に大きな衝撃を与えた。
由佳は、真一の死の原因を、障害や差別や偏見にあると考えた。
そして、真一の死を無駄にさせないために、障害者への理解を深める活動を始めることにした。
由佳は、インターネットやSNSで、障害者への差別や偏見を告発する記事を書いた。
また、障害者団体に参加し、講演会やイベントで、障害者への理解を呼びかけるようになった。
由佳の活動は、多くの人に感動を与え、社会に大きな影響を与えた。
第八章 真一の遺志
真一の死から数年後、由佳は、真一の遺品を整理していた。
すると、真一が書いた日記を見つけた。
日記には、真一の生き様と、障害者への思いが綴られていた。
由佳は、日記を読んで、真一の生きざまを改めて理解した。
真一は、障害を乗り越えて、社会で活躍することを夢見ていた。
しかし、現実の壁にぶつかり、挫折を繰り返した。
そして、最後には、自らの命を絶つという悲劇的な結末を迎えた。
しかし、真一の死は、決して無駄ではなかった。
由佳の活動によって、障害者への理解は少しずつ広がりつつある。
真一の遺志は、これからも多くの人に語り継がれていくだろう。
結末
真一の死は、残酷な現実を映し出すものであった。
しかし、その死は、障害者への理解を深めるきっかけともなった。
真一の生きざまと、由佳の活動は、障害者をとりまく社会を変えていくだろう。
感想
この物語は、高次脳機能障害者を取り巻く厳しい現実を、残酷なまでに描いた物語です。
主人公の真一は、障害によって、さまざまな困難に直面します。
社会復帰を目指して努力しますが、障害を理由に不採用にされる。
ようやく就職できたものの、仕事ではミスを連発し、会社を辞めざるを得なくなる。
そして、家族にも迷惑をかけてしまい、自殺を決意する。
真一の死は、障害者への差別や偏見が、どれほど深刻なものであるかを示すものであり、多くの人々に衝撃を与えるでしょう。
しかし、この物語は、悲劇的な結末で終わるだけではありません。
真一の死をきっかけに、由佳は障害者への理解を深める活動を始めます。
その活動は、多くの人に感動を与え、社会に大きな影響を与えていきます。
真一の死は、決して無駄ではありませんでした。
彼の遺志は、これからも多くの人に語り継がれていくでしょう。
この物語は、障害者への理解を深めるきっかけとなることを願っています。
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この物語は、高次脳機能障害者を取り巻く厳しい現実を、少しでも多くの人に知ってもらうために、書き上げました。
真一の死は、決して美化されたものではありません。
しかし、その死は、障害者への理解を深めるきっかけとなることを、私は願っています。
これからも、高次脳機能障害者への理解を深める活動を続けていきたいと思っています。
また、もしよろしければ、ご自身の体験談をお聞かせいただけないでしょうか。
あなたの体験談は、多くの人々に勇気を与えてくれると思います。